ナタリー PowerPush - Prague

“シーンの反逆者”を目指す3人が放つ待望の1stアルバム「Perspective」

僕らは音楽シーンの中の反逆者になればいい

──「Greedy Rhythm」で鈴木さんが言った時代感という話を、もうちょっと詳しく聴きたいんですけれども。この曲はPragueというバンドの貪欲さを歌った曲ですよね。それは今の時代性、24歳という世代感とどうリンクしているんでしょう?

鈴木 単純に「いろんなものがあるので、いろんなことがやりたくなるのが普通でしょう」という。それだけは絶対に間違ってないと思うし、今の時代の人達の考え方だと思う。その中で何か1つにターゲットを絞るという我慢強さも大事なのかもしれないですけれど。でもこの3人ではそれを我慢する必要はないなと思っているんです。どんどん吸収して吐き出せばいいという気持ちが書かれていて。でも、他の人達の考え方は僕らとは違うんですよね。デビューしてからも、周りのスタッフに言われる意見と自分たちの考えが食い違うことがあって。

──「要素を絞ったほうがシンプルでわかりやすいよ」というようなことを言われたり?

鈴木 そうですね。どういう言葉でカテゴライズしたいのかはわからないですけど。だったら、僕らは音楽シーンの中の反逆者、テロリストになればいいと思って。他の人がやらないことを、僕らは楽しんで全部やってやるという気持ちでやってますね。

──時代感で言うと「YouTube以降」というのがすごくしっくりくるんですよ。知識や元ネタの引き出しを持っていたほうが偉いという時代では最早なくて、その元ネタをクリック1回でゲットできるのが当たり前の前提になった世代。それが感性として、いろんなことをやりたくなるという欲求に結実するという。そういう感覚はしっくりきます?

鈴木 しっくりきますね。それも、Pragueだからこそというところにすごく意味があると思っていて。僕一人がギターとしてすごく頑張ってるわけじゃなくて、3人とも曲を作れるし、美しいと思える景色が同じだった。それが重要だと思うんです。いろんなことをやりたくなるのは当然だけど、それは俺らじゃないとできない。だからやるべきだなと思う。

現代っ子にしては珍しく、野性的なパワーを信じてる

──そこがロックバンドとしての落とし前のつけ方ですよね。Pragueはやっぱり人力でグルーヴを生み出しているわけだから。そうするとドラムのワンショットをどう叩くかとか、ベースをどう弾くかとか、そういうところを追求せざるを得ない。

金野 それはもう絶対条件ですね。野性的なものにはこだわっている。今時の現代っ子にしては珍しく、そういうものが生むパワーを信じているんですよ(笑)。ロックバンドの持つ力のようなものを。YouTube以降という話はわかりますけれど、それを素直に受け止めてるだけじゃない。その一歩先を常に考えてるんですよね。ロックバンドの力で、落とし前をつけるという。

伊東 楽器は打ち込みでは出せないニュアンスを与えてくれるし、自分のそのときどきの気持ちとシンクロする。そういう生々しさは一生追い求めても悪くないなって思いますからね。こういう時代にこういうバンドをやってるのも、一匹狼的な部分は感じてるんですけれど、すごく楽しめてるんですよ。

──楽しむという感覚も世代感とリンクしている気がするんです。楽しむと言っても無邪気なものじゃない。ややこしい世の中だ、という前提があった上で、そこへの立ち向かい方やサバイバルの方法として“楽しむ”というやり方を提示しているというか。そういうものが楽曲の雰囲気ににじみ出ている気もするんですけれど。

鈴木 そうですね。なんせ、こういう音楽をやってるんで、考え過ぎたらおしまいなんですよ(笑)。僕は全部楽しんでやりたいですね。苦しいということすら楽しいと思えるというか。それが一番大事かと思います。

──その感覚って、一番シンプルに共有することのできる感覚でもありますよね。「音楽を鳴らしている瞬間は楽しい」という。

鈴木 それくらい、原始的なものなのかもしれないですね。

金野 すごく素直に正直に、真摯に音楽をやっているという自信はあるんですよ。嘘は何ひとつなく、純粋に音楽の力を信じてやっている。生身で立ち向かってるんで。

──そういう生々しさは聴き手に伝わる原動力になるでしょうね。

鈴木 絶対、なると思いますね。こういうことをやっていいんだという、勇気を与えられたらいいなと思います。

1stフルアルバム「Perspective」 / 2010年7月14日発売 / 3059円(税込) / Ki/oon Records / KSCL-1606

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CD収録曲
  1. Greedy Rhythm
  2. Light Infection
  3. Roam
  4. 遮光
  5. バタフライ
  6. 曇りのち -Interlude-
  7. 日照り雨
  8. Distort
  9. Negai
  10. 流転
  11. Impudent -Interlude-
  12. Stance
  13. シェイカーラブ
  14. 夜半に問う今
  15. Slow Down
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Prague(ぷらは)

鈴木雄太(Vo,G)、伊東賢佑(Dr)、金野倫仁(B)による関東出身のスリーピースバンド。同じ高校で3年間同じクラス、軽音楽部、プライベートも一緒にいた腐れ縁の鈴木雄太と伊東賢佑の2人が、同じ音楽専門学校に進み、2006年に金野倫仁と出会って結成。自主制作盤を2枚出したところでレコード会社の目にとまる。2009年9月9日シングル「Slow Down」でキューンレコードよりメジャーデビュー。