ナタリー PowerPush - SHAKALABBITS
メンバーが語り尽くすKING脱退の真相&バンドの今
ダークな気持ちをどんどん取り払って完成した「Condenser Baby」
──そして、新体制で初のアルバム「Condenser Baby」がいよいよ発売されます。このアルバムはどういう作品にしようと考えてましたか?
UKI 最初にそういったものが思い描けてなかったんです。どんな作品を作るのか、作れるのか、作ろうとしてるのかって考える隙が全くなくて、1曲1曲を一番かっこいい形にしていく感じで作業していって。曲が増えたらそこからふるいにかけて、残った曲でアルバムを組み立てようとするんだけど、それでも本当に1枚の作品として成立するのか、レコーディング初期の段階では想像できなかったですね。
MAH 変にSHAKALABBITSブランドを守るプライドだけで作業してたところがあったよね。
TAKE-C そうだね。
MAH ありがたいことに、長いことSHAKALABBITSいいねって言ってくれる人がいてくれる。そういう人たちが新作を聴いて不安に感じないように、「やっぱいいな」って言ってもらえるようなクオリティを求めることに夢中になってたんです。でも、キンちゃんのことがあって、そういったことも歌詞や演奏に影響を与えていく中で、いつの間にか今みたいな形が導き出されて。最終的には良かったなって思います。
UKI 去年の5~11月くらいの、なんとも言えない時期があったからこういう作品ができたんだと思うけど、あの当時は本当に酷すぎて、「音楽ってこんなに悲惨なものだっけ」っていうくらいわけもわからず苦しかった。でも、そういう私たちのネガティブな気持ちが曲自体もダメなものにするところだったと気付いて。そこからはまた素直になって、歌詞や音楽に今の自分の気持ちをどんどん込めていけるようになったんです。だから、ダークな気持ちをどんどん取り払っていって完成したのが「Condenser Baby」です。
さくっと始められるけどなかなか奥深い
──「Condenser Baby」はアルバムの構成がすごく考えられていると思いました。ガツンとした曲から始まって、中盤にじっくり聴かせる曲があって、後半はラストに向かって突き進んでいく。すごく気持ちいい流れなんですよね。
MAH 曲順は全てUKIのセレクトです。
TAKE-C 僕らは早いうちから「曲順考えるの、ちょっと無理かな」って諦めてたから(笑)。
UKI 今までは「River's Edge」みたいなゆったりした曲って後半に持っていきがちだけど、今回はアルバムの真ん中に入れたいとかいろいろ考えてたら、私の中のDJ大会が止まらなくなって。これっていう曲順をメンバーにプレゼンしたら、わりとあっさり決定したんです。しかもこのアルバム、「COUNTDOWN JAPAN 11/12」でのライブの時間より短いんですよ。
──40分に満たないですしね。
YOSUKE 丁度マスタリングのときに、兄貴と「THE BEATLESのアルバムみたいに、何度も続けて聴きたくなる作品ってきっと30分くらいの内容だよね」って話してたんです。
MAH 今まで重いアルバムばかり作ってきたので、軽やかに聴けるものがいいなっていうのはありました。
UKI 軽く足を踏み込んだら、思いかけず冒険が広がってたみたいな。
MAH ゲームソフトにしてもそうじゃん。最初始めるときに手こずるゲームって「もういいや!」ってなるじゃん。
TAKE-C なるなる(笑)。
MAH さくっと始められるけど、なかなか奥深いねっていうのが楽しいんだよ。
──YOSUKEさんはSHAKALABBITSとしての初のレコーディング、どうでした?
YOSUKE SHAKALABBITSは曲が難しいですよね。だからとても勉強になりました。
MAH リハのときも言ってたもんね。「SHAKALABBITS舐めてたー!」って(笑)。
YOSUKE 難しいッス。みんなすげえタイトな演奏をするので、それについていくのが大変で。
UKI 3曲目の「Tope con Giro」は仮のベースラインをタケちゃんが弾いてたときからなんとなく曲のイメージは掴んでたけど、サビにちょっと物足りなさを感じていて。「もう一癖欲しいよね」って思ったときにYOSUKEがたまたまスタジオに来てたから、「ちょっとベースラインを考えて」って軽く言ったんですよ。
YOSUKE そこでパッと練って、「じゃあ録ってみるか」って言われてそのまま録音したんですよ(笑)。
CD収録曲
- Player (Instrumental)
- Condenser Baby
- Tope con Giro
- mademoiselle non non –special-
- ユメミギャロップ
- River's Edge
- YOU and ME
- A Magical Hand Story
- Go An' Let Me Go
- Blue Flamingo
- I'm a Dreamer
- mademoiselle non non –dubwise-
- Vamos A La Marcha
SHAKALABBITS(しゃからびっつ)
1999年に結成された、UKI(Vo)、TAKE-C(G)、YOSUKE(B)、MAH(Dr)の4人からなるロックバンド。パンキッシュなサウンドとポップなメロディ、UKIのキュートなボーカルがファンから高く支持されている。インディーズでの活動を経て、2002年にシングル「ROLLIE」でメジャーデビュー。2004年には全国ホールツアーを敢行し、翌2005年に初の日本武道館公演を成功させる。2006年にも全国ツアーの一環として、自身2度目となる武道館ライブを実施し即日ソールドアウトを記録。その後もライブとリリースを精力的に重ねてきたが、2011年12月に前任ベーシストのKINGが脱退。同月末に行われた「COUNTDOWN JAPAN 11/12」でのステージから、TAKE-Cの実弟YOSUKEが加わり現編成となる。2012年2月にはニューアルバム「Condenser Baby」をリリース。