NARUTO世代のQyotoが作る「BORUTO」オープニングテーマ
──今回のシングルも「おっ!」と思うポイントはたくさんありましたよ。「It's all in the game」のイントロでギターがいきなりガツンとくるところからして。
KENSUKE 今まさに言っていただいた通り、イントロを聴いた瞬間に「おっ!」となってくれるのが理想的で、欲しい反応やったんですよ。そう思ってもらえることを目指して、全員でアイデアを出し合いました。
TSUCHIYA ギタリストだけが考えるわけじゃなく、メンバーみんなでね。「BORUTO-ボルト-」のオープニングとしてテレビから流れるのを考えて、頭にどんな音が鳴れば最高なのか。それを探すっていう。
HIROKI アニメのオープニングらしさと言うか、「これから始まるぞ!」みたいなワクワク感は演出したかったです。
中園 イントロ以外だと、サビ前のテンポダウンはあれやこれや悩んでたどり着いた感じです。結果、サビ頭にインパクトが持たせられたと思います。歌詞も自分たちの心情を「BORUTO-ボルト-」にどう絡ませるかがカギで、現役大学生で新人バンドっていうQyotoの境遇と、ボルトが大人へなっていく途中の物語。そこに共通項がある気がして、ボルトの成長に僕らを重ねて書いてみました。
HIROKI 勇樹と僕で考えたフレーズをはめ込んでいって。
──「螺旋階段」が螺旋丸(ボルトやその父であるナルトが劇中で使う忍術)をイメージさせたり、「憧れの影」が強い忍のことを指してたり、原作のファンもグッとくると思います。
HIROKI アニメのオープニングムービーを観たとき、うれしかったよね? 「『憧れの影』のところでサスケ様が映ったよお!」って大興奮でした(笑)。
RYOTA. ヤバかったです。僕らは「NARUTO -ナルト-」からどっぷりハマってる世代なんで。
HIROKI 小学生くらいのとき、夕方にアニメを放送してたもんね。
中園 思い入れが深い。ちなみに「螺旋階段のような日々に迷って」は僕が書いてて、「行き止まりばかりの交差点の向かいで」はHIROKIが書いてるんですけど、もちろん「BORUTO-ボルト-」をイメージしつつ、繰り返しみたいな毎日の中で何かを見つけたい気持ちがにじみ出たと言うかね。
HIROKI 若いゆえの、どこか悩んでる感じだよね。たまたまフレーズがそろったようになりました。ボルトも子供で、やれることが限られてるじゃないですか。まだまだ不自由な状態。でも、自由になりたい。それは僕らもそうで、僕も勇樹も歌詞にしたかったんだと思います。
中園 「光れ僕ら青春」で爆発させる感じですね。英詞が直前に付くことによって、その部分がうまく映えたんじゃないかと。
HIROKI サビでは「たとえ人生がすべてゲームだとしても、僕たちの青春は輝くものでありたい」っていうことを歌いたかったんです。「BORUTO-ボルト-」はアニメでフィクションだけど、それでもボルトは輝いてるみたいな。そう掛けてもいますね。
絶妙なアンサンブルの作り方
──カップリングの「君と僕とアクロス・ザ・ユニバース」はThe Beatlesの曲名からですよね?
HIROKI そうです。The Beatlesの「Across the Universe」ってけっこうナイーブな曲だけど、それを逆手に取るみたいなイメージで。むしろポジティブに捉えるという意味合いで歌詞の世界観を考えていきました。で、やっぱり僕と勇樹の書くことは見事なまでに似てくる(笑)。メロディを聴いて浮かべる情景が近いのかも。
中園 かもね。「空模様」「雨模様」とか、描く対象がほとんど同じだったりする。このサビも独特の歌い回しなんですけど、試行錯誤の末にこうなりました。
HIROKI もう慣れたけど、難しさあったなあ。
KENSUKE 歌詞もそうやし、アレンジも自然とまとまっていくよね。たとえば僕が3日かけて考えたフレーズでも、TAKUYAがその場でいいアイデアを出してきたら「そっちにしよう!」ってなるんです。そのマインドは全員にあると思います。
──そのぐらいじゃないと、Qyotoのアンサンブルって成立しないんでしょうね。
RYOTA. そうなんですよー、めちゃめちゃ大変!
TSUCHIYA バイオリンの音を潰さないようにとか、ユニゾンを増やしたりとか。「It's all in the game」のイントロも、ギターだけだとピンとこないんですよ。ベースとギターが一緒に鳴って初めて「これだ!」と思える。
KENSUKE 実際やってみて、聞こえ方がぜんぜん変わったんだよね!
TAKUYA わかりやすいところだと、「君と僕とアクロス・ザ・ユニバース」のAメロもだよね。ギター単体で聴いたら「なんじゃこれ?」ってなるし、ドラムだけだってそうやな。合わさって見えてくる感じですね。
RYOTA. 確かに、あれこそアンサンブルだね。あの1番のAメロは大好きだし、集中力のいる部分でもあります。僕がやってることはね、ピアノで小節頭を弾いてるだけなんですけども。
KENSUKE いやいや、あそこでRYOTA.が埋めてくれてる音ってすごく重要なのよ。
TSUCHIYA さっきのベースとギターがないとダメなのと同じよな。あそこはギターがメインで鳴ってるんですけど、よく聴くとピアノが下を作ってくれてるから、RYOTA.がいないと成り立たない。
RYOTA. ライブでは特に神経使うね。ギターかドラムかボーカルか、どこに合わせるのかがその時々で変わったりもします。
6人が思う“Qyotoらしさ”とは
──Qyotoらしい音というのが、自分たちでわかってきてる感じあるんじゃないですか?
RYOTA. うーん、まだまだです(笑)。
TSUCHIYA さわやかさを感じるサウンドってのは意識してるよね。
HIROKI アコギとバイオリンとキーボードが高い部分を弾いて。
──アコギも今回かなり目立ってると思いました。
TSUCHIYA そうですね。「君と僕とアクロス・ザ・ユニバース」の間奏はあえてアコギにしました。普通はエレキでソロを弾きそうなところを、Qyotoのさわやかさ、それこそ前作の「太陽もひとりぼっち」のさわやかさもイメージして。
HIROKI やっぱり「なんで?」っていう大胆な仕掛けはしたいよね。
KENSUKE 逆にドラムはどっしりと言うか。「It's all in the game」みたいな、激しいギターに超シンプルなドラムが入ってるのが好きなんですよ。極端に言えば、8ビートがカッコよかったらOK。
TSUCHIYA Led Zeppelinっぽい感じね。
KENSUKE そうそう。「僕の聴いてきた音楽がまさかここで生きるとは!」ってのが、今回すごく新鮮だったことかも(笑)。
TAKUYA でもまあ、「It's all in the game」はあの「ジャジャジャジャッ」が3カ所出てくるけど、全部リズムが変わるやん。そういう飽きさせないポイントはありますね。
中園 こんだけハードロックな感じが出ると、そりゃあボーカルもハイトーンになりますよね(笑)。今回はかなり高いんで、カラオケで歌ってみてほしいです。
HIROKI うん。Qyotoのボーカルのすごさが伝わるんじゃないかと思います。
- Qyoto「It's all in the game」
- 2018年7月11日発売 / アリオラジャパン
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初回限定盤 [CD+DVD]
1500円 / BVCL-891~2 -
通常盤 [CD]
1100円 / BVCL-893 -
期間生産限定盤 [CD]
1300円 / BVCL-894
- CD収録曲
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- It's all in the game
- 君と僕とアクロス・ザ・ユニバース
- 太陽もひとりぼっち -Special Acoustic ver.-
- It's all in the game -Instrumental-
- 初回限定盤DVD収録内容
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- 「It's all in the game」 MUSIC VIDEO
- 「太陽もひとりぼっち directed by 大河臣」 MUSIC VIDEO
- Qyoto road to Qingdom “生誕1周年”
ファンミーティング -
2018年8月22日(水)大阪府 ヒルズパン工場
- Qyoto(キョウト)
- 中園勇樹(Vo)、HIROKI(Violin)、TSUCHIYA(G)、TAKUYA(B)、KENSUKE(Dr)、RYOTA.(Key, Sax)の6人からなる京都出身のバンド。京都市内でストリートライブを行っていた中園に、HIROKIが声をかけ2016年に結成された。2017年8月にフジテレビ系ノイタミナ枠のアニメ「DIVE!!」のオープニングテーマ「太陽もひとりぼっち」でデビューを果たした。2018年7月にはテレビ東京系アニメ「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」のオープニングテーマ「It's all in the game」と、ドラマ「はんなりギロリの頼子さん」の主題歌「君と僕とアクロス・ザ・ユニバース」を収めた2ndシングルをリリースした。