海辺でのライブは生の波音に感激
──YogeeのMVには海や空がたびたび登場しますが、海をバックにライブを行ってみていかがでしたか?
角舘 海をバックにしたライブは結成当初からやりたいと思っていて、実は去年の「森、道、市場」(愛知で行われる野外ライブイベント)で実現したんです。今日はそのときとは違う美しさがある海の風景にグッと来ました。
竹村 すごくきれいだったよね。
角舘 今日のロケーションは楽器を弾きたくなりましたね。
──角舘さんと竹村さんはずっとセッションしていましたよね。
竹村 もう気持ちよくて。ずっと演奏していたかったです。
上野 僕らはSEで波の音を流して演奏を始めることがよくあるんですけど、SEじゃなくて生の波の音をバックに演奏できたことがうれしかったですね。「僕らがやりたかったことはこれだったんだ!」と思いました(笑)。
角舘 そうだね。海に囲まれている感じのステージで、波音が常に耳に入ってきてリラックスできました。
これをどう感じるのかはあなた次第だぜ
──皆さんが「CAN YOU FEEL IT」で伝えたいメッセージはなんですか?
角舘 昔はいろいろと伝えたいことがあったんですけど、この前アジアでライブをして、海の向こうでも俺らの音楽を楽しんでくれている人たちがいることを目の当たりにしたら「音楽って説明をしなくても勝手にどこかに伝わっていくんだな」と改めて気付かされて。だから伝えたいことはタイトルの通り。俺らの音楽を聴いてくれた人が、その音楽を大事に思ってくれたらそれだけで俺らの音楽は報われているなあと思います。
──なるほど。先ほど「CAN YOU FEEL IT」は原型があって、それをタイアップが決まって形にしていったと話していましたが、そもそもこの曲の起点になったのはどんな感情だったんでしょうか?
角舘 音楽っていうのは、いつの時代も未知の感情を呼び起こしてくれるものだってことを歌いたかったんですよね。それが世代をまたいでつながっていく様子と言うか……あんまり説明しすぎるとアレだから言わないけど、そんな感じのことです。
粕谷 ほかの曲もそうだけど、この曲は特に聴き手に委ねているところが大きくて。だから好きなように感じてほしいし、ライブでも気取らずに踊ってほしいんです。健悟が言ったように「これをどう感じるのかはあなた次第だぜ」っていうメッセージが一番伝えたいことなんです。
角舘 自由に踊ろう。さすれば見える音楽の真理……みたいな感じかな。この曲は夏らしい曲にしたいという思いはあったんですけど、そこに“夢中さ”を入れたかった。だから今回はあえて直接的な夏らしいワードは入れませんでした。何かに夢中なときって、目の前のことしか見えないじゃないですか。砂浜とか海みたいな、わかりやすい夏の言葉が出てきた時点でちょっと夢中さが失われちゃうなと思ったので。
「CAN YOU FEEL IT」で踊ってほしい
──Yogeeは今年「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」など夏フェスにたくさん出ますが、「CAN YOU FEEL IT」はフェスの会場でも映えそうな曲ですよね。
上野 うん。やったほうが楽しいと思う。フェスっていろんな音楽があふれていて、いろんな音楽が好きで、いろんなダンスを踊る人が集まる場所でしょ。その会場で俺らがこの曲をやることから、何かを感じてもらいたいなと思っています。
角舘 俺らの音楽からにじみ出るメッセージを感じてもらえなければ俺らの力不足なわけだしね。
粕谷 そうだね。まあ僕らが言いたいことは、みんなに自由に踊ってもらいたいってこと。音楽がある場所で、自分なりの楽しみ方を見つけてほしい。今回のコラボがそういう場を盛り上げられるものになったらいいよね。
上野 今っていろんなカルチャーが分断している時代だと思うんですよね。いつの時代でもロックはマイノリティだという考え方もあるんですけど、僕はそれだけじゃつまらないと思っていて。学校や会社、いろんなところで悩んでうまくやれないことがあっても、音楽のもとに集まったときにはみんなで1つになれたらいいなと。いろんな音楽が集まるフェス会場ではもっとそこに多様性があるのが理想だと思うんです。音楽が持つ多様性みたいなものを僕らの音楽で表現できたらいいなと思っているので、今回のコラボではそういうことを伝えていきたいですね。
竹村 コラボの鍵になる「CAN YOU FEEL IT」はダンサブルな曲なので、フェス会場では一心不乱に踊ってほしいです。踊りがうまいやつがカッコいいわけじゃなくて、自分の好きな踊りを踊ってほしいんです。踊るのはほかの曲でもいいけど、それがこの曲だったら本望だなと思います。夢中で踊って、パッと耳に入ってきた言葉の断片が心に残ったらうれしいですね。
角舘 この曲は本当に無我夢中で踊ろうっていう感じだよね。人種も性別も年齢も職種も全部関係ないし、うまいヘタも関係ないんですよ。みんなそれぞれのダンスを踊れば、それで1つになれるから。昔からこう思っているけど、ここ最近は強くそういうことを思いますね。
2018年8月28日更新