ナタリー PowerPush - RIP SLYME

「GOLDEN TIME」とリップの未来を考える

RIP SLYMEって何集団?

──先ほどSUさんが「ジャンルがもうわかんない」とおっしゃっていましたが、確かにアルバムを聴いてRIP SLYMEがもはや音楽的に何系のグループなのかわからなくなりました。

RYO-Z 何集団っすかね(笑)。

SU それはカッコいいほうがいいっすからね。エンタテインメント集団……じゃないなあ。

──リップのパブリックイメージって今どういうふうに持たれてるんでしょうね。

SU なんとかおじさん。出るとこに出たら“おしゃれおじさん”なのか。

RYO-Z ちょっとラップとかするおじさんだろうね(笑)。

FUMIYA ヒゲおじさん。

ILMARI よくわかんない人たちなんじゃないですか。おっしゃってるようにジャンルもよくわかんないし。10何年やってるから、世代によってリップのイメージも違うだろうし。

──しかし、失礼ながらそろそろ本当におじさんと言われる年齢になってきたわけですが。

ILMARI マジですよ。

RYO-Z マジっす、マジっす。ちょっと自虐で言ってるみたいなとこあるけど、ほんともうそろそろ言えなくなってくるっていうね。

──今後、リップの楽曲に年齢って実際どのくらい影響を与えるのかなと。

RYO-Z ラップ少ないのはありがたいよね(笑)。28小節とかラップするのは……。

FUMIYA それ体力的にってこと? 息が苦しいとか(笑)。

RYO-Z あと曲調的に、果たしてこれからもドラムンベースとかをやるのかどうか?みたいなことでしょ。確かに音がシンプルになっていくとかはあるかもしれないよね。

SU でもKissはもう60歳超えてる人もいるのに変わらないじゃん。だからわかんないよ。

RYO-Z ユニコーン兄さんとかもそういう感じするもんね。

PES でもさ、KissとユニコーンとRIP SLYMEの決定的な違いって、技術がないから俺らは。ずっと思ってることなんだけど、年取ったらなんにもないヤツのライブなんか観に行かないじゃん、俺らも。

RYO-Z まあそうだよね。

PES だからRIP SLYMEのライブに行かないと観れない、RIP SLYMEのアルバムを聴かないと聴けない何かしらが絶対ないと。ある意味「RIP SLYMEってなんのジャンルかわかんない」っていうのはいいことなのかもしれないけど、それは技術的な裏打ちがあるのか、理由があるのか、自分たちでちゃんと把握してやってるのが、年を取るにおいては大事なことだなと思いますけどね。真面目に言うとね。

FUMIYA 音楽もいろいろ取り入れていきたいなとは思いますね。例えば俺より若いアレンジャー入れるとか。変化は見せていきたい。

ILMARI そういうマインドも5年、10年したらちょっとずつ変化してくんじゃないすかね。

SU 俺はなんも考えてねえわ。

PES まあ真面目に考えてないですけどね、みんな。なるようになるよと。

──でもとにかく、おじいちゃんになっても続けてくれそうな気はします。

SU 解散はないです。

──それはよかった。

SU 言わないです。してても。

一同 あははは!(笑)

SU なんだろう。カッコいい散り際みたいなのいいですけどね。まだ思い付かないですね。

左からFUMIYA、SU、ILMARI、RYO-Z、PES。
ニューアルバム「GOLDEN TIME」/ 2013年12月4日発売 / unBORDE
初回限定盤[CD+DVD] 3700円 / WPZL-30777~8
通常盤[CD] 3150円 / WPCL-11581
CD収録曲
  1. GOLDEN TIME
  2. FAKE
  3. SLY(Album version)
  4. AH! YEAH!
  5. ジャングルフィーバー
  6. 気の置けない二人
  7. ROAD MAP
  8. アプリオリ
  9. 恋のシンキングタイム
  10. 断捨離ズム
  11. Run with...
  12. ロングバケーション
  13. Butterfly Effect
初回限定盤DVD収録内容
  • 「RIP SLYME presents 真夏のWOW at STUDIO COAST」スペシャル映像(ライブ映像数曲入り)
RIP SLYME(りっぷすらいむ)

RYO-Z、ILMARI、PES、SU、FUMIYAからなる4MC&1DJヒップホップユニット。1994年に結成され、2001年3月にシングル「STEPPER'S DELIGHT」でメジャーデビュー。その後2ndアルバム「TOKYO CLASSIC」がミリオンヒットを記録する。さらに国内のヒップホップユニットとして初めての日本武道館ワンマンライブを行い、日本にヒップホップ文化を広く浸透させた。2005年にFUMIYAが病気療養のため一時ユニットを離脱するも、翌年8月に無事復帰。再び5人体制で精力的にリリースやライブ活動を行っている。2010年には、メジャーデビュー10年目を記念しベストアルバム「GOOD TIMES」とカップリングベストアルバム「BAD TIMES」をリリース。2013年12月には9枚目のオリジナルアルバム「GOLDEN TIME」を発表した。


2013年12月10日更新