音楽ナタリー Power Push - SCREEN mode

王道J-POPでアニソンシーンを駆ける2人の“発見の収集”

SCREEN modeの“テロワール”

──SCREEN modeがデビューしてから約1年8カ月が経ちました。

雅友(G) うん。勇-YOU-と初めて会ってからはもう2年くらい?

勇-YOU-(Vo) それくらい経ってますね。

──その期間での活動を通して、SCREEN modeとしての持ち味や方向性がより明確になっていった実感はあります?

雅友 SCREEN modeは例えばロックをやろうとか、そういったジャンルを意識することがもともとなかったんですよ。勇-YOU-の歌がまず大前提としてある上で、そこに対していいメロディやサウンドを積み重ねていく。アニメなどの主題歌であれば、その作品の世界観をしっかり表現する。そういうことを非常に大事にしてきたので。

──ジャンルレスで柔軟なクリエイティビティを発揮するスタイルは当初から確立していたものではあったと。

雅友(G)

雅友 うん。ただ、活動していく中でできあがっていった部分、2人の中での共通項みたいなものが見えてきたところはあるかもしれないな。例えばワインって品種が違ったとしても同じ地域で育ったブドウには共通の香りがあったりするんですよ。それをテロワールって言うんですけど。SCREEN modeもね、シングル5枚とミニアルバム1枚を出す中で、そういったテロワールみたいな部分が見えてきた気がする。具体的に言葉では説明できない感覚的なものではあるけど、それがSCREEN modeらしさなのかなって。

勇-YOU- アニメやゲームの世界観を大事にする曲を作る上でも、その中に自分たちなりの色というか、スクモの楽曲としても楽しんでもらえるようにというところは常に意識してきたんですよ。それが結果的に自分たちの可能性を掘り下げることになり、SCREEN modeらしさになっていったような気がしますね。

──確かにさまざまなタイプの曲がありますけど、そこには雅友さんのサウンドのカラー、勇-YOU-さんの歌声のカラーがしっかり刻み込まれ、それが融合することで生まれる“スクモ節”みたいなものが確立されている気はしますよね。

勇-YOU- 特に「極限Dreamer」や、「黒子のバスケ」エンディングテーマの「アンビバレンス」では、そういったSCREEN modeらしさが切り開けた感じがしていて。もちろんそのイメージに固執したくはないんですけど、1つ殻が破けてネクストステージに行けた感じはしているんですよね。

──そういった“らしさ”が明確になることで、より自由度の高い表現が可能になるところもあるでしょうし。

雅友 うん、それはありますね。自分たちのカラーが定まっていないとできないことってやっぱりあるんですよ。例えば今回のアルバムにはレゲエ調の曲がありますけど、それをもし1枚目のシングルのカップリングでやったとしたら、レパートリーの中でレゲエが占める意味が大きくなっちゃうと思っていて。

──意図しないイメージがついてしまう可能性はありますよね。でもユニットの軸が定まっていれば、振り幅の1つとして認識してもらえる。

雅友 そうそう。たとえ感覚的であっても「SCREEN modeってこういうものなんだな」っていうのが聴き手側にも、作ってる側にも芽生えたからこそやれることはグンと増えたと思いますね。

雅友と勇-YOU-、関係性の変化

──では、2人の関係性に何か変化はありましたか?

勇-YOU- SCREEN modeを結成してから週の半分くらいは顔を合わせてるし、キャンペーンに行っておいしいものを一緒に食べたりとか同じ時間をともにすることが多いので、雅友さんがどういう人なのかっていうのはよりわかってはきましたね。それによって、一緒にやっていくことへの気持ちはより高まっていると思います。この間のワンマンが終わった後には、今後のことを含め、いろんな話をさせてもらいましたし。

──お互いの思いを交わし合うことは多いですか。

勇-YOU- いや、そういうこともあるっていう程度で。毎回語り合っててもね、暑苦しいじゃないですか(笑)。

雅友 俺たちはミュージシャンなんで、言わなくてもね。作り上げる音楽であったり、ライブでの呼吸であったりでわかりあえればいいと思うので。

──雅友さんは勇-YOU-さんに対して、何か変化を感じることってありますか?

勇-YOU- 当初のイメージとのギャップみたいな? そういうのってあります? 俺、まったく違ってました?(笑)

雅友 いやいや、それはあんまりないですよ。そもそも感覚的に「ボーカルはこの人でいこう」って決めましたからね。自分の中の予感でしかなかったというか。で、実際一緒に活動してみてもまったく問題はないので、自分の感覚が正しかったってことを実感できている感じですね。

勇-YOU- ああ、それは僕も同じですね。雅友さんに対して、イメージのギャップは抱いたことはないです。歌に対して想像以上にダメ出しをされることはありますけど(笑)。

1stフルアルバム「Discovery Collection」 / 2015年7月22日発売 / 3240円 / Lantis / LACA-15488
1stフルアルバム「Discovery Collection」
2015年7月22日 iTunes Store配信開始

※7月15日より予約受付開始(リードトラック「Brand-new land」先行配信)

収録曲
  1. Brand-new land
  2. STAR PARK
  3. LOVE and FAKE
  4. ~prelude~
  5. marionette
  6. Bloody Rain
  7. 月光STORY
  8. ハジマルメロディ
  9. LφVEST
  10. アメイジング ザ ワールド
  11. アンビバレンス
  12. フラクタル
  13. 極限Dreamer
  14. ~postlude~
SCREEN mode(スクリーンモード)

サウンドプロデューサー・雅友(太田雅友)と、洋画吹替やアニメ、ゲームの声優として活躍する勇-YOU-(林勇)によるユニットとして2013年に結成。SCREEN modeというユニット名は「音の『SCREEN=映像』を、さまざまな『mode』に変化させながらリスナーの心に焼き付けていきたい」という思いから名付けられた。2013年11月にシングル「月光STORY」でメジャーデビューして以来、アニメソングを数多く手がけ、コンスタントにシングルを発表。2014年10月には1stミニアルバム「NATURAL HIGH DREAMER」をリリースし、同年11月には東京・渋谷CLUB CRAWLで初のワンマンライブを開催した。2015年4月に通算5枚目となるシングル「アンビバレンス」、7月に1stフルアルバム「Discovery Collection」をリリース。11月には初のワンマンライブツアー「SCREEN mode LIVE TOUR 2015 ~Discovery Collection~」を行う。