カラオケの十八番
──南雲さん、濱屋さんは普段どんな音楽を聴くんですか?
濱屋 最近はK-POP系とかアイドルの曲が多いですね。明るくて、メロディがキャッチーな曲というか。だから生の楽器の強い音が自分にとっては新鮮で刺激的でした。
南雲 僕はカラオケの十八番がありまして。反町隆史さんの「POISON ~言いたい事も言えないこんな世の中は~」です。店員さんにスタンドマイクも用意してもらいます。
佐々木 似合うわー!
南雲 アーティストさんがどういう曲を歌うのかも気になります。
佐々木 僕はAKB48の「ヘビーローテーション」ですね。
濱屋 えっ、聴きたい!
佐々木 俺のやつはかわいくないですよ? 絶叫しながら「I want you!」だから(笑)。
南雲 盛り上がりそう。
佐々木 カラオケに行くと「最初は誰が歌う?」みたいな譲り合いの時間があるじゃないですか。それを打開するために、原キーで全力でAKBを歌います。特に大人数のときはよく歌いますね。
大野 僕がよく歌うのは、ユニコーンの「大迷惑」ですね。友達とかとカラオケに行っても、最初は「俺は歌わないからいいよ」と言ってるんですよ。だけど酔っぱらってくると、「ちょっと『大迷惑』を歌わせてくれ」ってなる。で、みんなに「出た」って呆れた顔をされる(笑)。
佐々木 まさに“大迷惑”だなっていう(笑)。
大野 そうそう(笑)。
木田 僕はだいたい歌わずに、ほかの人の歌を聴いてます。メンバーやスタッフと一緒に行ったときに、ブッタの曲が入ったらこっそりハモるくらい(笑)。
佐々木 でも、BUMP OF CHICKENは歌うよね?
木田 そうだね。「車輪の唄」とか。
南雲 じゃあ歌うのはけっこうレアなんですね。
濱屋 こっそりハモってるのも聴いてみたい。
南雲 ぜひ今度行きましょうよ。大野さんの「大迷惑」も聴きたいし。
大野 「大迷惑」を歌うには、顔が真っ赤になるくらい飲まないと(笑)。
嵐士と玲を安心して見守ることができた
──アクションシーンについては先ほど話していただきましたが、登場人物同士の恋愛も「Love in The Air-恋の予感-」の見どころかと思います。南雲さんが演じる嵐士、濱屋さんが演じる玲についてもう少し詳しくご紹介いただけますか?
濱屋 玲は純粋な子なんですけど、まっすぐな性格ゆえに、初めて男性とお付き合いすることになったときに葛藤したり悩んだりします。「それでも正直な自分でありたい」と突き進むんですけど、その先でまた挫折したりトラブルが起きたりする。傍から見ると忙しない子なんですけど、そこが玲のよさで、愛される理由なんですよね。
佐々木 嵐士はそこに惚れたんでしょうね。嵐士が玲との関係性をリードしていて、玲は本当は素直になりたいという自分の気持ちに気付いていくんだけど、恋愛の本質的な部分にあたるその過程がポップに描かれているのがいいなと。まっすぐな2人同士だなと思っていました。
木田 出会ってわりとすぐのタイミングで、嵐士が玲に言葉遣いや時間の使い方を教えて、成長を促していくじゃないですか。ただ舞い上がっているだけの恋じゃなくて、長続きするために論理的に関係を築いていくんだなと思って、「この2人はちゃんとうまくいくんだろうな」と安心して見守ることができました。恋愛モノの場合、「歯車が食い違って一緒にいられなくなった」というカップルが描かれることもけっこうある。だけど嵐士と玲は、どうしたって歯車の噛み合う2人なんだろうなと。
濱屋 確かに、この2人だったらどんなことでも乗り越えられそう。
大野 乗り越えていくための道のりを作っていくのがうまいというか。
濱屋 嵐士は計算高いですからね。
南雲 そう。ズルい男なんですよ(笑)。
佐々木 「ほら、次はこういうのがあるよ」って玲を導いている感じがズルい。でもやっぱりカッコいいなと(笑)。
南雲 “伝説の先輩”と言われているくらいですから。
佐々木 きっと日本版は原作とはまた違った描かれ方がされているだろうから、見方も変わってきそうだなと。それに今日お二人に会えたから、にっこりしながら見ちゃいそうです。
濱屋 なんか恥ずかしいですね(笑)。「あの2人、こんなシーンもやってたんだ!」とドキドキするシーン、けっこうあると思うので。
佐々木 そうそう。「どこまでやってるんだろう?」と気になってはいます(笑)。
ブッタを戦友のように感じる
──リアクション ザ ブッタが書き下ろした主題歌「Inside you」の1コーラス目では、早瀬嵐士と雨宮玲の関係性が描かれています。歌詞に「嵐」「雨」という単語が入っているのもポイントですが、佐々木さん、この曲はどのように書いていったんですか?
佐々木 ドラマの主題歌を書き下ろさせてもらえることが僕らにとって初めてだったので、「うれしいな」と思いつつ責任を感じながら、まずは原作を観ることから始めて。曲の取っかかりになったのは、PrapaiとSkyカップルのラストシーン。あのシーンをきっかけに、PayuとRain──日本版で言う嵐士と玲がどういう関係性なのかを改めて考えていきました。嵐士はある種孤高の存在で、一緒にいる玲がほぐしてあげているように見えたんですよ。だから実は癒されているのは嵐のほうで。
南雲 そうなんですよね。
佐々木 「嵐の中には雨が含まれているな」と思いつつも、玲を嵐士の一部にはしたくなくて。きっと玲は、嵐士が孤独な思いをしたときに一緒に泣けるような存在になりたいと願っている気がして、そういうところを表現できたらと思いました。
南雲 「嵐」や「雨」という言葉を無理に入れるんじゃなくて、自然に入れているのが素晴らしいですよね。原作の主題歌「My Strongest Love」と重なるところも感じつつ、僕たちメインキャスト4人に合う歌だなと思いました。さっきも話したように、作品を撮ったら終わりではなくて、僕たち4人、これからまだまだやりたいことがあるんですよ。4人で一緒に、この作品を通してこれからがんばっていこうという気持ちを、この曲に後押ししてもらっています。
濱屋 (Aメロを指して)この「おはよう」ってところ、嵐士の家がめっちゃ思い浮かばない?
南雲 うんうん。
濱屋 歌詞と連動して、撮ったシーンをいろいろ思い出します。作品にすごくぴったりな歌詞だなと思いました。
南雲 リアクション ザ ブッタの皆さんには初めてお会いしましたけど、みんなで作品を作り上げているということですよね。
濱屋 うん。僕らが演じることで作品の一部として入らせてもらったのと同じように、ブッタのお三方もこの作品をしっかり理解して、同じ気持ちや熱量を持っていてくれたんだなって。戦友のように感じて、すごくうれしい気持ちです。
佐々木 そう言ってもらえてうれしいな。
木田 「Inside you」はこの機会がなければ生まれなかった曲ですけど、「誰かを応援したい」「背中を押したい」というブッタの真ん中にあるメッセージを歌った曲でもあるんです。僕らにとって本当に特別な曲が生まれたと思っているので、「Love in The Air-恋の予感-」との出会いにすごく感謝しております。
大野 僕らとしてはドラマだけでなく曲も丸ごと、末長く愛していただければなと。できれば飛ばさずに聴いていただきたいです!
濱屋 そうですね! スキップはナシでお願いします!
佐々木 お二人にお会いできてよかったです。話してみて、すごくいいキャスティングだったんだなと改めて思った。本当に嵐士と玲に見えちゃう。
南雲・濱屋 ありがとうございます!
佐々木 配信が始まるのが楽しみですね(※取材は10月実施)。僕らの曲がちゃんと作品に寄り添えているのか、ドキドキしながら観ることになると思うけど、それ以前に、いち視聴者としてドラマを観るのが楽しみ。そういえば、温泉のシーンって原作にはなかったですよね?
濱屋 はい、オリジナルです。日本ならではの場面がけっこうあるんです。面白要素があったり、スペシャルゲストがたくさん出たりしていて。僕、こんなにたくさんセリフをいただいたのは「Love in The Air-恋の予感-」が初めてだったんです。皆さんもご存じの通り、有名な作品のリメイクということで、正直不安やプレッシャーがありました。だけど、大変さもありつつ楽しくて、すごく濃い時間を過ごせました。原作と比較しながら観る楽しみもあると思うし、原作を知らなくても楽しめると思います。僕にとってすごく思い入れのある作品になったので、ぜひ観てもらいたいです!
南雲 タイの原作へのリスペクトも込めつつ、とはいえ原作に寄せすぎず、自分にしかできない嵐士を演じられたと思っています。同じように、玲も、拓斗にしか演じられない玲になっていると思う。アクションシーンだったりNCシーンだったり、見どころがめちゃめちゃある作品なので、楽しんでもらえたらうれしいです!