さだまさし「Reborn ~生まれたてのさだまさし~」 PR

さだまさし|音楽活動45周年、ナオト&レキシと作り上げた宣戦布告のアルバム

レコードデビュー45周年を迎えたさだまさしが、グレープ時代から数え、通算45作目となるオリジナルアルバム「Reborn ~生まれたてのさだまさし~」を7月4日にリリースした。ナオト・インティライミとのコラボレーションによる「パスワード シンドローム」、池田貴史(レキシ)がプロデュースを担当した「黄金律」を含む本作には、新たな音楽性にトライし続けるさだまさしの姿勢が強く表れている。

音楽ナタリーではさだまさしに単独インタビューを実施。「Reborn ~生まれたてのさだまさし~」の制作を軸にしながら、ライブについての考え方、ファンとの距離感、自身の作風などについてたっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 森朋之

「もっといいモノを作らなくては」という強迫観念が襲ってくる

──ニューアルバム「Reborn ~生まれたてのさだまさし~」がリリースされました。レコードデビュー45年目にして、45作目のオリジナルアルバムですね。

勤勉ですよね(笑)。

──21世紀に入ってからも、ほぼ1年に1枚のペースでリリースが続いていて。創作意欲が尽きないのはどうしてだと思いますか?

さだまさし

それは考えたことなかったけど(笑)、生活になっているんですよね、歌作りが。黙っていても歌はできますから。それをアルバムにするときは、いろんな考え方がありますけどね。書き貯めた曲を並べて松花堂弁当みたいにして出すやり方もあるし、あらかじめ入り口と出口を決めて、コンセプトアルバムにする手立てもあって。コンサート的には、もう新曲はいらないんですよ。グレープ時代を含めて570曲あるから「この歌が聴きたい、あれが聴きたい」という声にすべて応えることはできないし、「だったら、半分くらい新曲でもいいか」みたいな気持ちもあって。でも、そうだな。毎年アルバムを出してる理由は、自分が飽きるからでしょうね。「新しいアルバムができたんだよ。聴いて聴いて」と言えるのはリリースから1カ月くらいまで。その後は「なんてものを作ってしまったんだ。もっといいモノを作らなくては」という強迫観念が襲ってくるので。そうやって作り続けているんだと思いますよ。

──スランプもないですか?

それはありますよ。やる気はあったけど「ロクな曲がないな」というアルバムもあるし、「この曲があって助かった」と思うアルバムもあるし、「どうしてこれだけの曲をそろえられたんだろう?」というアルバムもあって。どうしても好不調は出てきちゃうよね。プロ野球のピッチャーに例えれば「調子が悪いなりに抑える」という感じですよ(笑)。

──(笑)。本調子じゃなくてもゲームを作れるのがプロのピッチャーですからね。

そうそう。しかも速いストレートで抑えるタイプじゃないからね、もともと。変化球を使ってどうにかやってきたので。

小学生の間で流行する“さだまさし”

──今回のアルバム「Reborn ~生まれたてのさだまさし~」は、制作当初からコンセプトがはっきりしていたんですか?

そうですね。「Reborn ~生まれたてのさだまさし~」というタイトルを決めたときに、「“生まれ変わり”というテーマでは書けないけど、“生き直す”だったら歌い残していることがいっぱいあるな」と思って。ほら、誰でも反省してるでしょ?「この人には反省するところが何もなさそうだな」という人もいるけど、本人はたぶん反省していると思うしね。そんなことを考えながら作っていたから、今回は反省文みたいなアルバムになってます(笑)。

──タイトルを思いついたきっかけはなんだったんですか?

小学生の間でファミマの入店音に歌詞をつける遊びが流行ってるという話があって。「その中で一番人気なのが“生まれたてのさだまさし♪”らしいです」というハガキが来たんだよね、生さだ(NHK総合「今夜も生でさだまさし」)に。「バカじゃないの? なんで“さだまさし”なんだよ」って言ってたら、四十代のスタッフが(童謡「黄金虫」のメロディで)「僕らが子供の頃は“さだまさしは金持ちだ♪”って歌ってました」って(笑)。

──(笑)。

さだまさし

語呂がいいんだろうね、“さだまさし”って(笑)。そんな話をしてるうちに「“生まれたてのさだまさし”ってすごいフレーズだな」と思い始めて。そこから「“生まれたて”ということは“Reborn”だな」ということになったんだけど、タイトルを“Reborn”にしちゃえば、ムチャクチャやっていいと思ったんだよね。で、ナオト・インティライミを「ちょっと遊ぼうぜ」と誘って、レキシの池ちゃん(池田貴史)に「ちょっと手伝ってよ」と声をかけて。彼らが新しい方向にグッと引っ張ってくれたから、俺は俺で「思い切り“さだまさし”くさいヤツをやろう」という気になれたというか。そういう意味ではバランスが取れたアルバムになったと思いますね。

──だから1曲目の「大盛況 ~生まれたてのさだまさし~」はファミマの入店音で始まってるんですね。

それはね、ナオトがすごくこだわってたの。「オフィシャルな自分からプライベートな自分に戻って、最初に行くのがコンビニなんですよ」って。この曲はいきなりライブ音源に飛ぶんだけど、ライブというのは非日常じゃない? しかも「生まれたてのさだまさし」と歌ってるのは俺じゃなくて客っていう(笑)。俺は「バカじゃないの?」って笑ってるだけなんだけど、ナオトは「日常と非日常が混ざり合う錯乱状態がいいんですよと言ってて。そのまま次の「パスワード シンドローム」に続けばオープニングはイケるねって、2人で相談して決めました。

さだまさし「Reborn ~生まれたてのさだまさし~」
2018年7月4日発売 / Victor Entertainment
さだまさし「Reborn ~生まれたてのさだまさし~」

[CD]
3400円 / VICL-65021

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収録曲
  1. 大盛況 ~生まれたてのさだまさし~
  2. パスワード シンドローム
  3. Reborn ~嘘つき~
  4. まぼろし
  5. きみのとなりに
  6. 黄金律
  7. 茅蜩
  8. 桜ひとり
  9. へたっぴ
  10. おんまつり
  11. 都会暮らしの小さな恋に与える狂詩曲
さだまさし
さだまさし
長崎出身のシンガーソングライター、小説家。3歳8カ月でバイオリンを始め、バイオリン修業のため小学校卒業と同時に上京する。1972年に高校時代の音楽仲間である吉田政美とグレープを結成。2ndシングル「精霊流し」が大ヒットし、「第16回日本レコード大賞作詞賞」を受賞した。グレープ解散後、1976年にソロデビューすると「雨やどり」「秋桜」「関白宣言」「北の国から」などの国民的ヒット作品を発表し、数々の音楽賞を受賞。精力的なコンサート活動も特徴で、ソロデビュー後のコンサートの回数は2018年4月現在で4300回を超える。音楽活動45周年を迎える2018年にはビクターエンタテインメントに移籍し、ニューアルバム「Reborn ~生まれたてのさだまさし~」を発売した。また小説家としては「精霊流し」「解夏」「かすてぃら」「はかぼんさん」「ラストレター」「風に立つライオン」など10作品を発表しており、うち8作品が映像化されている。NHK総合「今夜も生でさだまさし」のパーソナリティとしても人気を博している。