音楽ナタリー Power Push - SCANDAL

4人4色のYELLOW メンバーソロインタビュー

HARUNA(Vo,G) / メンバーがいてくれたからここまでがんばってこれた

SCANDALの10年を振り返って

バンドをやるっていうのは自分の人生設計の中でまったく考えていなかったことだったので、結成当時のことはよく覚えています。「自分はダンスと歌で生きていこう」って強く心に決めていた人間だったので、楽器を勧められたことが衝撃的だった。ただ、それが高校3年生のときで、自分の夢が本当に叶えられるかどうか瀬戸際の時期だったんです。自分が思い描いていた道ではないけど、バンドをやることによって将来が拓けていくかもしれないなと思ったのが私のスタート地点だったんです。そこから今までの道のりはもう、メンバーのおかげというか。みんな楽器経験ゼロからのスタートで、いろんなことを一緒に習得してきた。そのうち成長にバラつきが出てくるから「あの子に早く追いつきたい」って思ったり。本当に、メンバーがいてくれたからここまでがんばってこれたっていう思いがありますね。

バンドが大きく前進した転機

ここ数年でみんなが作詞作曲を始めたんですが、自作曲でアルバムを構成できるようになったのが前作の「HELLO WORLD」なんですね。自分たちの思いをちゃんと曲にして1枚のアルバムにまとめられたこと、その作品を持って海外ツアーができたっていうことは4人が前に進むための自信にすごくつながりました。

自分の成長につながった転機

3rdアルバムの「BABY ACTION」を出した頃、自分の歌にすごく迷いがあったんです。それまでは、バンド結成時に通っていたボーカル&ダンススクールで身に付けた歌唱方法で歌っていたんですが「バンドの音に対して今の歌い方が合ってないんじゃないか」って思い始めた。そんな悩みを打破してくれたのが初めての武道館ワンマンが決まったこと。「モヤモヤ悩んでいる自分じゃ武道館のステージに立てない」って思ったのがきっかけで、ボイトレの先生を変えてみたりとか、自分自身の意識がぐんぐん高まっていきました。そこからはずっと試行錯誤がありつつですけど、いろんなことを経験するたびに、歌うことがどんどん楽しくなっています。

メンバーの変化

TOMOMIは初対面のとき、すごくおとなしくて非の打ちどころがないような印象だったんですけど、一緒に過ごすにつれてほんわかしていったというか(笑)。意外と抜けてるし、女の子らしい一面がどんどん見えてきた。自分たちに心を開いてくれてるんだなっていうのがよくわかるようになりました。RINAは出会った当時はテニスをやっていてたからスポーツ少女らしい活発な感じだったんですけど、大人になるにつれてすごく柔らかな雰囲気に変化していきましたね。映画とかも好きでよく観てるみたいだし、アウトドア派からインドア派の印象に変わりました。MAMIはスクールにいたときから一匹狼タイプで、人と群れない子でした。バンドを組んでからも単独行動が多かったんですけど、最近は出かけたりごはんを食べに行ったり、いろいろと一緒にやってくれるようになったのがうれしいです(笑)。

4人の中での私の役割

私は一番年上だから「ちゃんとグループをまとめないと」って思っていた時期があった。でも、そういう思いに支配されると自由がなくなっていくんですよね。なので、最近は気を張らないようにしています。みんな20代半ばに差しかかってきて、もう年齢の差もそんなに気にならないし(笑)。ボーカルでありセンターである自分のポジションは全うしたいからその立ち位置はしっかり意識しつつ、伸び伸びとやらせてもらっている感覚です。

HARUNA(Vo,G)

「YELLOW」制作にあたって意識したこと

「明るいアルバム」を作りたいという思いがありました。この何年かでみんなが作詞作曲をするようになって、特にここ最近、1年ぐらい前から4人ともすごくポジティブに制作に向かえているムードがあった。さらに去年はワールドツアーをやったことで、みんなのマインドがすごくリラックスしていたんです。私たちはライブが大好きなので、ツアーでいろんな国や場所を回ることによって自分たちがどんどん開放的になっていくんですよ(笑)。そんな明るいバンドの雰囲気を1枚のアルバムにしたかったし、結果的にうまく作品の中に詰め込むことができたんじゃないかなって思います。

お気に入りの曲

「LOVE ME DO」です。MAMIが作った曲なんですけど、1980年代のアメリカンポップスのような雰囲気があって。私は1970年~80年代の洋楽が好きなので、デモを聴いたとき「あっSCANDALに新しい風が吹いたな」って感じて、「これ、やってみたい」ってみんなに話したんです。あとこの曲はサビのファルセットが肝なんです。ファルセットを使って歌う楽曲って今まであまりなかったので、自分自身のステップアップにもつながると思った。すごく挑戦しがいのある1曲でした。

「YELLOW」の聴きどころ

「ヘブンな気分」っていう1曲があるんですが、この曲はRINAが作曲したグランジロックで、私たちのダークサイドというかクールな一面をお見せしている曲なんです。アルバムでは、ポップで明るいサウンドの曲が続いたあとに「ヘブンな気分」が置かれているので……一筋縄ではいかない、私たちなりの毒がそこで感じられるかなと思います。

SCANDALにとっての「YELLOW」

結成10周年に、自分たちがすべての曲を作詞作曲したアルバムをこうして出せることがうれしいです。これからの名刺代わりになる1枚になったと思います。年齢を重ねていくうちに「この先ずっと歌っていける曲をつくりたい」っていう思いが強くなってきたんですけど、このアルバムにはずっと歌えると思える曲がたくさん入っている。10年目の今年だけではなく、もっと自分たちが大人になっても、きっと歌える曲がたくさんあると思っています。

SCANDALのこれから

まだ日本でもライブをやったことのない大きな会場ってたくさんありますし、ワールドツアーをやったと言ってもまだまだ世界にはいろんな国があるので、とにかくもっともっとたくさんの場所でライブがやりたいです。そして、どんな場所でも変わらない自分たちでいたい。ちゃんとSCANDALっていうバンドの軸を保ったまま、ライブハウスでもアリーナでも、海外のどこへ行っても変わらない自分たちでライブをやりたいって思います。

HARUNA(Vo,G)
ニューアルバム「YELLOW」/ 2016年3月2日発売 / EPICレコードジャパン
完全生産限定盤 [CD+Tシャツ] / 5200円 / ESCL-4590~1
初回限定盤 [CD+DVD] / 3700円 / ESCL-4592~3
通常盤 [CD] / 3200円 / ESCL-4594
CD収録曲
  1. Room No.7
  2. Stamp!
  3. LOVE ME DO
  4. Morning sun
  5. Sunday Drive
  6. 今夜はピザパーティー
  7. ヘブンな気分
  8. SUKI-SUKI
  9. LOVE
  10. Sisters
  11. Happy Birthday
  12. ちいさなほのお
<ボーナストラック>
  • Your song –English ver.-
初回限定盤DVD収録内容
  1. YELLOW OPENING MOVIE “Room No.7”
  2. YELLOW OPENING MOVIE “Room No.7”
    ~Making Clip~
SCANDAL TOUR 2016「YELLOW」
2016年4月13日(水)宮城県 仙台PIT
2016年4月14日(木)宮城県 仙台PIT
2016年4月16日(土)新潟県 新潟LOTS
2016年4月17日(日)新潟県 新潟LOTS
2016年4月21日(木)福岡県 Zepp Fukuoka
2016年4月23日(土)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
2016年4月24日(日)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
2016年4月30日(土)香川県 高松festhalle
2016年5月1日(日)大阪府 なんばHatch
2016年5月3日(火・祝)愛知県 Zepp Nagoya
2016年5月4日(水・祝)愛知県 Zepp Nagoya
2016年5月8日(日)北海道 Zepp Sapporo
2016年5月11日(水)東京都 Zepp Tokyo
2016年5月13日(金)東京都 Zepp Tokyo
2016年5月14日(土)東京都 Zepp Tokyo
2016年5月19日(木)大阪府 なんばHatch
2016年5月20日(金)大阪府 なんばHatch
2016年6月4日(土)シンガポール The Coliseum
2016年6月9日(木)香港 Star Hall
2016年6月11日(土)台湾 台北 ATT SHOW BOX
2016年6月18日(土)タイ BCC Hall Central Ladprao
SCANDAL 10th ANNIVERSARY FESTIVAL 「2006-2016」
2016年8月21日(日)大阪府 泉大津フェニックス
OPEN 13:00 / START 16:30
SCANDAL(スキャンダル)
SCANDAL

2006年8月に大阪のボーカル&ダンススクールで出会ったHARUNA(Vo, G)、MAMI(G, Vo)、TOMOMI(B, Vo)、RINA(Dr, Vo)の4人で結成したガールズバンド。結成直後から大阪城公園でストリートライブを始め、キュートなルックスと力強いバンドサウンドを武器に瞬く間に人気を獲得する。2008年10月、シングル「DOLL」でメジャーデビューを果たし、2009年末に「第51回輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞した。2012年3月に初のベストアルバム「SCANDAL SHOW」を発売。2013年3月にメンバーの念願だった大阪・大阪城ホールにてワンマンライブを開催し、2014年6月に神奈川・横浜アリーナにてガールズバンドとして23年ぶりとなる2DAYSのワンマンライブを成功に収めた。同年12月にニューアルバム「HELLO WORLD」をリリース。2015年1月からはバンド史上最多公演数となる全31公演の国内ホールツアーと、フランス、イギリス、アメリカ、香港、台湾、メキシコ、ドイツ、シンガポールといった国での初単独公演を含むワールドツアーを開催する。同年9月にはメジャー通算22枚目となるニューシングル「Sisters」をリリース。12月から2016年1月にかけて、東京・日本武道館2DAYSを含む東名阪ツアー「SCANDAL ARENA TOUR 2015-2016『PERFECT WORLD』」を実施した。3月2日に7枚目のオリジナルアルバム「YELLOW」を発表。結成10周年記念日となる8月21日には地元大阪で野外ワンマンライブを開催する。