最後は明るく終わりたかった

──このアルバムは、曲順も大きいですよね。特にオープニングの「free quiet」と、ラストの「Y/N」。ずーんと重い内向的な曲から始まり、シリアスな「光」で終わると思いきや「Y/N」で最後にテンションが上がるという。ああいう感じになったのは？

内村　まず、最後は明るく終わりたかったんですね。仕切り直して始まったこともあるし、ずーんと終わりたくなくて（笑）。明るく前向きに終わりたいと思ったし、これから続いていくことを意識させるものでありたかったので。最後にはワクワクして、もっと次に聴きたいって思ってもらいたかったから。それに相応しい曲が「Y/N」だったという。

比田井　「free quiet」は、アルバム全体の流れを考えたときに、イントロダクションとしてふわっと始まるのがいいかなと思ったというのがありました。

──「RPG」についてはどうですか？ 今回、この曲をシングルにすると決めたときにはアルバムの全体像が見えていたんですよね。

内村　全体像は見えてなかったんですが、次は「RPG」が核になるフルアルバムを出そうと決めていたんです。もともとこの曲を出したいというのがあったんですよね。

インタビューで訊かれても「アレ」が何かは明かさない（笑）

──ちなみに、作っていて、この曲は大変だったとか、印象深いエピソードがあるというのは？

内村　どの曲もすごい濃さで、同じように濃いけど。私がうれしかったのは「are」という曲。この曲は歌詞がスルっと出てきたんです。「アレ」を最後まで明かさずに書きたいと思って。それをやったらすごく楽しくて、印象に残ってます。

──「アレ」が何かはこの先も明かさない？

内村　うん、インタビューで訊かれても明かさない（笑）。私の中ではあるけど、それを明かさないままに書いていくということを思いついたときの「ひらめいた！」って感じには、すごくワクワクするものがあったので。まあ、別に言ってもいいんですけどね（笑）。

比田井　僕は最後の「Y/N」という曲ですね。曲の種は昔からあって、一度違う形で演奏したことはあったんですけど、このSchool Food Punishmentというフォーマットに落としこむのがすごく大変で。それをプロデューサーの江口亮さんがアレンジしてくれる作業が感動的なくらいで。魔法でしたね。「Prog-Roid」っぽさが一番出てる曲だと思います。

オープンになることによって広がる可能性のほうにワクワクする

──School Food Punishmentは曲が映像的なのも一つの特徴ですよね。1つ1つの要素が視覚的だし、ドラマチックだから、アニメのエンディングテーマにも合うし。そういう意識はあります？

内村　江口さんが、よく「89秒のドラマ」ということを言うんです。アニメのエンディングって、89秒で終わるから。その中にドラマがないといけないと。それは本当にそう思いますね。

──そういうふうに、ほかの価値観とうまく融合させるというバンドの考え方があるから、主題歌のようなものにもすごくハマると思うんですよね。

比田井　そういうことによって広がる可能性にワクワクするというのはありますね。アニメの世界観とか、プロデューサーの江口さんやアートディレクターの河原さんの考えとか、それでSchool Food Punishmentが良くなるものなら、なんでも受け入れたいですね。