バンドは当たり前にあるものじゃない
──心境の変化って、年齢も関係してますか? 4人共30歳前後になってきて。
磯村 あるかもしれません。僕は今年31歳だけど、30歳を迎えた頃は自分と向き合いすぎてたんですよ。当初こんなに長くバンドを続けると思ってなかったんで、「まだやってて俺は大丈夫なんだろうか?」みたいな不安が。
内田 バンドマンはみんななるよね、それ。
磯村 そんな中で「1人じゃないんだ」「ドラムのフレーズで悩んでもメンバーに相談していいんだ」って思えたから、不安を乗り越えられたんです。ドラマーよりもバンド脳になれた感じ。
須藤 先に三十代に突入した磯くんががんばってくれたおかげで、今年三十代に突入したばかりの僕らは今いい感じです(笑)。
岸 二十代はがむしゃらにやってただけだったなあ。
磯村 3カ月前くらいに30歳になったばかりじゃん!
岸 あははは(笑)。なんでそういう言い方したかと言うと、最近は先を見るようになったんですよ。40歳でもバリバリまだやってるために筋トレやランニングを始めたり、なりたいギタリストになるために基礎練をもっとちゃんと取り組むことにしたり。
須藤 肉体的にキツくなってくるもんね、俺らライブも汗かいてなんぼのパフォーマンスだし。だからこそ、今を大事に、集中して自分を高めていきたいですね。1本のライブに懸ける思い、本番に向かうまでの気持ちの持っていき方とか、近頃はすごくよくなってきてるんで。
内田 いつも一緒なのに「今日も好きだぜ!」「最高の仲間なんだ」みたいなのは傍から見たら歯の浮くような発言や思想かもしれないけど、やっぱりバンドは当たり前にあるものじゃないので、それを僕はしっかり毎日意識して、メンバーにもわかっててほしいですね。リズミックの存在自体が当たり前になっちゃうのが一番悲しいこと。なるべく自分が感じてるパワーを伝えていくスタンスって絶対にどこかで実を結ぶはずで、そう考えてたら余計なことが気にならなくなってきました。
初のセルフプロデュース
──初のセルフプロデュースに関してはどんな達成感がありますか?
内田 サウンドメイキングはかなり凝ったものにできたと思います。これまでの作品とは聴感的に違う音にしたくて。
磯村 僕らバンドサウンド押しでずっとやってきたから、客観的に聴くとドラムの音がデカめだったんですよ。今回の中では「バベル」を最初に録ったんですが、ちょっとコンプで潰れたようなジャキッとした音にしたくて。そしたら、内田も曲作りの段階で同じイメージを持ってたみたいで。ね?
内田 うん。僕も立ち会って音を決めて、エンジニアさんにわがまま聞いてもらって。
磯村 エンジニアブースにいる内田に「もう1回行ってみよう」って言われるのが新鮮でした(笑)。録り音そのままのドラムじゃなくて、土台から変えていくスタートが切れたのは本当によかったと思います。
須藤 「フラッシュバック」の音も気に入ってます。内田が僕のベースをちゃんと理解してくれて、おいしいところをよりビンビンにしたり、想像の上を行く音になって感動しました。サビもスカの裏打ちが入るやったことないパターンだったんですけど、歌とメロディを立たせるためのフレーズを内田とじっくり話し合って作れたから、そこに充実感がすごくありますね。
内田 セルフプロデュースの責任感はもちろんありつつ、任せてもらえたからこそすげえ楽しみながらいいものに仕上げたくて。メンバーが作ってくれた最高のフレーズをカッコよく聴かせるイメージは頭にあったんで、そこは妥協せずに理想の音にできたと思います。
岸 僕は「ユメイロ」が印象的ですかね。ギターをかなりオーバーダビングして、多いところだと5本くらい。そういうのも、バンドサウンドにアコギを入れたのも初めてで。ゆずが大好きなわりにこれまでやってなくて、「ついに!」って感じでした。めちゃくちゃ難しかったけど、超楽しかったです。
内田 いい感じになったよね。俺の展望として、次はピアノ弾かせようと思ってるから。
岸 えー!(笑)
内田 ちょっと弾けるじゃん。なので、早いタイミングで音源でもライブでもやってほしいし、その“才能”をバンドで存分に生かしてほしいです。
──「ビンビン」じゃないけど、響きが楽しめる曲も目立ちますね。
内田 「ドンシンフィー」で出てくる「バリバリ」とか「ポポポーン!」とか、やっぱり遊び心ですよね(笑)。曲頭のラジオボイスも含めて。ちなみにタイトルは「Don't think feel」の略です。
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「これ、俺のこと書いてんじゃね?」
- Rhythmic Toy World「TALENT」
- 2017年9月6日発売 / STROKE RECORDS
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[CD]
2700円 / STR-1045
- 収録曲
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- 未来ワンダー
- JIGOKU
- フラッシュバック
- ミュージックマン
- 大丈夫
- ポエトロジーライド
- バベル
- ドンシンフィー
- メインアクト
- 涙の使い道
- いつか(TALENT Ver.)
- ユメイロ(TALENT Ver.)
- Rhythmic Toy World Release Tour「転生?なにそれ美味しいの?ツアー」
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- 2017年9月21日(木)千葉県 千葉LOOK
- 2017年9月28日(木)石川県 vanvanV4
- 2017年9月30日(土)富山県 Soul Power
- 2017年10月3日(火)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2017年10月4日(水)岡山県 CRAZY MAMA 2nd Room
- 2017年10月6日(金)福岡県 Queblick
- 2017年10月15日(日)三重県 club chaos
- 2017年10月18日(水)北海道 COLONY
- 2017年10月27日(金)静岡県 Shizuoka UMBER
- 2017年10月31日(火)香川県 DIME
- 2017年11月2日(木) 名古屋 CLUB QUATTRO
- 2017年11月4日(土) 大阪 Music Club JANUS
- 2017年11月17日(金)群馬県 前橋DYVER
- 2017年11月18日(土)福島県 郡山CLUB #9
- 2017年11月24日(金)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2017年12月7日(木)宮城県 enn 2nd
- 2017年12月15日(金)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2018年1月26日(金)東京都 TSUTAYA O-EAST
- Rhythmic Toy World(リズミックトイワールド)
- 内田直孝(Vo, G)、須藤憲太郎(B)、岸明平(G)、磯村貴宏(Dr)からなる4人組ロックバンド。2009年に結成し、2010年に現在のメンバーとなる。2012年にアマチュアバンドコンテスト「RO69JACK」で入賞し、2013年にはグッドモーニングアメリカが企画するコンピレーションアルバム第3弾「あっ、良い音楽ここにあります。その参」に参加。2013年から2014年にかけて3部作としてミニアルバム「軌道上に不備は無し」「オリンポスノフモトニテ」「XNADIZM」をリリースした。2015年に1月に1stシングル「いろはにほへと」、3月に1stフルアルバム「BUFFeT」を発売。「輝きだす」が森永製菓「DARS」のCMソングに使用されると、知名度はさらに広がる。2016年7月にニューアルバム「『HEY!』」を発表。東京・赤坂BLITZでのワンマン公演を含めたツアー「『HEY!』の『HEY!』による『HEY!』の為のツアー」を大成功に収めた。2017年9月に初めてのセルフプロデュースによるアルバム「TALENT」をリリースする。