誰かが欠けてもパフォーマンスを保てるようになった
──前回のインタビューで「誰か1人が欠けるとパフォーマンスのクオリティが下がっちゃうのが悪いところ」とおっしゃっていましたが(参照:Shine Fine Movement「ルミナス」インタビュー)、その部分については夏を経て成長しましたか?
南桜 誰かが抜けるとその子のパートをほかのメンバーが歌わなきゃいけないので、1人ひとりの歌割りが多くなって大変なんですけど、最近よくなってきたと思います。でもこの間、咲希が休んだときに私が代わりに担当するはずだったパートを歌い忘れました(笑)。
莉子 とっさに私がフォローしたんですけど、ちらっと南桜のほうを見たら「私は歌いませんよ?」みたいなドヤ顔してて(笑)。5人共歌い忘れたことがあるので人のこと言えないんですけどね。
羽深 ホントに土下座もんです……。
南桜 まあ、いい思い出ですよね(笑)。
莉子 メンバーに学生がいるのもあって、どうしても全員そろうのが難しいタイミングが出てきてしまうんです。私が1回喝を入れてからみんなビシッと決めてくれるようになったので、今は4人でもちゃんとしたパフォーマンスを保てると思います。仲がいいからチームワークもしっかりしてるよね。
──橘3姉妹をはじめ、メンバー同士でケンカすることもない?
南桜 ケンカというケンカはないですね。注意し合うだけで。もしケンカになって私を怒らせたら怖いですよ。子供の頃わんぱく相撲で3位だったんで(笑)。
莉子 (笑)。ファンの方同士も仲いいし、派閥みたいのがないよね。
咲希 推し被り敵視とかないんです。
3枚目のシングルだからこそできる表現がある
──ひと通りこの夏を振り返ってもらったところで、ここからは12月19日発売の3rdシングルについて話を聞かせてください。表題曲の「リフレクト」は切ない曲調に対して、聴く人にエールを送るような前向きな歌詞が印象的です。
羽深 1stシングル曲の「光クレッシェンド」に「止まない雨はない」という歌詞があるんですけど、「リフレクト」には「明けない夜などない」「やまない風などない」というフレーズがあるんです。今までの曲とのつながりや、より力強い思いを感じられて気に入っています。
朝比奈 3枚目のシングルだからこそできる表現があって、笑顔だけじゃなく、いろんな表情で歌っているので、ぜひライブに来て「リフレクト」を聴いてほしいです。
──ダンスにも歌詞とリンクしたような振り付けがあるんでしょうか。
南桜 手で四角を描く不思議な振りがあるんですよ。
莉子 鏡を表してるんじゃない? 反射板みたいな。
朝比奈 あと、今までのシングル曲にも「リフレクト」にも手で光を握りしめるような振り付けがありますね。
──レコーディングはいかがでしたか? 歌の面でも成長を感じたり?
莉子 そんなにいつもと変わらなかったです。でも、みんな平均的に歌がうまくなっていると思います。
南桜 私はボロボロでした(笑)。特にカップリング曲の「シンクロ」で……。「永遠に続くことなんてないことわかってる」というパートで最後に高めの声を出すんですけど、そこが苦手なんです。
莉子 「リフレクト」と「シンクロ」は同じ日に録ったんですが、レコーディングがかなり押して。私と咲希はラジオ番組の収録があったので一旦前の人のレコーディングを中断して、私たちが先に録ってラジオの現場に行くという慌ただしい1日でした。
朝比奈 私がその前の人です(笑)。予定より1時間以上押しちゃったんですよ。
──相当苦戦したんですね。Shineの歌姫である羽深さんは?
羽深 私は先に仮歌を録っていたので、本番のレコーディングではわりとすんなりできました。でも、1つの詞に対していろんな表現を付けられるので、プロデューサーさんに「もう1回違うパターンでレコーディングしていいですか」とお願いすることがけっこうありました。「まだやるの?」って思われていたかもしれないですけど(笑)、もっとできる気がして、いろんなパターンで録って。特に「リフレクト」の落ちサビの「Don't Look Back」というパートでは、ちょっとウィスパーな声にしてみるとか、いろいろ試しました。
南桜 私はその様子を見ていてすごいなと思いました。カッコよかったし、見ていて学ぶことが多かったです。
一番成長したメンバーは咲希
──「シンクロ」は曲調としては「リフレクト」と真逆というか、かなり明るい曲ですよね。
莉子 夏曲って感じですよね。音がにぎやかだし。
南桜 でも歌詞は切ないよね。私はこういう雰囲気の曲が好きで。Shineの切ない系の曲だと「Love Magic」は大人な感じで、「You're My Sunshine」は元気な要素もある曲だったけど、「シンクロ」はホントに切ないんです。「もしもあたしがいなくなったら あなたはどうするかしら」とか、そういう歌詞にめちゃくちゃ共感します。今までのShineの曲の中で一番好きかもしれない。
莉子 今回のシングルには「星に願いを」という切ない系の曲がもう1曲入っていて、咲希が初めて落ちサビを担当している記念すべき楽曲なんです。私は結成してから一番成長したメンバーは咲希だと思っていて。歌もダンスもすごく伸びてるし、プロデューサーさんもファンの方も同じように感じていると思います。
咲希 私、歌で感情を表現するのが下手なんですよ。「星に願いを」の落ちサビはかわいく切なく歌うパートなんですけど、レコーディングで何回もやり直しました。
──自分では成長を実感していますか?
咲希 私はShineの前にアイドルをやっていなかったし、歌もダンスもまったく習ったことがなくて。ステージデビューしたときの動画を見るとめっちゃ下手なんですよ。それに比べると成長したと思いますし、ファンの方も「歌うまくなったね」と言ってくれます。
──何か成長できたきっかけがあったんですか?
咲希 メンバーやほかのアイドルさんの動きを見ていろいろ勉強して、工夫していくうちに少しずつできるようになりました。高い声も出るようになって。
莉子 家でも一番咲希が練習してるよね。
──家で3姉妹一緒に練習することはないんですか?
莉子 ないですねー。それぞれ1人でやってます。
南桜 私は家族がいるときには練習しないですし。1人のときにほかのアイドルさんの動画を観て、歌っているときの手の振りとかを参考にしています。
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熟女になった気分でレコーディングした