人の力になる音楽を

──2月4日にリリースされたシングル「キミノナミダ」について聞かせてください。今作は2月16日付けのオリコン週間チャートで初登場9位、1万3000枚近くを売り上げるという好セールスを記録しましたね。

DEppa　ありがとうございます。今回は特に自信作ができた実感があったので、どうにかしてウイークリーチャートでトップ10に入りたいという目標がありました。それを叶えるために数十本のライブをこなしたり、いろんなところで宣伝活動をしたりして。メジャーデビューしてから4年目で1つの目標を達成できました。

──「キミノナミダ」の収録曲はいつ頃から歌っていたんですか？

DEppa　「SAMURIDER」は最近ライブで披露し始めたんですけど、「ここで泣こうよ」は昨年8月くらいから全国で歌ってきました。発売までに約半年間歌い続けてきたので、愛着がありますし、大事な楽曲になりました。

──シングルの発売日をアナウンスした今年1月、全米感涙協会の「涙活公認アーティスト1号」に任命されたこともあわせて発表しました（参照：シクラメン、メンバー号泣の新作詳細＆涙活公認アーティストに）。任命されたきっかけはなんだったんですか？

DEppa　協会の寺井広樹会長がシクラメンのことを知ってくれていまして。2011年に発売した「なみだのあと」に「涙のあとに見えた景色が違うように見えたなら / 君は強くなれたんだ / だからもう耐える必要ないよ」っていう歌詞があって、それを聴いた寺井会長が「シクラメンの楽曲は、涙を流すことで心のデトックスを図るという“涙活”の活動理念にぴったりだ」って思ってくれたんです。さらに「シクラメンの楽曲は泣けるだけでなく、泣いたあとのすっきり感が魅力的だ」って言ってくれていて。その後「ここで泣こうよ」を聴いてもらったらさらにその思いが強まったみたいで、“涙活”の公認アーティストとして選んでいただきました。

──選ばれたときの気分はどうでしたか？

DEppa　認められたことがすごくうれしかったです。人の力になる音楽を歌っていくのがシクラメンなんだなっていうことも再確認しました。

J-POPの新しいスタンダードを示したい

──「SAMURIDER」はEDMサウンドがクールなダンスチューンですね。

DEppa　この曲はPandaBoYくんと一緒に作った曲で、2015年のシクラメンはこれまでと違うんだぞってアピールできる仕上がりになったと思います。

──シングルジャケットやPVでは芸者風のカツラにジャージ姿でばっちりメイクもしていますし、普段の雰囲気とはかなり印象が違いますよね。

DEppa　 このシングルには“THIS IS NEW STANDARD OF J-POP”というテーマがあって、PVも含めてJ-POPの新しいスタンダードを示そうとした結晶です。「過去を振り返らずに突き進んでいくぞ」という気合いを込めたビジュアルにもなっています。

──PVはコミカルな映像になるのかなと思っていましたが、実際はシリアスな仕上がりでした。

DEppa　おちゃらけるとどうしてもとっ散らかっちゃうんで、「僕らは最高にカッコいい」と思って撮影に臨んでました。あと化粧をすると自分の中の何かが変わることに気付きました（笑）。

桃紅茶　ああ確かに。アイラインを入れたら、「僕は自分がG-DRAGON（BIGBANG）になった！」って気分になりました（笑）。

絶対恩返ししよう

──皆さんは活動を続けていく上で意見がぶつかったり、つらかったりした時期はありますか？

DEppa　メンバー同士ずっと支え合ってやってきてたんですが、去年が一番つらかったです。活動がうまくできないことにプレッシャーとかもどかしさを感じて。

──何が大変だったんですか？

肉だんご　去年の1月に僕が喉のポリープを取る手術をしたんですよ。それで、「歌えない」ってことにすごい危機感を感じて。手術したあとしばらくしたら歌えるようになるし、これからも歌えるようにするために手術をしてるんですけど、その手術後の期間がもどかしくて。

DEppa　肉だんごが手術するって言うんで、僕もポリープがあったんでやるなら今しかないってことで手術して。それでシクラメンの活動が何もできない状態が続いたんです。

──気持ち的につらかった時期をどうやって乗り越えたんですか？

DEppa　ファンの皆さんが支え続けてくれたことが一番大きいですね。僕らが活動できない期間にファンは「心配しないでいいよ、私たちがついてるよ」って言ってくれていて。手術後、歌えるようになって「シクラメンの夏」（2014年5月発売のアルバム）を出して、夏にツアーをやったんです。僕らが各地を回ったときに「待ってました！」とばかりにみんな会場に足を運んでくれました。僕らだけだったら気持ちが折れそうだった状況をファンのおかげで乗り越えられました。

──そのつらい時期を乗り越えたことで、気持ちに変化は生まれましたか？

肉だんご　何もできない時期にいろんな人に支えられたんで、今は「絶対恩返ししよう」っていう前向きな気持ちが自分を突き動かしています。「キミノナミダ」がウイークリーでトップ10入りできたのはもちろんファンのおかげですけど、結果を残せたのはファンへの恩返しになったんじゃないかなと思ってます。