ナタリー PowerPush - SEAMO
祝・シーモネーター復活! 新曲、コラボ、エロを語る
もし何かトラブルがあったら、全部シーモネーターのせいにしてください
──新曲「S.ex. with TSUCHIYA ANNA and SUGA SHIKAO」のコラボゲストはどのように決めたんですか?
セックスの歌……と考えたとき、失礼ながら真っ先に思い浮かんだのが土屋アンナさんでした。土屋さんにはセクシーでタフなセックスアピールを感じていたので。それでダメもとでお願いしたら、快く引き受けてくださって。
──お願いするときは曲のコンセプトまで話すんですか?
もちろんそうです。今回は「SEAMOになる前、シーモネーターという、ちょっと茶の間をお騒がせするようなキャラクターでやってたんだけど、今回はその名義で『セックス』をテーマに曲を歌いたい。でもクソカッコいい曲にしたいんだ」というふうに説明しました。
──それに対し、土屋さんはどんな返答を?
あっけらかんとしてウェルカムという感じでしたね。僕はレコーディングまで一度もお会いしたことがなくて、少しお高く留まってるイメージすらあったんですけど全然そんなことなく。とってもラフな格好でスタジオに現れて、歌い出したらこの曲のイメージにもうピッタリでした。野生的で、たくましくて、女版ターザンのような(笑)。
──もう一方のスガシカオさんは、レーベルメイトなので面識はあったのでは。
はい。スガさんが変態なのは僕も前から知っていたので。
──あははは(笑)。確かに、スガさんも楽曲にエロを盛り込む天才だと思います。
そういう意味ではスガさんのほうが数倍キレてますよね。周りのスタッフがスガさんのアーティストイメージを守るためにいろいろやっていても、スガさん自身は「別にいいじゃない」って感じで余裕たっぷりでした。2人ともよく“シーモネーター”の曲に参加してくれたなっていう驚きもありますが、一緒に制作できてうれしかったですね。ただひとつ、僕から2人に言っといたのは、「もし何かトラブルがあったら、全部シーモネーターのせいにしてください」(笑)。
「俺は何役をやればいいんだ?」といつも考える
──私は「コラボ伝説」を聴いて、SEAMOさんのコラボレーション相手は3つのタイプに分けられるのでは、と思いました。まず1つ目が、BoAさんやhiroko(mihimaru GT)さんといった“歌姫”とのタッグ。中でもTiaraさん、AZUさん、AYUSE KOZUEさん、mirayさんなど、これからが期待できる若い女性シンガーをフックアップするのが目立っていて、アルバムの中でも数として一番多いのがこのパターンです。
そもそも僕はコラボレーションをするとき、「俺は何役をやればいいんだ?」ということをいつも考えるんですよ。ピンのときは1人で全役やればいいんですけど、フィーチャリングの相手がいるときは、自分がリーダーのレッド役なのか、面白いことするイエロー役なのか、クールなブルー役なのか、役割を探すんです。で、こういう女性シンガーとのときは相手の歌を立てて、自分はいぶし銀な役だったり、サッカーで言うとボランチのような汗かき役に回ることが多いですね。
──なるほど。続いて2つ目は、HOME MADE 家族、nobodyknows+、BENNIE Kといったインディーズ時代からの“盟友”と共演したもの。前述の“歌姫”との曲と比較すると、SEAMOさんの歌い方や声も違うと思いますし、また別の役割に回るということなんでしょうか。
このタイプでの役回りは、昔と今でずいぶん変わりましたね。若い頃は自分が目立ちたい一心だったし、与えられた何小節かさえ完結すればいいみたいな気持ちでいたんです。でもSEAMOになってからは楽曲をプロデュースして全体を見るようになったんで、自分が目立たない役だとしても楽曲として評価してもらえれば、それが自分の美徳だって思えるようになった。ラッパー同士のせめぎ合いだと、攻めることで相手の個性を殺しちゃうことにもなりかねないんですよ。だからこの曲は自分が出しゃばらなくてもいいなと思ったときは引っ込んで、相手のおいしいところを際立たせるとか、バランスを取りにいくようになりましたね。
──それから3つ目が、和田アキ子さん、長州小力さんなど異ジャンルの方と文字どおり“融合”するパターン。ここはシーモネーター時代から共通する、リスナーに楽しんでもらおう、面白がってもらおうというSEAMOさんのエンタテイナー精神が表れているなと思います。
そうですね。ほかの人たちがやらないようなことをやるとか、何かの枠を壊すっていうのは、シーモネーター時代から自分の売りのひとつだと思ってます。これからもそういうチャンスがあったらどんどんチャレンジしていきたいですね。
ゴリゴリの韓流スターとかK-POPアイドルとコラボしたい
──では、今コラボしたいなと思っている相手はいますか?
そうだなー。あちらに理解があればなんですけど、ゴリゴリの韓流スターとかK-POPアイドルとやってみたい気はしますね。ああいうエッジの効いた人たちとだったら、新しさも取り入れつつ、ちゃんとカッコいいってところまで持っていけるんじゃないかな。
──それは面白そうですね! ぜひ実現させてほしいです。
そうですね、機会があれば! 昔からできるできないは別として、お願いだけでも行くっていうのをモットーにしてるんですよ。やる前から諦めるのは良くない。今回の土屋さんも、それが成功したひとつの例です。
DISC 1
- S.ex. with TSUCHIYA ANNA and SUGA SHIKAO / シーモネーター
- Hungry feat. miray
- a love story / SEAMO with BENNIE K
- Hey Boy, Hey Girl feat. BoA
- Kiss Kiss Kiss feat. AZU & yukako
- 宝島 feat. hiroko(from mihimaru GT)
- 心の声 feat. AZU
- キミヲワスレナイ feat. AYUSE KOZUE
- 素直になりたい feat. AKIKO WADA
- Honey Honey feat. AYUSE KOZUE
- 怒りの鉄槌 feat. 長州小力
- Do It! feat. MICRO & KURO(from HOME MADE 家族)
- クリスマス大作戦 feat. 紗羅マリー
- Girl Is Mine feat. CRYSTAL BOY(nobodyknows+)
- Golden Time feat. カルテット&手裏剣ジェット
- 半熟ラバーズ feat. MICRO(HOME MADE 家族) / シーモネーター & DJ TAKI-SHIT
DISC 2
- Fallin' in or Not feat. SEAMO / 中林芽依
- 卒業、そして未来へ。 / MONKEY MAJIK+SEAMO
- fantastic 3 feat. SEAMO / HOME MADE 家族
- 恋唄 with SEAMO / SOFFet
- 時間よ止まれ feat. SEAMO / AZU
- さぁ行こう! / YA-KYIM respects SEAMO
- Be With Me feat. SEAMO / Spontania
- キミがおしえてくれた事 feat. SEAMO / Tiara
- LOVE A LOVE feat. SEAMO / MEGARYU
- ラヴィン・ユー / 清水翔太、Crystal Kay、Mummy-D、SEAMO、童子-T
SEAMO(しーも)
1995年より地元名古屋・東海地区を中心に、シーモネーターとして活動を開始。2002年に米米CLUBの代表曲「浪漫飛行」を大胆にサンプリングした「浪漫ストリーム」で、待望のメジャーデビューを果たす。その後、2005年から名前をSEAMOに改名。同年3月にシングル「関白」で再デビューする。2006年に「マタアイマショウ」「ルパン・ザ・ファイヤー」が立て続けにヒットを記録し、アルバム「Live Goes On」はオリコンウィークリーチャート1位を獲得。同年末の「第57回 NHK紅白歌合戦」にも出場し、本格的なブレイクを果たす。また、2007年には自身が発起人となる東海地区の夏フェス「TOKAI SUMMIT」をスタートさせ、5回目を迎えた2011年には1万3000人を動員した。7月27日にはチャリティ盤となるミニアルバム「ONE LIFE」をリリースし、8月24日にはこれまでのコラボレーション曲を集めたベストアルバム「コラボ伝説」を発表。唯一無二のヒップホップアーティストとして支持を集めている。