ナタリー PowerPush - SCOOBIE DO

祝20回! ガチンコ対バン「Root & United」振り返り企画

1日で一気に10曲レコーディング

──ライブ会場限定で2月1日から発売されるカバーアルバム「GRAND-FROG SESSIONS」の話も聞かせてください。今作は徹底して作り込んだビンテージサウンドで、しかもモノラル音源という(笑)、刺さる人には相当刺さる音ですよね。これはどういうきっかけで生まれたんですか?

「Root & United vol.12」(SCOOBIE DO×曽我部恵一BAND)の様子。

マツキ もともとはMR.PAN(THE NEATBEATS)から、自分がやってるレーベルから7inchを出してくれっていう話をもらってて。でもどうせ「GRAND-FROG STUDIO」(MR.PANが所有するビンテージ機材満載のプライベートスタジオ)でレコーディングできるんだったらアルバムサイズくらい録らせてもらえないかっていう打診をしたら快諾してくれて、結果的にLPで出すことになったんですよ。で、僕らもせっかく10曲録ったんで、それはそれでライブ会場限定のアルバムとして出そうみたいな話になって。企画ありきの話ではあったんですけど、単純にとにかく「GRAND-FROG STUDIO」でアナログレコーディングをしたかったっていうのが一番大きいですね。あと「DOの部屋」(レア曲やカバー曲が中心のライブ)というイベントをやったあとに「あの曲は誰の曲なんですか? 教えてください」って言われることが多くなってきていて。その解説をいちいちブログに上げるのもいいんだけど、そうじゃなくて家に持って帰れるものを作ってあげるのもいいかなと考えてたところにMR.PANの話が重なったので、時期的にもいいし今やっちゃおうっていうことで。だから本当にノリですね(笑)。

──なるほど(笑)。収録曲も基本「DOの部屋」で演奏したカバー曲を中心に?

マツキ そうですね。プラスαで過去の自分たちのレパートリーも入ってます。

──まさにスクービーのルーツが詰まっていると。

マツキ うん、そうですね。自分の中では最新のモッズバンドのアルバムみたいな、そんな感覚なんですけど。

──レコーディングは3日で終わったとのことですが、特に迷うこともなく順調に録れた感じですか?

マツキ そうそう。俺らはもう演奏するしかないし、録ってもこの音にしかならないから(笑)。手を加えようがないんですよ。録ったらもうそれで終わりぐらいのレコーディングなんで(笑)。

MOBY 1曲録ったあとに「ヤバいね」「これ本当に50年代、60年代の音だな」ってみんなで盛り上がって。自分が出してる音とスピーカーからの音があまりに違う。「こういうのやりたかったよな」ってそのまんま一気に1日で10曲録っちゃったんですよね。歌も今回は一発録りだったんで、本当にリハスタで演奏してるような感じだったんですよ。学生の頃に描いてた、カバー曲をCDにしたいっていう願望をそのままやっちまったというか。

──僕はこれを聴いて、スクービーの最初の印象は「デキシード・ザ・エモンズの流れを汲むバンド」だったなということを思い出しました。

MOBY ふふふ(笑)。そうかもしれない。それは正しいですね。

マツキ 確かにその匂いはありますね(笑)。

2014年の展望

──「Root & United SPECIAL」の前にはTheピーズなどと競演する「Different Strokes」も予定されてます。

「Root & United vol.19」(SCOOBIE DO×スチャダラパー)の様子。

MOBY 「Different Strokes」は「Root & United」とは別だけど、今一緒にやりたいバンドと対バンするシリーズですね。Theピーズさんとは同じイベントに出る機会も多いんですけど、一度ぜひじっくりとご一緒させていただきたくて。ギターのアビ(安孫子義一)さんは大学時代のサークルの先輩でもあるんですよ。

──2月中旬までは現在開催中のツアー「新春ワンマンショー2014」があり、その後に「Different Strokes」があり、3月30日には「Root & United SPECIAL」があるということで2014年前半のSCOOBIE DOのスケジュールは見えてきましたが、今年はどんな年になりそうですか?

マツキ アルバム出しますよ、また。夏以降になるとは思いますけど。アルバムとあとDVDも出すし、盛りだくさんです。馬のように走り抜けます。

MOBY あと「Root & United」だけじゃなく、ツーマンのイベントをなるべくいろいろやってきたいと思ってますね。一昨年に平日5DAYS(参照:スクービー5番勝負「天国や地獄」にノーナ、afocら)をやったんですけど、あれをまたどこかでできればと。アルバム発売まではツーマンをいたるとこでやっていきたいです。

Root & United SPECIAL

2014年3月30日(日)神奈川県 CLUB CITTA'
OPEN 17:00 / START 17:45
出演:SCOOBIE DO / RHYMESTER / 怒髪天
DJ:山名昇(BLUE BEAT BOP!)
前売 3900円 / 当日 4500円(※ドリンク代別)
1月25日(土)10:00~一般発売

<問い合わせ>
SOGO TOKYO:03-3405-9999

カバーアルバム「GRAND-FROG SESSIONS」 / ライブ会場限定販売 / 2000円 / CHAMP RECORDS / CMP-008 / 2014年2月1日の宮城・PARK SQUARE公演より販売開始。 / ※アナログ盤はMAJESTIC SOUND RECORDSより4月末発売予定。
カバーアルバム「GRAND-FROG SESSIONS」
収録曲(カッコ内はオリジナルアーティスト)
  1. It Ain't Right(リトル・ウォルター)
  2. Messin' With The Kid(ジュニア・ウェルズ)
  3. Shotgun Slim(Dyke and The Blazers)
  4. Hard To Handle(オーティス・レディング)
  5. Breaking Point(ジョニー・ウィリアムズ)
  6. Come On Sock It To Me(シル・ジョンソン)
  7. Te-Ni-Nee-Ni-Nu(スリム・ハーポ)
  8. Mercy Mercy Mercy(キャノンボール・アダレイ)
  9. Walkin' The Dog(ルーファス・トーマス)
  10. I Heard It Through The Grapevine(Gladys Knight and the Pips)
SCOOBIE DO(すくーびーどぅー)

SCOOBIE DO

1995年にマツキタイジロウ(G)とコヤマシュウ(Vo)を中心に結成。1996年に現ドラマーのオカモト“MOBY”タクヤ(Dr)が加入し、自主制作カセットなどを販売する。1999年にK.O.G.A. RECORDSから初のシングル「夕焼けのメロディー」をリリース。続いて発表された1stアルバム「Doin' OurScoobie」で圧倒的な存在感を放つロックバンドとしてその人気を確かなものとする。2001年にナガイケジョー(B)が加入し、現在の編成で活動開始。2007年には自主レーベル「CHAMP RECORDS」を立ち上げ、ライブのブッキングからCD制作、プロモーションまですべてメンバー自ら行っている。2013年5月15日、CHAMP RECORDS通算6枚目となるオリジナルアルバム「かんぺきな未完成品」をリリース。2014年3月30日に自身が主催する恒例企画「Root & United」の20回記念ライブ「Root & United SPECIAL」を開催する。