初めてメインメンバー入りを果たした永瀬&市原
──今回のセレクション期間中に、新野さんはキャプテンに就任されました。
永瀬真梨 私は前から言っていました! 「もしRain Treeにキャプテンができるなら、ふうちゃん(新野)しかいない!」って(笑)。
──確かに、外から見ていても、もしキャプテンを決めるなら新野さんだろうなという印象が強かったです。
新野 ありがとうございます。うれしいです。ファンの方からも同じように言っていただいたので、その期待に応えたいと思っています。キャプテンになったからといって、特別に何かを変えようとは思っていませんが、フリーライブの動員目標を達成することは、キャプテンとして最初に与えられたミッションだと思っていました。だからこそ、どうすれば達成できるかをすごく考えましたし、それはプレッシャーでもありましたね。
──永瀬さんと市原さんはセレクションを経て、初めてメインメンバーに選ばれました。
永瀬 私はこのフリーライブ期間、本当にたくさんのチャンスをいただきました。今、1stのメインメンバーだった加藤柊ちゃんがお休みしているんですけど、その代わりに「I L U」のパフォーマンスに参加させていただいたり、カバー曲のセンターを務めさせてもらったり。だからこそ、「ここで結果を出さなかったら、次に選ばれるのはずっと先かもしれない」と思っていて。このチャンスは絶対につかみたいという気持ちで臨みました。でも、審査されているという意識はあまりなくて。目の前にお客さんがいて、来てくださった方に元気を届けることのほうが大事だと思っていました。毎回同じ楽曲を披露する中で、「どうしたらファンの方が前回とは違う楽しみ方をしてくれるか」を考えるようにしていたので、それが評価されたことは本当にうれしかったです。
市原紬希 私も永瀬と同じで、今回カバー曲のセンターを務めさせていただきました。ポジション発表のときは「自分は選ばれないんじゃないか」と不安でいっぱいで。自信をなくしていたときもありました。だからこそ、このチャンスをいただけたことが本当にうれしかったです。自分の課題は“全部”なんです。歌もダンスも、そして表情も。特に私は表情が硬く見えてしまうところがあって、「自信がなさそう」と言われることもありました。だから今回は「絶対に楽しんでやる!」という気持ちでライブに臨みました。結果的にメインメンバーに選んでいただけたことで、少し自信にもつながりましたし、パフォーマンス力で評価してもらえたのがすごくうれしかったです。
──市原さんはセレクション期間中に体調を崩してしまったそうですね。
市原 私はプレッシャーに弱くて、「セレクション中だ」と意識するとパフォーマンス中に振りが飛んじゃいそうになるタイプなんです(笑)。だから審査とは考えず、“本気で楽しむ”ことを心がけていました。6回あったフリーライブのうち、5回目までは本当に楽しくて、「楽しすぎてヤバい!」と思っていたくらいなんですけど、最終日のららぽーと立川立飛では700人動員という目標を掲げていたこともあって、少しプレッシャーを感じてしまって。体調を崩してしまい、100%楽しめなかったのが心残りです。でも、それまでの5回分で120%、いや150%くらいの力でがんばれたと思うので、その積み重ねが今回の結果につながったのかなと感じています。
綾瀬 フリーライブが審査の場ということで、私は精神的な負担はあまり感じていませんでした。というのも、メンバー全員で目標を立てて、その達成に向けてがんばっていたので、私の中では「セレクションに挑む」というより、「みんなで目標を実現する」という意識のほうが強かったんですよね。その過程で、パフォーマンスに対する考え方や活動への向き合い方が変わったし、いろいろ考えるきっかけになりました。
──綾瀬さんは1stシングル、2ndシングルに続いて今回が3度目のセンターとなります。これまでと気持ちの変化はありましたか?
綾瀬 はい。いい方向に変わったと思います。1stのときは「なんで自分がセンターなんだろう」「私でいいのかな」というプレッシャーを感じていて。正直、少しマイナスに考えてしまうこともありました。でも今回は、「任せてもらえたからには、このポジションをしっかり務めよう」という前向きな気持ちで臨めたんです。そういう意味では、自信が少しずつ付いてきたのかなと思います。
──その自信というのは、やはり経験を通して積み上がってきたものですか?
綾瀬 そうですね。最近はフリーライブをきっかけにRain Treeのことを知ってくださる方が増えたことがうれしくて。センターだからということは関係なく、「このグループをもっと盛り上げたい」という気持ちが強いです。
これまでにないアイドルの冬ソング
──3rdデジタルシングル「好きだよとどっちが先に言うのか?」は、互いに思い合いながらも卒業を前に告白できない2人のもどかしさを描いた、さわやかな青春ラブソングです。
鈴野 私はもともと“キャピキャピ系”の性格なので(笑)、「つまり」に参加したときは、少し大人っぽい雰囲気に合わせるのが難しくて。ダンスの先生にも「もう少し落ち着いて」「お姉さんっぽくしよう」と何度も言われました。それに、私が習ってきたダンスがヒップホップ系で、止めの動きが多いタイプだったので「もっと滑らかに」と言われることも多くてすごく苦戦しました。でも3rdは、1stと2ndの中間のような振付で、私の得意な系統に近いんです。「好きだよとどっちが先に言うのか?」は、キュートさとメリハリのある動きが共存していて、私らしさを出せる振付かなと思っているので、振り入れのときからうれしかったです。だからこそ“絶対に上手に歌いたい”という気持ちも強いです。今回は歌割りを多くいただいているので、聴いてくださる方の心を動かせるように、丁寧に歌いたいです。
橋本 「好きだよとどっちが先に言うのか?」は、“両片思い”の男女がどっちが先に好きと言うのかを、意地を張りながら探り合うラブソングで。タイトルに「どっちが先に言うのか?」という疑問形が入っていますが、振付でもその“どっちなの?”という駆け引きを手の動きや体の角度で表現しているんです。サビの部分では、体全体で“好き”という気持ちを表すような振りが入っていて、とても印象的です。全体的にはかわいらしいけれど動きは意外と大きくて、恋のドキドキ感や胸がキュンとする瞬間を全身で表現している感じですね。衣装もかわいくて、振付と連動して動くたびにひらひらと揺れるんですよ。ダンスと衣装の一体感も見どころなので、ぜひそこにも注目してほしいです。
市原 この曲は季節感が表れていて、歌詞にも季語のような言葉が入っているんです。聴いた瞬間に情景が浮かびますし、ストレートに気持ちが伝わる楽曲だなと思いました。そして今回、人生で初めてソロパートをいただけたんです! それがもう本当にうれしくて、スタッフさんからそのお話を聞いたときは舞い上がっちゃいました(笑)。この曲はRain Treeらしい世界観で、グループの今をそのまま表していると思います。だからこそ、たくさんの方に聴いてもらいたいですし、ソロパートではちゃんと感情を込めて、聴く人の心を動かしたいです。
──ソロパート、気合い入りましたか?
市原 もちろんです! めちゃくちゃ練習しました(笑)。「ここを歌いたいな」と思っていた部分だったので、本当にうれしかったです。自分の声で少しでも感動してもらえたらいいな。
永瀬 「好きだよとどっちが先に言うのか?」は、曲の壮大さもすごいんです。イントロのピアノが繊細な音色で、静かに始まるんですけど、そこから一気にバーンと広がるような展開で。この“始まりの高揚感”をステージでどう出せるかを意識したいなと思いました。あとサウンド自体はさわやかですが、歌詞の世界観は“冬”がテーマなんですね。冬の曲なのに、冬っぽいサウンドじゃないというのが新鮮で。これまでにないアイドルの冬ソングとして多くの人に聴いてもらいたいです。
遠藤 ぜひMVにも注目してほしいです!
1周年記念ライブに向けて、勢いを落とさずに突き進みたい
──来年2月1日にはデビュー1周年を記念した1stワンマンライブが開催されます。フリーライブでは目標の700人を超える観客を集めましたし、着実にファンを増やしている実感があるのではないでしょうか?
綾瀬 そうですね。フリーライブ期間中にたくさんの方にRain Treeを知っていただけたので、この流れに乗って、さらに大きな波を作っていけるようにがんばりたいです。リリースイベント期間も続きますし、1周年ライブに向けて、勢いを落とさずに突き進みたいと思います。
──ファンをさらに増やしていくために、今グループとして意識して取り組んでいることはありますか?
橋本 SNSはやっぱり大きいですね。「つまり」のときもそうだったんですけど、楽曲がリリースされたタイミングで、メンバーみんなでTikTokに動画を上げるようにしています。「どういう投稿をしたら楽曲の魅力が伝わるか」「どんなハッシュタグを付けたら広がるか」ということを、メンバー同士で話し合いながら決めています。それから特典会の内容も、例えば撮影会やハイタッチ会をフリーライブ期間中に導入したりして、来るたびに違う楽しさがあるように工夫しています。実際に、特典会の動画がSNSでバズって、それをきっかけに会いに来てくださった方も多くて。そういう反響を見ると、「ちゃんと届いているんだな」と実感します。フリーライブのたびに、今しかできない特典や参加したくなるキャンペーンを考えて、運営さんと一緒にアイデアを出し合いながら実践していました。
──この3rdシングルの期間でも、そうした動きは続けていくんですか?
橋本 はい。前作のときにフリーライブを通していろんな新しい施策に挑戦できたので、「うまくいったことは次でも続けたいね」という話はメンバー内でもしています。それに加えて、ファンの方から「こんな特典会があったらうれしい」という意見を直接いただくことも多くて、そうした声をスタッフさんに伝えてみたり。実際にOKが出たものは積極的に取り入れていくようにしています。なので、この3rdの期間も新しい試みをどんどん増やして、常にアップデートしていけたらなって。
──実際に手応えとして、グループの成長を実感できているのではないでしょうか。
橋本 SNSの使い方1つとっても、メンバーそれぞれが工夫するようになって、投稿の内容やタイミングを意識することで反応が多くなっている実感があります。みんなが自発的に考えて動くようになっていて、それがすごく頼もしいですし、グループ全体としての成長を感じますね。この勢いを止めずに、さらに加速させていきたいです。
プロフィール
Rain Tree(レインツリー)
秋元康が総合プロデュースを手がけるガールズグループ。2023年4月より約半年間にわたって行われた「IDOL3.0 PROJECT」オーディションにおいて、最終審査に落ちた17名によって結成された。最終審査に合格したメンバー11名が2024年12月にWHITE SCORPIONとしてデビューした一方、落選した17名はFINALISTという名義で下積みを重ね、2024年10月、Rain Treeとして待望のデビューが決まったことが発表された。2025年1月に1stデジタルシングル「I L U」を配信リリース。10月に3作目のデジタルシングル「好きだよとどっちが先に言うのか?」を発表した。




