音楽ナタリー Power Push - SCREEN mode
アニソンシーンの進化を願う、ノンタイアップのむき出しSOUL
生演奏には予算とアレンジ能力が必要
──今回のアルバムは全編通して、ちょっと懐かしい匂いを感じたところもありました。
雅友 そうそう。ブラックミュージックを今風にアレンジするのは、ほかのアーティストがやってたりしますからね。
──あと今回は全編、生楽器を使ったサウンドになっているのも特徴ですね。ホーンなんかもぜいたくに使われている。そこもまたブラックミュージックをコンセプトにした作品の説得力につながっているところもありますよね。
雅友 こういう音楽をやろうと思うとお金がかかるんですよ(笑)。でも、機械では絶対に再現できない部分があるので、やっぱり生でやるしかない。そこはもうランティスさんの神対応のおかげですね、またもや(笑)。でね、自分で言うのもなんですけど、全部を生でやろうとするとアレンジ能力がすごく求められるんです。そこはこれまで何百曲も音楽制作をやってきた強みでもあるかなと思いますね。ちなみに「True Sweet Heart」のフルートや「Never say never end」のソプラノサックスは平原まことさん、平原綾香さんのお父様に演奏していただいてます。
勇-YOU- ほんとにぜいたくっすね。そういう部分でも今回の作品はすごく攻めてると思います。
年齢と経験を重ねたからこそ歌えた曲たち
──勇-YOU-さんは自らのルーツと向き合うことになった今回の作品を通して、ボーカリストとしてどう感じましたか?
勇-YOU- どの曲でもいろいろなトライができましたけど、特に「True Sweet Heart」では今までSCREEN modeで出したことのない声で歌えたなとは思います。ソウルやR&Bは好きでずっと聴いていたけど、それを実際に歌うとなっても、若い頃では歌いこなせなかったような気がするんですよ。例えば「Never say never end」のようなメロウな曲は、ある程度年齢と経験を重ねることで、曲に合った声や思いがにじみ出るものじゃないかなって。だから33歳になった今だからこそ歌えた曲たちだと思います。同時に、この先歌い継いでいくことでさらにもっとよく進化していくんだと思いますね。それが楽しみになりました。
──お二人が本作に込めた思いは、きっとアニソンシーンに一石を投じることになると思います。同時に、普段アニソンを聴かない音楽ファンの耳に届くことにも期待したいですね。それくらい音楽的で、面白い作品だと思います。
雅友 そうなったらうれしいですね。SCREEN modeとしてもこの作品を作れたことで今後のアルバムなんかでブラックミュージックっぽいことをやってもちゃんと受け入れてもらえるようにもなると思うんですよ。それが積み重なってほかのアーティストとの差になればいいかなって。デビューから3年ほど活動してきましたけど、「またここからだな」という気持ちが強いんですよ。そういう意味ではこの作品ができたことが大きな一歩になった気はします。いやー、ほんとね、がんばりますよ。
ツアーではスターズと一緒にダンス
──4月に開催される東名阪ツアーはどんな公演になりそうですか?
勇-YOU- このアルバムを引っさげてのライブになるので、タイトル通り“SOUL”を感じてもらえるような熱い内容にしたいですね。「WHY NOT!」のMVにはダンスシーンも盛り込んだので、ライブではそれをスターズ(SCREEN modeファンの総称)のみんなと一緒に踊れたらいいかな。
雅友 ライブでは「Interlude(Why do I love you so much?)」のセリフを毎回アドリブで変えてやってみたりしてもいいかもしれないよね。
勇-YOU- ああ、いいかもしれない。噛んだら超カッコ悪いけど(笑)。いろんな仕掛けも考えたいなと思ってるので楽しみにしててください。
CD収録曲
- SOUL
[作曲:太田雅友] - WHY NOT!
[作詞:松井洋平 / 作・編曲:太田雅友] - Liar
[作詞:結城アイラ、林勇 / 作・編曲:太田雅友] - Interlude(Why do I love you so much?)
[作詞:結城アイラ、林勇 / 作曲:太田雅友 / 編曲:太田雅友、EFFY] - True Sweet Heart
[作詞:松井洋平 / 作・編曲:太田雅友] - Never say never end
[作詞:松井五郎 / 作曲:太田雅友 / 編曲:太田雅友、EFFY] - Last Train
[作詞:村野直球 / 作曲:太田雅友 / 編曲:太田雅友、EFFY]
DVD収録内容
- 「WHY NOT!」Music Video
- 「WHY NOT!」Music Video -演奏 Ver.-
SCREEN mode LIVE 2016 Spring「Live Naked」LIVE映像
- 極限Dreamer
- Naked Dive
- アンビバレンス
- LφVEST
- アメイジング ザ ワールド
- Bloody Rain
- RED AND BLACK
- 君と僕の願いのまま
- START LINE
- LOVE and FAKE
- ワナガナCHANGE!
- Distance ~風の先へ~
- Crystal Kiss
- Brand-new land
- アメイジング ザ ワールド
- Happiness!
- Hello HALO
- STAR PARK
公演情報
SCREEN mode Concept Mini Album「SOUL」発売記念イベント
- 2017年4月2日(日)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
- OPEN 18:30 / START 19:00
内容:ミニライブ&ハイタッチ会
SCREEN mode「SCREEN mode LIVE TOUR 2017 Spring "SOUL"」
- 2017年4月15日(土)愛知県 SPADE BOX
- 2017年4月16日(日)大阪府 OSAKA MUSE
- 2017年4月30日(日)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
SCREEN mode(スクリーンモード)
洋画吹替やアニメ、ゲームの声優として活躍する勇-YOU-(林勇)と、サウンドプロデューサー・雅友(太田雅友)によるバンドとして2013年に結成。SCREEN modeというバンド名は「音の『SCREEN=映像』を、さまざまな『mode』に変化させながらリスナーの心に焼き付けていきたい」という思いから名付けられた。2013年11月にシングル「月光STORY」でメジャーデビュー。以降はアニメソングを中心に、コンスタントに作品を発表している。2017年2月にミニアルバム「SOUL」をリリース。4月には東名阪3都市を回るライブツアー「SCREEN mode LIVE TOUR 2017 Spring "SOUL"」を行う。