Reol「金字塔」 PR

3人のクリエイターはどのようにReolと「金字塔」を打ち立てたのか?全員参加の座談会で明かされる幕内

Reolが1月22日に2ndフルアルバム「金字塔」をリリースした。

このアルバムには、これまでソロおよびユニット活動を通し、常に彼女が活動を共にしてきたGigaのほかに、ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)とMasayoshi Iimoriという2人のトラックメーカーが参加。ポップかつエレクトリック、さらに毒気も感じるReol独特のサウンドに新たな息吹を吹き込んでいる。

今回はReolのほか、アルバムの制作に携わった作曲陣を招いてのインタビューを行い、制作過程の話から個々の手がけた楽曲について、さらにはReolという表現者の魅力について聞いた。

取材・文 / 風間大洋 撮影 / 星野耕作

「金字塔」の根底にある憧れ

──初めてReolさんの制作に携わったケンモチさんとIimoriさんは、新作アルバムを聴いてどんな感想を抱きましたか?

Masayoshi Iimori 1曲目の「金字塔」から展開がすごい凝ってて。「リード曲でこんなことやっていいんだ?」と思ったし、刺激的でした。

ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ) 今までのアルバムより、さらに開かれた印象ですね。ポップなところもありつつ、でも音的にはすごく攻めてて。「これはまさに金字塔だな」という感じ。

Reol そこは自分ではまったく意識してなくて。ただアルバムの根底には“憧れ”があるんです。音楽への憧れだけじゃなくて、昔の人が憧れていたものとか。私が想像してる「金字塔」のイメージはパルテノン神殿とかが建てられた時代なんですけど、あの時代の人たちは技術革新に憧れたと思うんです。ほとんどの曲で憧れについて歌っていて、みんながいろんなものに憧れて今の時代まできたということを書きたかった。作品自体にそういう部分を落とし込んだから、金字塔のような作品だと思ってもらえるのかもしれないです。

左からReol、Giga、ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)、Masayoshi Iimori。

──時代感でいうと、前作は「文明EP」でしたね。

Reol 文明のあとに塔が建つということで、タイトルを「金字塔」にしました。

ケンモチ 確か最初に4人が集まった飲み会のときには、Reolが「アルバムタイトルを『金字塔』にしようと思ってる」と話していた気がします。

──Reolさんとケンモチさんは以前から交流があったんですよね。

Reol そう。ずっと関わりはあるけど一緒に作ったことはないままだったから、このタイミングで実現できてよかったです。

ケンモチ 以前対談したときにも「一緒にやりたいね」って話してて(参照:Reol「事実上」特集|Reol×ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)対談)。

Reol それが叶った感じです。Masayoshiくんは単純に、Gigaと私が“見ていた”というか。「ニートtokyo」に出ているのとかも観てました。

Iimori (笑)。僕はGigaさんのことを知っていて、Gigaさんも僕のことをチェックしてくれていたみたいで。スタッフからGigaさんの「劣等上等」のリミックスの話があると言われてすぐに「やります」と返事して、あっという間に作りました。その後、SNSのDMなどでやり取りをする中で、Reolさんの制作の話になって自然に物事が進んでいきました。

Reol 本当にMasayoshiくんと作った曲は完成までのスピードが早かったです。ケンモチさんは4つトラックをくださったんですよ。その中から一番ハマりそうなやつを選抜した感じです。

ケンモチ 僕が提供した「ハーメルン」はバラード枠として作ったんですけど、ほかの曲のテイストはバラバラで、Masayoshiの作ったような曲に近いものもあったりとか。どれかがアルバムにハマればいいなと思って作りましたね。

Giga 2人ともジャンル的には似てるけど、全然違う質感だからいいですよね。

ケンモチヒデフミ、Masayoshi Iimori、Gigaの違い

Reol ケンモチさんとMasayoshiくんはトラックメーカー的というか、普段からラップを乗せるような音楽を作っているから、そういうところで制作の仕方がクロスオーバーした気はしました。Gigaは作り方がもっとポップス寄りなんだよね。

──Gigaさんが作曲するとき、トラックを作っている感覚と、歌が乗る前提のポップスを作る感覚のバランスはどんな塩梅なんですか?

Giga うーん。やっぱりReolと作るものはJ-POPに寄せたいと思っているのでサビは大事にしつつ、攻めたいところもあるから……両方バランスよく二刀流という感じかなあ。

Iimori 逆に僕はサビとかは意識せずに作っていて。衝動的に作ったものを完成させるというか。展開とかも無茶苦茶な感じのほうが、意外といい形になるパターンもあるんです。そこは違うところなのかな。

Reol 作り方がパンクだよね、パンク。

ケンモチ 最初思い描いたものに、いろいろ付け足していくうちに違うものになる感じか。四角いビルを作るというよりも、サグラダ・ファミリアみたいに継ぎ足し、継ぎ足しみたいなイメージかな。僕も「ハーメルン」は最初はバラード寄りの歌ものの想定で作っていたんですけど、倍のテンポでもいけるようハイハットとか刻んでたら、だんだんノリ自体が速くなって、2番から急にドラムンベースみたいになるっていう(笑)。

Reol

Reol ドラムンベースになったのはめっちゃよかったです。

ケンモチ 作っているうちに「こっちのほうが面白いかな」ってできた曲ですね。

──ReolさんとGigaさんはケンモチさんとIimoriさんの曲ができてから、残りの曲を制作していったんですか?

Reol いや、半分くらい着手しつつ、ある程度全貌が見えてきた段階で2人に声をかけた感じです。

Giga 中でも「金字塔」と「ダリ」は最後のほうに作りました。ほかの曲ができて、「アルバムに足りないのは何かな?」と思ったときに「元気な曲がないな」と思って「ダリ」を作って。「金字塔」はリード曲として作りましたね。

──「金字塔」はリード曲としてのインパクトもありつつ、アルバム自体のイントロダクションとしても機能するような曲ですね。

Giga はい。まず自分は前から“女性的なもの”を作りたいというのがあったんです。そういう曲は今までのReolの作品にはあまりなかったから、アルバムに入れたくなって。最初に歌いだし後のダンサブルな部分で女性的なパートを作って、金字塔感も出したいと思って明るく開けた感じのサビを作りました。

Reol Gigaから「この曲は女性らしい感じにしたい」というのは最初に言われていて。歌のアプローチとか歌詞に女性らしさが出てて、ディーバっぽいような。でも私は音楽に性を出すことに抵抗があるんです。だからこそ憧れる部分もあるんだけど……例えばニッキー・ミナージュとか海外の人とかすごいじゃないですか。でもああいう表現を自分がやろうとすると内面と剥離するというか……体つきも含め自分のことをあまり「女性!」という感じに思っていないから……「本当はGigaはもっと女性っぽくしてほしかったんだろうな。でもごめんね」という気持ちがある。Gigaからしたら「歌詞で『己』とか言わないでよ!」って感じでしょ(笑)?

Giga (笑)。でも、フロウが曲に合ってるならそれでいいかな。