ナタリー PowerPush - SHAKALABBITS
メンバーが語り尽くすKING脱退の真相&バンドの今
兄弟でバンドをやるのってどうなんだろうって考えてた
──12月29日の「COUNTDOWN JAPAN 11/12」でのライブでは、早くも新ベーシストYOSUKEさんの加入が発表されました。
MAH キンちゃんの脱退発表から1カ月経ってなかったし、「初めからYOSUKEが入るの、決まってたんじゃないか?」みたいなこと言う奴もいたけど、そんなことないからね!(笑)
TAKE-C あの頃はマジでどうしようって感じだったし。
MAH YOSUKEは最近まで栃木にいたからね。
YOSUKE(B) 自分の人生を謳歌しておりました。
MAH キンちゃんが学園祭ツアーの練習に来なくなってから、YOSUKEに週1くらいでリハーサルに来てもらって。彼は宇都宮のライブハウスで働いてたんで、練習のたびに東京に呼んでちょっとずつ曲を覚えてもらったんです。
UKI 一緒にやってみないとわかんないから、とりあえず4人で合わせたよね。
TAKE-C うん。新しいベーシストを入れるときに、どれだけ知り合いだとしても、どれだけうまいミュージシャンだとしても、やっぱりバンドとしての一体感を出せるかどうかが一番の問題で。
──そもそもなぜ弟のYOSUKEさんをバンドに誘おうと思ったんですか?
TAKE-C 僕の弟もずっとベースをやってたのは知ってたけど、田舎に帰っちゃってるし、兄弟でバンドをやるのってどうなんだろうって考えてたんです。キンちゃんの脱退が決まったのが、高松のイベント「MONSTER baSH」に行く前日で。次の日に空港でMAHと話したら、MAHも僕と同じことを考えてたみたいで。「タケちゃん的には弟とバンドをやるっていうのはどうなの?」って言われて。僕らが勝手に考えてもらちが明かないし、とりあえず高松に着いてから電話でYOSUKEに状況を説明して、ちょっと手伝ってもらうのは可能かどうかをまず打診したんです。
YOSUKEが入ってすごく音楽が楽しいなって感じた
──YOSUKEさんとしては、全く予期せぬ打診だったわけですよね?
YOSUKE すっげえびっくりしましたよ。ベースは好きでずっと続けてたけど、自分はこのまま宇都宮のライブハウスで、どうやったら栃木のシーンが盛り上がるのかを考えながら仕事を続けていくだろうなと思ってたので。1カ月くらい悩んだんです。周りにも「なんかあったろ?」ってすぐ気付かれたりして。
一同 あははは!(笑)
YOSUKE 人生の大転機みたいな顔してたみたいで。で、深い付き合いの仲間に全部話したときに、大手を振って「行ってこいよ! 宇都宮のためにって思うんだったら、むしろ行ったほうがいい」って言ってくれたんです。
──そうだったんですね。
YOSUKE はい。そもそも、僕が音楽を始めるきっかけになったのはうちの兄貴で、ベースを始めるきっかけを与えてくれたのはMAHなんです。当時2人がやってたバンドのライブとか練習とかを観にいって影響を受けてバンドを始めたから、憧れだったんですよね。だから、僕も音楽をやっている者としてみんなと1回合わせてみたかったというのもありましたし。それで一緒にスタジオに入ってみたら、当時と変わらないスタンスで練習をしていたので、本当にうれしかったし楽しかったんですよ。だから1回合わせて迷いは消えました。
MAH 僕らは高校時代を最後に、こいつがベースを弾くところを見てなくて。でも聴いたらうまくなってたので、「じゃあ曲を覚えてみろよ」ってその日に僕らの曲をちょろっと覚えてもらったんです。なんとなくわかるじゃないですか、サビだけ合わせてみてもこれは楽しいなって。そこから今に至ります。
──その1回のリハーサルが大きかったわけですね。
MAH それが全てです。
YOSUKE ジャムやって鳥肌が立ったからね。
MAH 面白かったね。UKIなんて普段のリハーサルのときには歌わないことも多いけど、あのときは歌ってたもんな。
UKI 単純にすごく音楽が楽しいなって感じたからね。「COUNTDOWN JAPAN 11/12」まで1カ月あるかないかくらいの中で、毎日集まって練習するのがものすごく楽しくて。スタジオ最終日には「あさって、本番だね」って寂しくなっちゃって。ちょっと前までグンと沈んでた分、練習が楽しいってことが新鮮に思えて、面白かったんだよね。
お客さんに自分たちの思いが伝わったのが見えた気がした
──そして、年末にYOSUKEさんのデビューライブが行われたわけですが。
YOSUKE 終わったあとにすっげー悔しくなりましたね。もっといい演奏を聴かせたかったって思いました。それでもお客さんは盛り上がってくれてるわけじゃないですか。本当に申し訳ないと思って。
MAH それ、忘れんなよ。
YOSUKE はい(笑)。でも、ライブ自体はすごく楽しかったです。
──お客さんのリアクションはどうでした?
UKI どんなライブなんだろうって、みんなが思ってただろうけど、「待ってたよ!」っていう空気は強く感じましたね。お客さんの中には私たちの「続ける」っていう決意が伝わったのか、ライブ中に涙を流してる女の子たちもいて。「終わらないでくれてありがとう」って受け取ってくれたのかもしれないですね。それに、私たちのライブを初めて観るお客さんにも、何かが伝わったのかなっていうのはあの40分のライブ中に体感できました。
MAH 僕はドラムだから一番後ろのちょっと高いところから会場を観てるんですけど、今まで俺らが出た「COUNTDOWN JAPAN」の中で一番盛り上がったんじゃないですかね。後ろのほうまでモッシュしてたから。
TAKE-C 僕もその手応えは感じた。今回は自分たちの思いがお客さんにダイレクトに伝わって反応してる感じがすごくわかって、楽しいなって思いながら演奏してました。
MAH 音楽ってすげえよね。
一同 すごいよね。
──結成13年目で「音楽ってすごい」という思いに、改めて到達したと。
MAH はい。本当に尊いなと思いましたね。
CD収録曲
- Player (Instrumental)
- Condenser Baby
- Tope con Giro
- mademoiselle non non –special-
- ユメミギャロップ
- River's Edge
- YOU and ME
- A Magical Hand Story
- Go An' Let Me Go
- Blue Flamingo
- I'm a Dreamer
- mademoiselle non non –dubwise-
- Vamos A La Marcha
SHAKALABBITS(しゃからびっつ)
1999年に結成された、UKI(Vo)、TAKE-C(G)、YOSUKE(B)、MAH(Dr)の4人からなるロックバンド。パンキッシュなサウンドとポップなメロディ、UKIのキュートなボーカルがファンから高く支持されている。インディーズでの活動を経て、2002年にシングル「ROLLIE」でメジャーデビュー。2004年には全国ホールツアーを敢行し、翌2005年に初の日本武道館公演を成功させる。2006年にも全国ツアーの一環として、自身2度目となる武道館ライブを実施し即日ソールドアウトを記録。その後もライブとリリースを精力的に重ねてきたが、2011年12月に前任ベーシストのKINGが脱退。同月末に行われた「COUNTDOWN JAPAN 11/12」でのステージから、TAKE-Cの実弟YOSUKEが加わり現編成となる。2012年2月にはニューアルバム「Condenser Baby」をリリース。