音楽ナタリー Power Push - ReVision of Sence

とにかく売れたい!負け犬の戦い方

こういうの好きでしょ?

──今回リリースされる「八面楚歌」は、8曲入りだから「八面」だと思うんですが、そもそもなぜ「四面楚歌」をもとにしたんですか?

ReVision of Sence

河井 前作の「宣戦布告の7ヵ条」で「これが俺たちや!」というものを世に出したんですよ。そうやって戦いに出てきたのはいいけど、周りを見たら味方も、頼れる人も特にいないなと思って。となると、周り全部敵かなっていう意味でこのタイトルです。

──その状況を突破するために、どう攻めようと思いました? 

河井 攻めるというよりは、前作よりも、さらに受け入れられそうなものを作りました。「攻める」って言うとケンカを売るじゃないですけど、意気込んでる感じがあるじゃないですか。それよりは「こういうの好きでしょ?」っていう、下心バリバリな感じです。むちゃくちゃバンドマンっぽくない感じ。

──収録曲はバラエティに富んでますよね。ラウドでゴリゴリしてる「SNSにNO・GU・SO」と、R&Bふうのスローな「私はブロッコリー」を、同じバンドがやっているとは思えないです。

河井 それこそ下心の極みですよ。だから入り口を増やしたような感覚ですね。8曲中どれか1曲に引っかかってくればいいなっていう。そこは曲だけじゃなくて、歌詞の面白さでもいいし、いろんなことをやっているバンドのメンタリティでもいいし。どの曲にも芯はちゃんとあるんで。

「SNSにNO・GU・SO」「ヨノナカカオ」

──作曲クレジットは、河井さん名義のものと、バンド名で表記されているものがあります。

河井 だいたいどの曲も僕が最初にバーッと作るんですけど、そこからバンドに投げて、原型とはだいぶ違うものになったらバンドクレジットに変えてます。

偉町大介(G)

偉町 「SNSにNO・GU・SO」は、車の中で一緒に作ってたんですけど、教馬が「最近流行ってるラウドバンドがやっていることをやりたい」って言って。

河井 最初は、ラウド系のバンドと四つ打ちのバンドをバカにした感じの曲を遊びながら作ってたんですよ。MV観て「こんなん100バンドぐらいおるよな?」とか言いながら。歌詞も「ブレイクダウンやってます!」とか「デスボイスやけどエモくない」みたいな感じにして、実在するバンド名をぼかして書いたりもしてたんですけど。でも、客としてはそういう曲を聴かされても全然面白くないかもなと思ってしまったのと、別にそこまで悪者になりたくないんで(笑)。それやったら「SNSに野糞たらすな!」って言ってるほうが、自分のキャラにも合ってるかなって。

──形が変わったとはいえ、どちらも風刺的です。ほかの曲も歌詞もシビアで辛辣なものが多いですよね。特に「ヨノナカカオ」は相当エグいなと思いました。

河井 そうっすよね(笑)。曲調のせいで楽しい曲だと思っちゃう人もいるみたいですけど、ほんまに一番酷いのはこの曲です。曲を聴いて泣く子とかいるかもしれないんで。

──ほかの曲は性格や行動について歌ってますけど、これは容姿についてのことですからね。

河井 もう叩きのめしてるんで。でもブスなやつって内面もブスなんすよ。だからがんばれよ?っていう。

──最後は大逆転が見たいとも歌っていますし。

河井 正直、そこはちょっと逃げました。FM802とかで流れるときに、最後にこういうこと入れとかなあかんかなと思って。一旦いい人ぶってます。

──これだけさまざまなジャンルの曲を実際にプレイするとなると大変なんじゃないですか?

ReVision of Sence

嘉藤 ReVisionのギターって、たぶんそんなに難しくないんですよ。あと、いつも僕が先にアレンジして、自分が弾きたくないフレーズは全部大ちゃんのほうに入れるんです。で、大ちゃんがアレンジし終わったやつをチェックすると、なぜかそのフレーズが自分のほうにきてて、よく揉めるっていうのはありますね。

 新曲を初めてスタジオでやるとき、絶対にケンカしてますからね。「これ弾いてや」「いや、お前が弾けや」って。

偉町 でもどっちかと言うとリズム隊のほうが大変だと思いますよ。

 「SNSにNO・GU・SO」の、230BPMで2ビートなんてやったことなかったですからね。メタルとか一切通ってないので。だから、毎回デモを聴くとムチャ振りされてる気がするんですけど、曲がよくなるためにがんばりますね。叩けないからやらへんとか言えんし、そこはあとから練習しよかって。

ミニアルバム「八面楚歌」 / 2016年8月17日発売 / [CD] 2160円 / BUSU RECORDS / DEBU-003
「八面楚歌」
収録曲
  1. カミダノミレクイエム
  2. Yeah!めっちゃナンマイダ
  3. ヨノナカカオ
  4. あいにーじゅーあいうぉんちゅー
  5. SNSにNO・GU・SO
  6. 幸せの殺し方
  7. わたしはブロッコリー
  8. 願いが叶う時
ReVision of Sence「八面楚歌リリース記念ワンマンツアー(仮)」
2016年9月10日(土)
兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
2016年9月23日(金)
福岡県 Queblick
2016年9月28日(水)
広島県 HIROSHIMA 4.14
2016年10月10日(月・祝)
東京都 clubasia
2016年10月14日(金)
愛知県 池下CLUB UPSET
2016年10月15日(土)
大阪府 梅田CLUB QUATTRO
ReVision of Sence(リビジョンオブセンス)

ReVision of Sence

河井教馬(Vo)、辻友遥(Dr)、嘉藤康介(G)、偉町大介(G)、上村元隆(B)からなる5人組バンド。シニカルな歌詞と破天荒なパフォーマンスで、地元の大阪を中心に話題に。2015年9月に初の全国流通盤「宣戦布告の7ヵ条」をリリース。その後無料ワンマンツアーや、オフィシャルサイトでの全音源無料配信などを行い、注目を集めている。2016年8月に2ndミニアルバム「八面楚歌」を発表する。