誰か1人が欠けると調子が悪くなる

──Shine Fine Movementの持つグループとしての特徴や、ほかのアイドルとの違いはなんだと思いますか？

咲希　メンバーのキャラクターをまったく作っていないから、ファンの方との距離感が近いのが特徴だと思います。

莉子　ファンの方の年齢層も幅広くて。はっきりとしたジャンル分けがされていないのがいいところなんじゃないかな。

──ほかのLTGのグループと比べるとどうです？

莉子　一番メンバー同士の仲がいいグループだと思います。

朝比奈　雰囲気がいいグループだってよく言われます。

莉子　でも、誰か1人が欠けるとパフォーマンスのクオリティが下がっちゃうのが悪いところで。5人で1つなんですよね。誰か1人休んだときもがんばろうと思うんですけど、「今日はダメだ……」って調子が悪くなっちゃうんです。

──それだけ5人の結束力が強いんですね。グループ内での役割分担は決まってるんですか？

咲希　私はリーダーをやらせてもらってます。

羽深　私は一応サブリーダーです。

莉子　咲希はリーダーだけどマイペースでポンコツなところがファンの方の受けがいいんです。芽生は自分を主張しすぎない穏やかな子で、おかげでShineが“温かい光”をイメージしたグループでいられるんです。芽生がいなかったらただのうるさいグループになっちゃうと思います。

咲希　莉子はMC担当で、実質リーダー的な存在かもしれません。

莉子　最年長なのでみんなのお世話係を担っているところもあります。南桜とるうはムードメーカーですね。

──ライブのMCでもオチを担当したり？

莉子　そうですね。この2人をいじることが多いです。るうはものまねが得意だし。メンバー1人ひとりの個性が強いグループですね。

アイドルは天の上の存在だと思っていた

──ここまで約9カ月間活動してきて、デビュー当初から変化したことはありますか？

南桜　seeDreamで活動していたときは私の歌割りがほぼなかったんですよ。ライブでは人数が多くてマイクが足りないから私はダミーマイクを持ってて。Shineに入ってからはソロパートがあるし、自分の声が入ったCDも出せて、大きく変わりましたね。

朝比奈　私もseeDreamで活動していたんですけど、今はその頃の倍以上にパフォーマンスがよくなったと思います。Shineのほうがライブの数が多いし、ライブ映像を観てほかのメンバーのいいところを盗んで、次のステージに生かしてます。最近マネージャーさんに「踊ってるとき大人っぽいね」って言われたので、ダンスはだいぶ成長できたんじゃないかな。

莉子　歌も成長したよ。

朝比奈　ホントに!?

莉子　るうはseeDreamのときはホントに歌がひどくて。棒読みみたいな歌だったんですけど、最近は歌に抑揚が出るようになりました。でも褒めると調子に乗るから、あまり褒めないようにしてます（笑）。

南桜　私は声が低いんですけど、プロデューサーさんが作ってくださる曲のキーがけっこう高めで、1stシングルのレコーディングですごく苦戦したんです。でも2ndシングルでは2、3テイクで成功できてうれしかったですね。

咲希　私もレコーディングのときにプロデューサーさんに歌がうまくなったと言われましたよ。

──メンバーみんな成長したんですね。

莉子　5人のダンスもそろうようになりました。

羽深　ミュージックビデオの撮影のときに地面に映る自分たちの影を見たらきれいにそろっていて感動しました。

莉子　あとパフォーマンス面以外の変化だと、芽生が猫をかぶらなくなりました。

羽深　アイドルのことを全然知らなかったから、アイドルは天の上の存在で、うるさくしちゃいけないと思ってたんです。女の子らしく、座っているときも脚を組まず、背筋をピンと伸ばしていなきゃいけないと思い込んでたんですけど、メンバーから「素でいいんだよ。芽生が楽しんでいればそれでいいんだよ」って言われて、「あっ、いいんだ。じゃ、楽しみまーす」って楽になりました（笑）。

莉子　人間って素を出さないとストレスが溜まるじゃないですか。芽生もそれで潰れかけたことがあったんですけど、素を出すようになってからは一気に脱皮した感じです。

羽深　最近は素が出すぎて怒られるくらいです（笑）。

1stシングルで培った光を放っていく

──6月27日発売の2ndシングルの表題曲「ルミナス」は、「光る」「輝く」を意味する言葉がタイトルに付けられた、グループのコンセプトに沿ったナンバーですね。

朝比奈　自分のパートに「同じ種子から生まれ 旅に出るかのように」という歌詞があるんですけど、もともとみんなseeDreamとして活動していたので、自分たちに重なるものを感じます。

莉子　「わたし」と「あなた」という言葉が何度も出てくるんですが、「わたし」はShineの5人、「あなた」はファンの方や曲を聴いてくださる方のことだと思っていて。1stシングル曲の「光クレッシェンド」も光をテーマにした曲なんですけど、「ルミナス」はさらに輝いているイメージがあって、1stシングルで培った光を強く放っていくような気持ちで歌っています。

咲希　夜の野外ライブで「ルミナス」を披露したときに、自分たちで歌っていて「エモい！」って思っちゃいました。「あなたの光」というフレーズがファンの方のサイリウムと重なって、まさにこの瞬間のことを歌っている曲だなと感じて。

南桜　振り付けだと「背中を押す光は」と歌うところで、背中を押すように前に腕を突き出す動きがすごく好きです。

羽深　間奏には私たちが光を放っているような振り付けがあって、曲とリンクしたダンスになっているんです。あとサビの部分はまねしやすい動きなので、ライブではお客さんも一緒に踊ってほしいですね。

南桜　この曲ではファンの方がMIXでめっちゃ盛り上げてくれるんですよ。

──ライブではほかの曲でもMIXやコールが入ることが多いですか？

莉子　そうですね。メンバーから煽ることもありますし。

咲希　コールがあるほうがファンじゃない人の目を引きやすいし、私たちも楽しいし、どんどん入れてほしいです。

──アイドルのことをまったく知らなかった羽深さんは、アイドルファンの方がコールを叫ぶのを最初に見たときに驚きませんでしたか？

羽深　ミュージカルだと常に座っていて、曲が終わったら拍手するだけで。席から立ち上がるのはカーテンコールぐらいなんです。なので、アイドルを始めてお客さんの盛り上がり方を見たときはすごく驚きました。「この人たち、歌を聴いてるのかな？」って（笑）。でも最近はお客さんの声が小さいと「あれっ？」って寂しく思っちゃいます。