ナタリー PowerPush - SCOOBIE DO

祝20回! ガチンコ対バン「Root & United」振り返り企画

SCOOBIE DOがゲストバンドを迎えてツーマンライブを繰り広げる恒例企画「Root & United」が、開催20回目を記念し「Root & United SPECIAL」として3月30日に実施される。今回はホームである東京・UNITを飛び出し、神奈川・川崎CLUB CITTA'にてSCOOBIE DO、RHYMESTER、怒髪天という三つ巴が実現。ナタリーではこのメモリアルなタイミングに合わせ、SCOOBIE DOの4人に「Root & United」に焦点を当てたインタビューを行った。

インタビューではこれまでの戦歴を振り返りつつ、メンバーにイベント誕生の背景やエピソードを語ってもらったほか、ライブ会場限定で販売される初の洋楽カバーアルバム「GRAND-FROG SESSIONS」についても話を聞いた。

取材 / 臼杵成晃 文 / 伊藤実菜子

 
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「Root & United」黎明期

──SCOOBIE DOは普段から対バンイベントを数多くこなしていますけど、「Root & United」はほかの対バンとは違った、特別なビッグマッチ感がありますよね。歴史的には2004年9月の1回目からもうすぐ10年になるわけですが、SCOOBIE DOにとって「Root & United」はどういう位置づけのライブなんでしょう?

「Root & United vol.8」(SCOOBIE DO×FIRE BALL)の様子。

マツキタイジロウ(G) バンドのライブって基本的にはある程度棲み分けされていて。例えばリリースツアーは新譜の曲を中心に組んでバンドの最新型を観てもらい、それ以外のライブだと自分たちの過去の楽曲を見直したり次にどういうものを作っていくかを模索する期間なんですけど、「Root & United」はそのどっちでもないというか。むしろあらゆる実験の場ですね。なんでもいいからやってみようっていう。そもそも10年前はお客さんを前提に考えないライブイベントを作ろうとしてたんです。今の自分たちが一番面白い、やってみたいと思うことを遠慮なくやっちゃおうよっていう目的で始めたものなんですよね。

──「Root & United」の開催地は初回から主に代官山UNITですが、そもそもUNITでやることを前提に考えられたイベントだったんですか?

マツキ はい。UNITは夜中にもイベントをやってますけど、「Root & United」も1回目はオールナイトイベントとして考えられた企画だったんですよ。オールナイトだからお客さんはほとんど来ないだろうと思っていて(笑)。だけどわざわざ夜中に来るようなお客さんは絶対に踊りたい、お酒も飲みたい、楽しみたい人だから、そういう人たちが喜ぶものをやっておけばあとは何をやってもいいんじゃないかぐらいのユルさでしたね。最初は。

──音楽好きが夜な夜な集まるオールナイトイベント特有の空気感は、時間帯が変わっても「Root & United」の根幹として残ってるかもしれないですね。

マツキ そうなんですよね。あと「Root & United」では対バンの人たちとセッションすることを約束事にしていて。そこをどうやってうまく着地させるか、どれだけセンスのいいお客さんを捕まえられるかっていうことをメンバーとスタッフの中でテーマにしていたところもありました。ちょっとこう、おしゃれな感じでやろうみたいな意識はあったかな。

──スタートは2004年ですけど、その頃のSCOOBIE DOや周りの音楽シーンはどういう状況だったか思い出せます?

マツキ 2004年はまだメジャーにいて、「Beautiful Days」という歌モノで構築されたコンセプトアルバム……要はいろんな音を重ねてポップス的に聴かせられるようなアルバムを作ってた時期で。おそらくバンド本来の姿への揺り返しじゃないけど、メジャーの音源としてはこういう提示の仕方だけど実際にライブハウスでやる音楽はこうなんだっていう、本来の自分たちを維持できる場所を設けたかったんですよね。そうしておかないとバンドがうまくいかなくなるんじゃないかと感じていたし、当時のディレクターからもそういう提案があって。

オカモト“MOBY”タクヤ(Dr) あとね、この頃に第1回の「RAW LIFE」(東京・夢の島マリーナで行われた野外イベント)が開催されて、俺らそれに出たんですよ。そしたら、いわゆるロックフェスに比べると「RAW LIFE」はあまりに自由で。2004年はそういうDIY的なフェスが始まった時期でもあったので、たぶんその流れにリンクしたところもあるんじゃないかな。

──初回が「vol.1」ではなく「vol. 0」だったのはなぜ?

MOBY これはなんでだっけなあ(笑)。

コヤマシュウ(Vo) 最初は実験的に始めたんですよね。試しにやってみて、よかったら続けようぐらいのことで0にしたんじゃなかったかな。

対戦相手の決め方

──このイベントのキモはやっぱり対バン選びだと思うんですが、毎回必ず組み合わせの妙がありますよね。対戦相手はどうやって決めていくんですか?

マツキ 基本的にはルーツをちゃんと持っていて、そのルーツが見える音楽をやっていて、なおかつライブがすごいバンド。中でもダンスミュージック、黒人音楽に多くのルーツを持っているような人たちが最初の頃の選ぶ基準でしたね。

MOBY ライムス(RHYMESTER)は俺らから直接「なんとかお願いします」って頼んだのが始まりで、そこから一緒にレコーディングするようにもなって。まずはそのとき気になる人を誘ってますね。ZAZEN BOYSもそう。無理じゃねえかなと思いつつオファーしたら向井(秀徳)さんから2つ返事でOKが出た(笑)。

──さらにそれがきっかけで、独立し立ち上げたレーベル「CHAMP RECORDS」からの第1弾作品となったミニアルバム「トラウマティック・ガール」では向井さんがエンジニアとして参加することになったと。

「Root & United vol.10」(SCOOBIE DO×マボロシ)の様子。

MOBY そうそうそう、つながってるんですよ。あとはライムスの武道館ライブにゲスト出演させてもらったときに、一緒に出てたFIRE BALLが我々を観て「すごいカッコよかったです」って挨拶しに来てくれて。「今度一緒にできればいいですね」って話になったので、誘ってみたらすぐ返事来たんですよね。FIRE BALLがたぶんこの中で一番異色だと思う。

──新鮮な組み合わせ、というのは対バン選びの1つの基準だったりするんでしょうか。

MOBY そうですね。でも何よりまず「絶対楽しくなるだろう」ってことが誰にでもわかるような組み合わせをメンバーみんなで考えてます。

──ゲストバンドとのセッションも目玉ですもんね。

コヤマ でもね、セッションは最初うまくできんのかなっつう気持ちがあったんですよね。あんまりやったことなかったから。でもだんだん「あ、なんかやりゃあできんだな」みたいな感じになってきて、そっからはもう“やりゃあできんだろ”の精神で。それにただの対バンだったら、例えばFIRE BALLだけを観に来た客とスクービーだけを観に来た客に分かれて交わらないまま終わっちゃうこともありがちなんだけど、最終的に一緒にセッションすることで「なんかこの対バンよかったね」って来た人が思えるというかね。だからセッションする曲はけっこう細かく考えてます。FIRE BALLのお客さんだったらこういう曲かな、オーサカ=モノレールだったらこれかなとか。毎回ネタは細かく考えるんだけど、本番「せーの」でやっちゃうとやっぱドカンと盛り上がるんですよね。いつも最終的には「音楽は素晴らしい」な感じで終わるんですよ。

Root & United SPECIAL

2014年3月30日(日)神奈川県 CLUB CITTA'
OPEN 17:00 / START 17:45
出演:SCOOBIE DO / RHYMESTER / 怒髪天
DJ:山名昇(BLUE BEAT BOP!)
前売 3900円 / 当日 4500円(※ドリンク代別)
1月25日(土)10:00~一般発売

<問い合わせ>
SOGO TOKYO:03-3405-9999

カバーアルバム「GRAND-FROG SESSIONS」 / ライブ会場限定販売 / 2000円 / CHAMP RECORDS / CMP-008 / 2014年2月1日の宮城・PARK SQUARE公演より販売開始。 / ※アナログ盤はMAJESTIC SOUND RECORDSより4月末発売予定。
カバーアルバム「GRAND-FROG SESSIONS」
収録曲(カッコ内はオリジナルアーティスト)
  1. It Ain't Right(リトル・ウォルター)
  2. Messin' With The Kid(ジュニア・ウェルズ)
  3. Shotgun Slim(Dyke and The Blazers)
  4. Hard To Handle(オーティス・レディング)
  5. Breaking Point(ジョニー・ウィリアムズ)
  6. Come On Sock It To Me(シル・ジョンソン)
  7. Te-Ni-Nee-Ni-Nu(スリム・ハーポ)
  8. Mercy Mercy Mercy(キャノンボール・アダレイ)
  9. Walkin' The Dog(ルーファス・トーマス)
  10. I Heard It Through The Grapevine(Gladys Knight and the Pips)
SCOOBIE DO(すくーびーどぅー)

SCOOBIE DO

1995年にマツキタイジロウ(G)とコヤマシュウ(Vo)を中心に結成。1996年に現ドラマーのオカモト“MOBY”タクヤ(Dr)が加入し、自主制作カセットなどを販売する。1999年にK.O.G.A. RECORDSから初のシングル「夕焼けのメロディー」をリリース。続いて発表された1stアルバム「Doin' OurScoobie」で圧倒的な存在感を放つロックバンドとしてその人気を確かなものとする。2001年にナガイケジョー(B)が加入し、現在の編成で活動開始。2007年には自主レーベル「CHAMP RECORDS」を立ち上げ、ライブのブッキングからCD制作、プロモーションまですべてメンバー自ら行っている。2013年5月15日、CHAMP RECORDS通算6枚目となるオリジナルアルバム「かんぺきな未完成品」をリリース。2014年3月30日に自身が主催する恒例企画「Root & United」の20回記念ライブ「Root & United SPECIAL」を開催する。