19歳のシンガー・RIRIが11月28日に2ndアルバム「NEO」をリリースする。本作はアメリカの第一線で活躍する作家たちとロサンゼルスで制作された作品。世界でトレンドのサウンド、歌詞も大半が英語という意欲的な内容となった。そんなチャレンジングな作品を作ったRIRIは、今年の3月に高校を卒業したばかり。ナタリー初登場となる今回は、アルバムの制作過程など細かいこだわりについて聞いた。彼女の新鮮な感性をぜひとも感じてもらいたい。
取材・文 / 宮崎敬太 撮影 / 映美
海外でも活躍することが自分の大きな目標
──今回のアルバム「NEO」は大半が英語詞ですね。
私は海外でも活躍することが自分の大きな目標なんです。音楽は言葉の壁が大きいと思ったので、この目標を叶えるためにも英語詞を多くしました。すごく大きなチャレンジではあるけど、スポーツの世界では海外に出ていく若い人たちがたくさんいる。だから私もあきらめずに突き進んでいきたいと思って挑戦してみました。
──タイトルの「NEO」にはどんな思いが込められているんですか?
1つは今年の3月に高校を卒業したので、自分の音楽を追求したいということ。もう1つは春から3カ月くらいロサンゼルスにホームステイしたんですよ。メインはこのアルバムの制作だったんですが、合間にダンスレッスンや語学の勉強もして。その中ですごくたくさんのことを感じて、新たな決意が芽生えました。もっと進化したい。「NEO」は新しく進化するという意味のギリシャ語なので、このタイトルにしました。
──LAでのホームステイでは、どんな体験をしたんですか?
本当にいろいろあったんですけど、特に強く思ったのは、欧米の人たちはいい意味でものすごく自分を主張するということ。何かをやるにしても自分の意見がある。例えば、レコーディングやセッションのときによく「RIRIはどう思う?」って聞かれて。相手は歳上だけど、同じミュージシャンとして対等の目線で意見を求めてくるんです。なのに、私は自分の中にちゃんとしたイメージがあるにも関わらず、すぐに返事ができないことが多くて……自分の感覚を言葉にできなかったんです。だから頭の中にあるイメージや考えをもっと正確に、かつわかりやすい言葉で表現できるようにならなきゃダメだなって。それはセッション以外でも、制作にまつわるいろんな場面で感じましたね。
1日1曲作るのがLAのスピード感
──LAではどのように楽曲制作をしていたんですか?
基本的にはセッションですね。私がイメージを伝えると、プロデューサーがその場で仮トラックを作ってくれるんですよ。そしたらメロディを作るトップライナーと一緒に、みんなで歌のアイデアを出していきます。ちなみにアリアナ・グランデとかセレーナ・ゴメスとかと一緒に制作しているトップライナーにも参加してもらってるんですよ。それでみんなが出したいいフレーズをどんどんつなげて曲にしていきます。私もアイデアを思いついたらすぐ伝えて、仮歌のレコーディングもして。大体1日1曲くらいのペースで制作してましたね。
──えっ? そんないろんな作業があるのに、1日でできちゃうんですか?
そうですそうです(笑)。1曲目の「HONEY」も1日でできてますし。もちろんあとでトラックやコーラス、歌詞の細かい部分を直したりしますが、あくまで微調整というレベルですね。
──かなり大変そうな感じがしますが……。
全然! セッションはすっごく楽しかったです。たまに煮詰まることもありましたけど、基本的には1日1曲というスピード感で制作してました。最終的にアルバム用に25曲くらい作った中から6曲まで厳選して、そこに清水翔太さんと制作した「Forever」、ゼッドさんの「Stay」のカバー、リミックス2曲を加えて、全10曲にしました。
──アメリカの制作環境はそんな感じなんですね。面白いな。
インスピレーションやノリを重視してどんどん作っていく感じですね。私にはああいうやり方があってると思います。