ナタリー PowerPush - REDEMPTION 97

1stアルバム完成インタビュー&Tsuda×安孫子(銀杏BOYZ)ベーシスト対談

パンクは他のロックとは違う特殊なもの

──お2人とも、スタートはやっぱりパンクなんですね。

安孫子 やっぱパンクの影響はデカイです。あの、パンクの話も聞きたいんですが。Tsudaさんはおいくつなんですか?

Tsuda 今ね、42歳。

安孫子 あ、約10歳上なんだ。僕、来年32なんで。最初に衝撃を受けた音楽って?

Tsuda アナーキーかな。あと地元は山口の下関市ってとこなんだけどバンドは九州の人とやってたからルースターズとかモッズとか。そこからSEX PISTOLSやTHE CLASH。音楽が盛んな土地だから、友達だったり友達の兄ちゃんだったりからパンクロックを編集したカセットテープが回ってくるの。アビちゃんは?

インタビュー写真

安孫子 僕は「イカ天」からですかね。そこから広がって洋楽のロックを聴こうとするんですが、山形は何もなかったんで。ロックが好きな友達もいないし、CD屋にも洋楽はDURAN DURANとかDEF LEPPARDとかしかない(笑)。で、中1の頃に東京に行ってた従兄が自分で編集したカセットテープくれて。それにSEX PISTOLSから始まる一連のパンクが入ってて「コレだ!」って。とにかく何もない田舎で不良文化も全然なくて。僕、グレてなかったんで。あの、Tsudaさんは、おっかない不良少年だったんですか?(笑)

Tsuda そんなことはないです(笑)。ただね、やっぱ時代のせいか土地柄のせいか、ライブハウスに行ったらいかつい奴が多かったし、すごくピリピリして怖かった。

安孫子 僕は逆にライブハウスが怖いって印象は、あんまり持ったことはないんですよ。

Tsuda ああ、そうかもね。昔のライブハウスは怖かったけど、アビちゃんの頃になると怖くなくなってたよね。

──でもゴイステのライブはすごくピリピリしてたと思うんだけど。

安孫子 してましたねー(笑)。もしかしたら、Tsudaさん達の時代やパンクが生まれた時代への憧れが、心の中にあったのかもしれない。なんかやっぱりパンクって他のロックとは違う特殊なものだったし、特殊でもいいってことがパンクっていうか。得体の知れない雰囲気に対して、たぶん憧れがあったんですよね。

高2で初めてツアーに行った

安孫子 Tsudaさんはハードコアもリアルタイムですよね?

Tsuda そうそう。アナーキー聴いて初期パンクにさかのぼるんだけど、その時期にリアルタイムで出てきたのがDISCHARGEとかのハードコアパンク。

安孫子 そりゃ、より刺激的なものに行きますよね。

Tsuda うん、速いほう速いほうへ。それでハードコアのバンドやって。本格的なバンドはそのバンドが初めてだったんだけど。

安孫子 AGGRESSIVE DOGSですよね?

Tsuda うん、そう。

──Tsudaさん、当時すごく若かったですよね?

Tsuda 高校生だった。高2で初めてツアーに行って。

安孫子 うわっ、すごい。

Tsuda ドッグスでの経験は大きいですよね。情報源とか今より全然少ない時代だけど、ツアーをやるとハードコアのバンドは全国でつながってる感じがあったし。でも東京のハードコアパンクバンドは怖かったなー。

ただ舐められたくなくてピリピリしてた

安孫子 あの、僕ゴイステの頃にパッと周りが盛り上がったんですけど、でもそんなの絶対にウソだって思ってて、絶対に笑ったりしなかったんです。周りは敵だって感じで。

Tsuda 俺もハードコアの頃は若かったしピリピリしてたよ。でもKEMURI始めて笑いながらやれるようなライブもあるんだなって思ったよ。ピリピリしてるだけじゃしょうがないからね。

安孫子 そうそう。意味ないですからね。牙むける相手がハッキリしてたわけでもないし、大変な境遇で苦労して育ってきたわけでもない。どこに牙むけていいかわからない、怒る理由がないってことがイライラの理由だったんでしょうね。ただ舐められたくなくてピリピリしてただけで。

Tsuda そうだね。別に社会に対して怒ってたわけじゃなかったしね。ただただ理由もなく牙むいてたっていう。まあ必死でしたよ、若い頃は。今も必死だけど(笑)。……なんかこうやって話してて、いろんなこと思い出したよ。

──でもスタイルは変わっても、お2人の中にはパンク魂がまだまだありそうですね。

Tsuda 声高に「俺はパンクだ」なんて全然言えないですけど、でもパンクはやっぱり好きですよ。

安孫子 スタイルは変わってもパンクは自分の中にあってほしいです。ていうか、やっぱり大好きですし。

Tsuda 純粋なパンクバンドやってるわけじゃないんで偉そうなことは言えないけど、でも常に自分の中にはありますね。むしろ若い頃より、こう、自然にパンクが心にある気もするし。

安孫子 うんうん。60代になってもシンガロングさせてたらカッコイイですよね(笑)。

Tsuda U.K.SUBSとかね。60歳越えてるもんね。今年の来日は行けなかったけど去年は行って。なんか今年は西荻でスタジオライブやったらしいね。すげえ良かったって。

安孫子 わあ、それすごい! 観たかったですね。

──じゃあ来年あたり、U.K.SUBSに負けないライブをツーマンでぜひ。

Tsuda安孫子 ぜひ!

インタビュー写真

ニューアルバム『Precious Songs』 / 2009年11月18日発売 / 2625円(税込) / TV-FREAK RECORDS / TV-102

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CD収録曲
  1. Crisis To Exist
  2. Stand Up Now
  3. Precious Thing
  4. Begin To Move
  5. Do The Right Thing
  6. Boots On The Hard Road
  7. Wrong History
  8. Time Killer
  9. Don't Go Back
  10. A Dance & A Beer
  11. Say Thanks
  12. I Won't Fall Down
  13. Good Friends Good Music
REDEMPTION 97
(りでんぷしょんないんてぃせぶん)

Ryoji(Vo / RYOJI & THE LAST CHORDS、ex.POTSHOT)、Tsuda(B / ex.KEMURI)、Ryoma(G / ex.Last Target)、Yuji Shimoda(Tb / ex.KEMURI)、Yoshio Taniguchi(Key)から成る6人組スカパンクバンド。2008年結成。バンド名はスカパンク界の重鎮マイク・パーク(Asian Man Records)が命名。2009年4月に初音源「Good Friends Good Music」、同年11月に待望の1stフルアルバム「Precious Songs」をリリースした。

安孫子真哉(あびこしんや)

1978年山形県生まれ。銀杏BOYZベース担当。2003年にGOING STEADY解散後、銀杏BOYZに加入。これまでにフルアルバム2枚、シングル3枚、ドキュメント映像作品1枚を発表。12月2日には4枚目となる最新シングル「ボーイズ・オン・ザ・ラン」を発売。現在新作アルバムを制作中。