「直したい」とか言っちゃって、みんな大変だったかも
──ダンスディレクターは三浦大知さんなど多くのアーティストのバックダンサーや、ミュージックビデオやツアーのディレクションなども手がけるSHOTAさん。コレオグラファーはマドンナや椎名林檎さんとの共演でも知られるBambiさんです。
ダンスも「直したい」とか言っちゃったりして、みんな大変だったかもしれないですけど……だんだんと自分が思い描いたものに近づいていく実感があって、心から楽しかったです。僕は「あっ、ほんとに楽しんでるな」と伝わってくるアーティストが大好きなので、そこは妥協せずに考えていきました。
──当時を知っている者としては非常に懐かしいサウンドで、ミュージックビデオも見事に80年代末の空気を再現しているなと思いました。最初に思い描いた通りの映像に仕上がりましたか?
ミュージックビデオに関しては「ここは最悪できなくてもいいけど、これだけは絶対したい」とか、超細かいところまで自分の中でイメージがあったんです。何回も打ち合わせを重ねる中で、皆さん80年代、90年代のミュージックビデオをたくさん研究してくださって。今は絶対しないようなカメラワークだったり編集だったりがてんこ盛りです(笑)。一見簡単そうなことが実際はこんなに難しいんだとか、こんなに時間がかかるんだってことも1つひとつ学ばせていただきました。このMVを観たみんなからどんな感想が届くのか楽しみですね。
──ミュージックビデオの冒頭には“WELCOME TO THE RYUCHELL WORLD”というロゴが出てきますが、アーティストネームを「RYUCHELL」とされたのは?
アーティスト活動をするにあたって、最初はカワイイ名前にしようかなと思ったんですけど、自分は自分だし、違う人になりきるわけじゃないので。もともと本名の比嘉龍二って男の子が自分を出せなくて、理想として頭の中で描いていたものが“りゅうちぇる”で、タレントの“りゅうちぇる”として経験したことも歌にしていきたいなと思ったので、英語のRYUCHELLに決めました。
100個伝えたいうちの1個です
──これからRYUCHELL WORLDがどんどん広がっていくといいですね。
僕の場合は服やメイクがありのままの自分を出すきっかけになったんですけど、歌だったらみんながもっと受け入れやすいと思うから、みんなに聴いてもらいたいですね。正直、100個伝えたいうちのまだ1個ぐらいしか言えていないので、これはあくまでもスタートです。どんどん皆さんにメッセージを届けていきたいです!
──ご自身の歌とダンスに点数を付けるとすると何点ぐらいの手応えでしょう?
びっくりするほど低いです! あはは(笑)。自己評価は……20点くらい?(笑) レッスンに通ったりお家でも練習してるんですけど、もっともっと時間をかけないと。いろんな場所で歌って、ダンスして、磨いていきたいなって思います。
──ご自宅で練習中、ぺこさんから感想をもらうこともあったり?
僕は見せたがりの褒められたがりなので、わざとぺこりんの前で曲を流して練習したりするんですけど、「がんばってるね」ぐらいであとはただ見てる感じです。最初は踊りも見てくれてたけど、2番あたりから眠ってたこともありました(笑)。でも、服とかメイクにはすごく関心を示してくれましたね。
──この曲を聴いて“自分の色を取り戻そう”というメッセージを受け取ると同時に、80年代、90年代の音楽やファッションの素晴らしさを発見する人もたくさん出てくるんじゃないでしょうか。
本当に。あの時代に生きていなかったのが悔しいぐらい! カイリー・ミノーグなんて、めちゃくちゃポップで派手派手なのにどこか悲しさがあるじゃないですか? そこが好きなんです。ただ明るいだけじゃなくて、いろんなことを経験したからこその厚みがある明るさ。僕もそういう部分を、音で伝えていけたらいいなと思ってます。