音楽ナタリー PowerPush - REDLINE RIOT!!

Crystal Lake / NOISEMAKER / Survive Said The Prophet / wrong city

シーン壊すラウド4組ボーカリスト座談会

各バンドが2曲に込めた思い

──今作には新曲、もしくは未発表曲が収録されています。それぞれ制作や選曲について聞かせてください。

AG 俺たちは両極端な2曲を入れようって思ってて。だからアグレッシブな曲と、激しいだけじゃないぜ!ってことが伝えられる曲を入れました。ほかに入るバンドを意識して「絶対に負けたくない」という気持ちで作りましたね。

左からYosh(Survive Said The Prophet)、Victor(wrong city)、Ryo(Crystal Lake)、AG(NOISEMAKER)。

──「Horizon」にはシャウトが一切ないですもんね。

AG はい、いい曲です!(笑)

──ほかのバンドと並ぶとなると、自分のバンドのよさとか個性を改めて考えることになると思うんですけど、NOISEMAKERの場合は何が自分たちの個性だと思いますか?

AG 自分たちが一番影響を受けてきたのが1990年代後半とか2000年代とかの音楽なんで、それを今、僕らなりの表現で具現化することが持ち味です。そこを特に意識して、メロディやリフ、リズムを考えました。

──歌詞に込めた思いも教えてもらえますか?

AG 何気ない日々の中でふときれいな景色を見たときに、とても怖くなったんですよね。人って当たり前のことを当たり前のように忘れてしまうから。それを忘れないようにしたいっていう思いを込めたのが「Oblivion」です。「Horizon」は地平線を見てたら夕陽があって、それが綺麗で、あそこに行きたいって思うんですけど、いざそこに行ったらまた向こうに地平線が見えて。なので、見方次第では自分も地平線の上に立ってるんだよ、っていう。

──Crystal Lakeはどうですか?

Ryo Crystal Lakeも両極端な2曲を。「Matrix」はスーパーヘビー&キャッチーという感じで、「Light Up The Tunnel」はサウンドよりも曲の持つ世界観を全面に押し出しています。自分たちの楽曲にとってヘビーさは一番のストロングポイントなので、Crystal Lakeらしさを失わないように気を付けました。

──歌詞の内容を教えてください。

Ryo 「Matrix」は新しいカオスを生み出して、音楽シーンとかいろんなところで“Riot”を起こすぞ、ということを歌ってます。「Light Up The Tunnel」は……人生って自分の旅の物語で、嵐のときもあれば、長いトンネルが続くっていう日々もあるんだけど、例えば自分が長いトンネルにいるなっていうときに、先にある光を待つんじゃなくて、自分がそのトンネルを照らせばいいんじゃないか、という気持ちで作りました。

Victor(wrong city)

──wrong cityはどうですか?

Victor 僕、「あいつにはできるのになんで俺にはできないんだろう」って凹んでた時期があって。で、それが吹っ切れたタイミングでできたのが「Perfect Duty」なんですよ。だから前向きなことを歌ってます。サウンド面では、独特のゴシック調な世界観やメランコリックな雰囲気というwrong cityらしさを大切にしました。「My Shape」はドラムにkomakiが新しく入ってから(参照:wrong city新ドラムに元tricotのkomaki)楽曲に対するアプローチの仕方が変わったんで、こういうこともできるんだよっていう提示をしたくて。聴かせる曲で、ある意味wrong cityっぽさはないんだけど、聴きやすいと思います。

──komakiさんが入ってほかに何か変化はありました?

Victor ライブにどういう気持ちで挑むかっていうのを見つめ直したり、楽器の音作りについてもいろいろと考える機会になりました。ある意味、新しいスタートっていう感じがする。今までとは違うビートも来るから、それに合う歌い方や表現を探したりしてすごく面白いです。

──最後にSurvive Said The Prophetはどうですか?

Yosh 僕らはこのスプリットアルバムが初めての流通音源になるので、意気込み自体がほかの3バンドと違うかも。「何が僕らなんだろう。どうやったらそれが音源に出せるんだろう」と考えることで、自分たちのバンドをちゃんと見直す機会になりました。

──この2曲を選んだ理由はなんでしょうか?

Yosh 「If You Really Want To」はライブでも演奏している曲です。「I Guess I Won't Tell」はこれがSurvive Said The Prophetですよっていうのを伝えたくて、このスプリット用に作りました。歌を大事にしたいので、聴かせたい部分は、通常だったらギター2本のところを1本にしてみたりとか落とすところまで落としました。歌詞は最初と最後がまったく同じで、直訳すると「目をつぶって言いたい気持ちを心に留め、紙に書いた唯一のI love youっていう言葉を自分のペンで消した」。自分の表現の仕方は音楽でしかないんだって改めて気付けた曲です。

──ほかのバンドの曲を聴いてどうでした?

AG やっぱりみんな、とんでもないものを入れてきたなって。

Ryo 勝負仕掛けてきたなーってね。

Victor さっき言った「こうきたか!」っていう。

AG みんな自分たちのいいところが出てる感じですね。

4バンドで回るツアー

──2015年1月には4バンドで回るツアー「REDLINE RIOT TOUR 2015」もありますね。

Yosh ツアーからお互いのクリティカルな話も始まっていくと思うんですよ。今は作品での完璧な状態しかわからないんで。ライブをやったら「音源通りじゃねえぞ」みたいなことが出てきて、打ち上げでお酒が進むほど「ダメなんだよ、それは」ってなっていくんじゃないかな。それくらいのグルーヴが出て、ツアー中にそれをちゃんと自分なりに飲み込んでいくって考えると、ツアーファイナルが楽しみです。

Yosh(Survive Said The Prophet)

Victor そうだね。

Yosh 一緒に旅して作り上げた作品っていうか。

──全箇所この4バンドで回るんですもんね。

AG 一緒にメシ食って、一緒のホテル泊まって。

Victor 一緒にお風呂入って(笑)。どんな面白いことが起こるかなー。絶対事件起きるでしょ。

AG 4バンドで回るってなかなかないもんね。

Yosh おそらくですけど、このツアーでフィーチャリングし合うんじゃないかな。せっかくこういうふうに集まってるし。

一同 おお!

AG 楽しそう!

Yosh 実はお願いしようと思ってたの。

AG みんないらない緊張するだろうね(笑)。

Victor そういうのも楽しみたいね。

スプリットアルバム「REDLINE RIOT!!」 / 2014年12月10日発売 / 1944円 / REDLINE RECORDS /RIOT-1001
「REDLINE RIOT!!」
収録曲 / アーティスト
  1. Oblivion / NOISEMAKER
  2. Martrix / Crystal Lake
  3. Perfect Duty / wrong city
  4. I Guess I won't Tell / Survive Said The Prophet
  5. Horizon / NOISEMAKER
  6. My Shape / wrong city
  7. If You Really Want You / Survive Said The Prophet
  8. Light Up The Tunnel / Crystal Lake
REDLINE & TOWER RECORDS presents
「REDLINE RIOT TOUR 2015」
  • 2015年1月10日(土)北海道 BESSIE HALL
  • 2015年1月12日(月・祝)宮城県 HooK SENDAI
  • 2015年1月16日(金)福岡県 Queblick
  • 2015年1月18日(日)広島県 ナミキジャンクション
  • 2015年1月23日(金)愛知県 APOLLO BASE
  • 2015年1月25日(日)大阪府 Shangri-La
  • 2015年1月27日(火)東京都 LIQUIDROOM

<出演者>
Crystal Lake / NOISEMAKER / Survive Said The Prophet / wrong city

一般発売日:12月6日(土)

Crystal Lake(クリスタルレイク)

2002年に結成されたバンド。2006年に1stアルバム「DIMENSION」、2010年に2ndアルバム「INTO THE GREAT BEYOND」をリリースしたのちメンバーの脱加入を経てShinya Hori(G)、Ryo Kinoshita(Vo)、Yudai Miyamoto(G)、Yasuyuki Kotaka(B)の4人にサポートドラマーを迎えた現体制となる。2014年8月にリリースした7曲入りCD「CUBES」ではCrossfaithのKenta Koie(Vo)やNUMBのSENTA(Vo)とコラボし話題を集めた。ハードコアやメタルコアの要素を軸にした重厚なサウンドと、迫力あるライブパフォーマンスを武器に、国内外で人気を博している。同年12月、タワーレコード限定発売のスプリットアルバム「REDLINE RIOT!!」に参加。

NOISEMAKER(ノイズメイカー)

AG(Vo)、HIDE(G)、YU-KI(B)、UTA(Dr)からなる4人組バンド。シャウトやラップを織り交ぜたキャッチーなメロディと、重厚なサウンドで観客を魅了する。2012年11月にはDAISHI DANCEのアルバム「WONDER Tourism」にコラボ曲「NEW GATE feat.NOISEMAKER 」が収録され話題を集めた。2014年6月にはPIZZA OF DEATH RECORDS主催のライブイベント「SATANIC CARNIVAL'14」に出演し、同年12月にはタワーレコード限定発売のスプリットアルバム「REDLINE RIOT!!」に参加。2015年春にはA-Sketchよりメジャー移籍第一弾作品をリリースする。

Survive Said The Prophet(サバイブセッドザプロフェット)

Takuya Suzuki(G)、Yosh Morita(Vo)、Yudai Kato(B)、Sho Okada(Dr)、Ivan Kwong(G)からなる5人組バンド。2012年5月に4曲入りCD「Survive Said The Prophet -EP-」を自主制作でリリースし、完成度の高さで注目を浴びる。2014年、Crystal Lake、NOISEMAKER、wrong cityとともに発表するスプリットアルバム「REDLINE RIOT!!」にて待望の全国流通を果たす。バンド結成直後から台湾や香港、シンガポールなど海外でのライブ出演を積極的に行い、その音楽性は海外でも高く評価されている。

wrong city(ロングシティ)

2012年に結成された4人組ロックバンド。アメリカ人と日本人のハーフであるVictor(Vo, G)のメロディセンスと、さまざまなバックグラウンドを取り入れた精緻な演奏を武器に、ラウドシーンを中心にファンを増やしている。2013年12月の1stミニアルバム「Life as a Ghost」リリースを経て、2014年8月に1stアルバム「Induction Of Otherside」を発表した。同年8月をもってjorge(Dr)が脱退し、その後新ドラマーとして元tricotのkomakiが加入。Victor、Onoshit(G)、Atsushi(B)、komakiの4人で活動している。同年12月、タワーレコード限定発売のスプリットアルバム「REDLINE RIOT!!」に参加。