サンダルテレフォン現体制最後の作品はリミックスアルバム、インタビューで明かされた4人の胸中 (3/3)

メンバー全員 インタビュー

リミックス音源をグループの強みにしていきたい

──ライブで楽曲を披露するとき、オリジナル音源とリミックス曲ではフロアの盛り上がり方も違ってきますか?

夏芽ナツ けっこう差はありますね。原曲とリミックスでは振り付けも違うんですけど、原曲は総じてバリバリ踊る感じで、お客さんも踊って盛り上がってくれます。一方、リミックスはそれぞれ音を聴きながら楽しんでいて。1人ひとり個人の楽しみ方ができるのがいいところだと思います。

西脇朱音 別にリミックスが全然盛り上がらなかったりするわけではなく、盛り上がり方の種類が違うんです。時と場所によって原曲とリミックスを使い分けていて、その場その場での盛り上がりがあっていいんじゃないかなと思っています。

西脇朱音

西脇朱音

藤井エリカ 原曲の場合は初見の人もなんとなく振りを真似してくれるんですけど、リミックスだとみんな伸び伸びと音楽を楽しんでいて、横に揺れている人が多いイメージですね。「リミックスをライブハウスで聴いたら体が揺れちゃった」というツイートを見かけたこともあります。

夏芽 中にはリミックスのほうが好きという人もいるよね。リミックス音源はCDで聴くものというイメージを持っている人も多いだろうから、ライブ会場で楽しめるのが新鮮なのかも。

小町まい リミックス音源もライブでちゃんと披露していることを、これからもグループの強みにしていきたいです。

小町まい

小町まい

夏芽 ライブで披露することを前提にリミックス音源を作っているほかのアーティストさんはあまりいないのかなと思います。

──以前のインタビューで、オリジナルとリミックスどちらもレパートリーに入っていると頭が混乱して、ライブで振りを間違えずに踊るのが大変だと話していましたが、それは今も相変わらず?

西脇 今のほうが混乱するかも(笑)。リミックス曲が増えたことで、頭の中でごちゃまぜになってます。

藤井 早くなんとか慣れなきゃ(笑)

夏芽 ライブで間違えてることに気付かず踊っていることもあるからね(笑)。あとで動画を観て「あっ、間違えてた!」って気付くっていう。部分的にオリジナルと同じ振りもあるから、そこで混乱しちゃうんです。振りが完全に違ってたら間違えないんですけど。

小町 1回間違えると、気付かずにそのまま踊っちゃうんです。振付師の方も「なんなんだリミックスって」と感じてると思います(笑)。

西脇 テンポも変わらないし、尺も同じだからね。昼のイベントで原曲を披露して、夜にリミックスを披露したりすると混乱しがちです。

藤井 たまに、お客さんのほうが正しいときがあるから、私はフロアを観て確認しながら踊ってます(笑)。

夏芽 逆にお客さんにつられて間違えることもある(笑)。

急いで思い出を作ってる

──「REMIXES」には1stミニアルバム「Step by Step」の全楽曲をダンスミュージックサウンドにリアレンジした8トラックが収められています。

西脇 私は「Step by Step」のリミックスが好きです。「Step by Step」の原曲はキャッチーで元気な雰囲気なんですけど、リミックスはもっと落ち着いた感じで、かわいらしくなっているんです。あと、「Magic All Night」のリミックス音源を最初に聴いたときも、こっちのほうが好きかもと思いました。直感的に。

夏芽 「Magic All Night」や「真夏の匂い」のリミックスは原曲とかなり雰囲気が違うので、もはや別の曲として楽しめると思います。

夏芽ナツ

夏芽ナツ

藤井 「真夏の匂い」のリミックスを最初に聴いたとき、「わっ、南国だ!」と思いました(笑)。冬はほとんど披露しないんですけど、この音源が好きなファンの方が多くて、「冬もやって」とリクエストされます(笑)。

夏芽 私は「ワンダーランド」も出だしの音の入り方がおしゃれで好きです。ワンマンライブの1曲目に披露したらカッコいいんじゃないかなと勝手に思っています。

小町 工場で作られていく様を表現した振り付けになってるんだよね。「ワンダーランド」のリミックスも踊っていて楽しいので好きです。一方、「Shape the Future」のリミックスはほとんど振り付けがなくて、スタンドマイクを使って歌だけで伝える感じになっていて。曲の途中の音が少なくなるところが特に難しいです。

──そして「REMIXES」の発売から1カ月後には西脇さんの卒業公演が開催されるわけですが、今どんな心境ですか?

夏芽 まだまだ全然実感ないです。

小町 ホントいつも通り。

西脇 私も同じです。

藤井 でも、卒業が発表されてから時間が経つのが早く感じます。

藤井エリカ

藤井エリカ

──卒業が決まっているメンバーと過ごす時間って、なんだか特別なものがあるんじゃないですか? ファンの方も日に日にエモくなっていくでしょうし。

夏芽 そうですね。12月になったら実感が湧いてくるのかなと考えると寂しいです。サンダルテレフォンはメンバー間にいい距離感があるグループだったんですけど、今急いで思い出を作っています(笑)。朱音は夢に向かって卒業していくので、12月29日は楽しくていい気持ちになる公演にしたいと思っています。

西脇 ありがとう。

ライブ情報

サンダルテレフォン 2021 LAST LIVE -西脇朱音卒業公演

2021年12月29日(水)東京都 渋谷WOMB studio W

プロフィール

サンダルテレフォン

2019年4月に結成された小町まい、夏芽ナツ、藤井エリカ、西脇朱音による4人組ガールズグループ。略称は“ダルフォン”。「音楽で世界を笑わせたい、泣かせたい、踊らせたい」をコンセプトに掲げ、シティポップ、ファンク、ハウスなどの多彩なジャンルの楽曲でシーンの中での存在感を強めている。2019年9月に1stシングル「真夏の匂い」でCDデビューを果たし、2020年8月に初のミニアルバム「Step by Step」を発表した。その後9月に東京・morph-tokyoにて初のワンマンライブ、2021年4月に東京・WWWで結成2周年ライブを実施。7月には東名阪ツアー「TINY TURN」を行った。11月に初のリミックスアルバム「REMIXES」をリリースし、12月29日に東京・渋谷WOMBで西脇の卒業公演を行う。