龍宮城インタビュー|第2章ついに開幕、ステージを通して実感した自信と課題 (2/2)

来たるアリーナ公演とどう向き合っていくのか?

──「どんな曲でも龍宮城がパフォーマンスすれば龍宮城になる」という意見が何度か出てきましたけど、それは7人全員の総意ですか?

一同 (無言でうなずく)

Ray ツアーを回っているうちに確信に変わってきたところですね。初日は僕ら、ありえないほど闘志に燃えていて(笑)、今までで一番、なんなら武道館のときよりも(参照:龍宮城、原点から新境地まで昇り詰めた初の日本武道館ライブ「1人でも多くの人に寄り添う」)……と言うと大げさかもしれないけど、そのくらいの熱量で臨んだので。今は安心しているというか、僕らが龍宮城であり続ける限り、龍宮城は続いていけるなと。(隣の齋木に)どう?

齋木 ……あ、ごめん。ちょっと「夜泣き」に戻ってた(笑)。

左からKEIGO、S、齋木春空、KENT。

左からKEIGO、S、齋木春空、KENT。

──何か「夜泣き」について補足することがあれば。

齋木 いや、いい歌詞だなあって。

Ray アッハッハハッハ!

齋木 心の中でずっと歌ってました(笑)。

──話を戻しましょう(笑)。

ITARU この7人だから価値があるんだ、というのをしっかり示していくしかないと思っています。だから、仙台公演が終わったときはすごく安心できたんです。この感覚で間違っていなかったんだなって。

左からRay、冨田侑暉、ITARU。

左からRay、冨田侑暉、ITARU。

──すごく順調な滑り出しですよね。本当にいい感じなんですか? ちょっと足元ぐらつかせておきたいんですけど(笑)。

KENT ハハハハ。

Ray KEIGO、今の課題は?

KEIGO 今の課題? 龍宮城らしさってなんだろう?というのはもう永遠の課題で。何年後かには今思っている龍宮城らしさとはまったく変わっているかもしれないし、今ある龍宮城らしさをもっと探究し続けているかもしれない。目の前のことに向き合いながら、その先を模索し続けること……抽象的な言い方になってしまうけど、それが僕らの課題です。パフォーマンス力や表現力というのは当然上げていくべきもので。そのうえで、僕らが求めて届けたいもの、応援してくださる方が僕らの音楽に求めているものがイコールになるのが理想ですけど、僕らは今行っているツアーとその先にあるアリーナ公演で、しっかりと魂を宿したパフォーマンスをお見せしていくだけですね。

左から齋木春空、KEIGO、S、KENT。

左から齋木春空、KEIGO、S、KENT。

──今のお話にも出ましたが、2026年2月28日と3月1日にはTOYOTA ARENA TOKYOでの過去最大規模のアリーナ公演が控えています。ステージに立つ自分は想像できていますか?

S ツアーではいろんな新しい演出にも挑戦して、すごく変化できている。TOYOTA ARENAに向けて、龍宮城という1つのエンタテインメントを作っていこうと考えたときに、まずはツアーの前半戦でとにかくがむしゃらにライブと向き合えたのはすごくよかったと思っています。でもツアーの後半からは、次を見据えたライブの作り方、在り方を考える方向に視点を移さなくちゃいけない。気を張って没入するだけじゃない、ちゃんと楽しませる要素に意識を向けないと。ツアーの最終公演までには、アリーナ公演に対して「こうしたい」という1つ大きなテーマを絶対に見つけ出さないとなと思っています。

──大きな会場でライブをするうえで、外からの刺激を受けることはありますか?

冨田 はい。僕はNissy(西島隆弘 / AAA)さんのソロドームツアーですね。ソロでドームツアーをやる方のステージってどんな感じなんだろうと思って観に行ったんですけど、広い会場の1人ひとりに歌い届けているような、誰ひとり置いていかずにラストまで駆け抜けていくような……モニターの使い方やステージング、衣装を着替えるタイミング、SEの使い方などすべてにおいて観ていて気持ちよかったんですよ。龍宮城の武器は「世界観に没入できること」と思っていたけど、お客さん側が自然と気持ちよく楽しめるようなNissyさんのライブで味わった感覚は、龍宮城にも取り入れていくべきものだと思いました。

メンバーの伸び盛りポイントは?

──前回の動画インタビューでは、個別に話を聞いた際に、自分以外のメンバーで「最近すごいな」と感じる人がいたら教えてほしいという質問をしました。今回は面と向かって、この人のここがよくなったとか、最近伸び盛りだなと感じたポイントがあれば教えてほしいのですが。

Ray 伸び盛り……最近の侑暉くんはすごいっす。パフォーマンスのエネルギーが、今までの10倍ぐらいになってる。いや、けっこうマジで最近そう思ってて。ドラマの主演をやりながらフェスに出たり撮影をしたり、たぶんメンバーの誰よりも忙しいだろうに、きっとそれがプラスに働いていて、ステージ上でもすごく生き生きしてる。僕はパフォーマンス中に目を合わせる場面が多いので、そのときに覇気というか、エネルギーが増しているのがすごく伝わってくるんですよ。1人での仕事を経て、さらに強い人になったんじゃないかな。

──と言われていますが、自覚はありますか?

冨田 自覚……ちょっとありますね。ドラマ撮影との両立をする中でどう動けばいいのか、少しつかめてきたような。龍宮城はグループ自体に独特の雰囲気があるし、それを個人としてどう表現できるかと考えすぎてしまうところがあったんですけど、ドラマ撮影をしていて、視野も広がり、龍宮城に対しても、自然体で考えられるようになった。難しく考えずに楽しめているなあ、と最近まさに実感していたところでした。

左からRay、冨田侑暉、ITARU。

左からRay、冨田侑暉、ITARU。

──それは興味深い変化ですね。ほかの人はどうでしょうか?

冨田 僕はKENTですね。最近は本当、筋トレとかもそうですけど……。

KENT 最近どこに行っても筋トレの話しか出てこないよ(笑)。

冨田 筋トレの成果だと思うんですけど、ダンスがよりパワフルになっていて。「2 MUCH」のサビなんて、1人ブチかましてるやつがいるなあっていう。

Ray 浮いてるやん(笑)。

冨田 全員を引っ張ってくれる存在になってるなあって。

──それはやはり体作りによる変化が大きいんですか?

KENT いやあ……正直に言うと、ダンスについては自分としては伸び悩みの時期だと思っていて。だからこそ筋トレとかをやってるんですけど、そう思われているんであれば、自分では気付けない変化があるんだろうなと思うし、素直にうれしいですね。新曲では新しいコレオグラファーに入ってもらっていて、今までとは体の使い方がけっこう違うんですよ。そこをうまくできるようになりたい。模索中だから、考える時間はけっこう多くなったかもしれない。

──なるほど。筋肉方面の人は、入り込むと完全に筋トレ中心の生活になりがちだなと筋トレ芸人などを見て思っているのですが……。

KENT そうならないように気を付けてます(笑)。筋肉を付けすぎると動きづらくなるんですよ。今、たまにそれを感じることがあって。

ITARU アハハハハ!

KENT ホントに多少あって(笑)。だから筋トレだけじゃなくストレッチにも力を入れています。バランスを取れるように、いろんなことに手を出してみて、量をこなしながら自分なりの正解を探しているところです。

左から齋木春空、KEIGO、S、KENT。

左から齋木春空、KEIGO、S、KENT。

今まで以上に魂を込めて挑めるかどうか

──龍宮城へのインタビューとしては、おそらくこれが今年最後になるかなと思いますが、2025年の活動はどうでしたか?

冨田 あっという間の1年でした。

Ray いろんなことがありました。

──とにかく試行錯誤の1年だったと思いますけど、ポジティブに前を向いて先を見据えることができている。

Ray 100ポジティブでもないと思うんですよ。やりたいこと、思っていることは7人いれば7通りあるし、僕らだけではなく、支えてくださっているスタッフの方々の中にもいろんな考え方があって。今は目の前にたくさんの道がある状況で。どの道を選ぶのかはもちろん大事なんだけど、一番大事なのは、選んだ道の上で何をするか。今回のEPであれば、いただいた5曲に対してそれぞれどうやって取り組むか、それをどうライブで表現するのか。僕らはそこにもう生きるか死ぬかくらいの気持ちで臨んできました。これから先もずっと「次はどうする?」「次は何をする?」と考え続けていくと思うんですけど、そこに今まで以上に魂を込めて挑めるかどうかが、今後僕らがどう進んでいけるかに大きく関わってくるんじゃないかと思っています。

──2025年のインタビューの締めくくりとして非常によい発言が出ましたので、異論がなければ終了します。

KENT よいお年を。

Ray まだ2カ月くらいあるよ(笑)。

龍宮城

龍宮城

公演情報

龍宮城 LIVE TOUR 2025 - SHIBAI -

  • 2025年10月13日(月・祝)宮城県 仙台PIT
  • 2025年10月16日(木)神奈川県 KT Zepp Yokohama
  • 2025年10月22日(水)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2025年10月30日(木)福岡県 Zepp Fukuoka
  • 2025年10月31日(金)大阪府 Zepp Namba(OSAKA)
  • 2025年11月18日(火)東京都 昭和女子大学人見記念講堂
    OPEN 17:30 / START 18:30

龍宮城 ARENA LIVE 2026 -SHIBAI-

  • 2026年2月28日(土)東京都 TOYOTA ARENA TOKYO
  • 2026年3月1日(日)東京都 TOYOTA ARENA TOKYO

プロフィール

龍宮城(リュウグウジョウ)

日本テレビ、スターダストプロモーション、ソニーミュージックがタッグを組み、アヴちゃん(女王蜂)がプロデュースを務めたオーディション企画「0年0組 -アヴちゃんの教室-」の合格メンバーによって結成された“オルタナティブ歌謡舞踊集団”。メンバーはITARU、KENT、Ray、KEIGO、S、冨田侑暉、齋木春空の7名。2023年4月にソニー・ミュージックレーベルズからプレデビューシングル「RONDO」をリリースし、5月にデジタルシングル「Mr.FORTUNE」でデビューした。2025年2月には初の東京・日本武道館公演「龍宮城 日本武道館『裏島』」を開催。テレビアニメ「黒執事 -緑の魔女編-」のエンディングテーマで、4月に発表したシングル「WALTZ」を最後にアヴちゃんがプロデュースを離れ、セルフプロデュース体制へと突入した。7月に“第2章”の幕開けを飾る新曲「OSHIBAI」をリリース。10月8日に新作EP「SHIBAI」を発表し、同月16日からはライブツアーを開催。2026年2月28日と3月31日には東京・TOYOTA ARENA TOKYOでワンマンライブを行う。