Perfumeとしては今までしたことのない「フォウー!!」

──そして「ポリゴンウェイヴ」がテーマソングになっている、Perfumeもパネリストとして出演している番組「ザ・マスクド・シンガー」の配信がAmazon Prime Videoでスタートしました。この取材の時点ではまだ配信されてないので僕は観ていないんですが、プレミアイベントのレポート記事によると、収録は相当楽しかったみたいで（参照：Perfumeあ～ちゃんと大泉洋の掛け合いにも注目？アマプラ新バラエティ放送間近）。

あ～ちゃん　ナタリーさん写真上げすぎ！（笑）

かしゆか　55枚って、どうした？（笑）

のっち　「この記事の画像（全55件）」って書いてあって笑っちゃった（笑）。

かしゆか　同じ人たちの写真をそんなにいっぱい撮って、何か違いあった？（笑）

あ～ちゃん　イベントが終わった去り際の背中の写真まで撮ってて、かしゆかが後ろ髪を巻いてるのが写ってたから、それを見た読者さんから「これは貴重！ ナタリーさんグッジョブ！」とか書かれてて（笑）。あんな写真、親でも撮らんよ？

──それがナタリーというメディアなんです（笑）。

あ～ちゃん　そういえばそうでした。初心忘るべからずですね。勉強になります（笑）。

──番組では各界の著名人が正体を隠して歌唱力を競うわけですが、歌っているのはかなり豪華な顔ぶれだそうで。

あ～ちゃん　マジの大御所。「なんで出てくれたん？」っていうぐらいの方々ばかりです。

かしゆか　よくそのスケジュールを押さえられたなって、驚きですよ。

のっち　私たちは1カ月くらいかけて収録したんですけど、パフォーマーの皆さんはリハーサルとかでも時間を取られてたと思います。

かしゆか　なのに毎回必ず誰かが脱落していくという。

あ～ちゃん　投票するときに「脱落してほしくない！ もっとパフォーマンスを観たい！」っていう気持ちと「えっ？ 誰？ 顔が見たい……！」という気持ちがせめぎ合うんですよ。あれは面白いです。

──Perfumeがこういう番組にレギュラー出演するのはひさしぶりですよね。

かしゆか　でも“THE バラエティ”って感じでもなく音楽番組という面もあるから、ぜいたくなパフォーマンスをただただお客さんみたいに楽しませてもらってる感覚でした。ただ、もともと韓国発祥で、アメリカでも人気になってからの日本版なので、テンションをそっちに合わせないといけないんですよ。Perfumeとして「フォウー!!（大袈裟に手を叩きながら）」みたいなリアクションを今までしたことがないので（笑）、その雰囲気をつかむまではみんな探り探りでしたね。

あ～ちゃん　韓国でやってるときからこの番組のファンだったけど、大泉洋さんが司会だから出演を決めたところもありました。大泉さんめっちゃ面白いから、それを誰よりも早く観たいという気持ちもあって、お話をいただいたときはうれしくて二つ返事でOKしました。カメラが回ってないところでもずっと面白いんですよ（笑）。

──配信が始まるのを楽しみにしています。

かしゆか　私たちもまだ観てないんですよ。だから大泉さんとアンタッチャブル柴田さんが出ていた事前番組を観て「あ、こういう切り取り方をしてたんだ」って初めて知るという（笑）。

のっち　思ってた何倍もバラエティな感じになってたね（笑）。

あ～ちゃん　どんな感じになってるんだろう？ 緊張するね。何をしゃべったのかも覚えてないや。

のっち　全然わからなくて本当にとんちんかんな推理をしてるんで、皆さんお楽しみに（笑）。

みんなも「こうしてほしい」と思ってることがあったら、ぜひ訴えてきてほしい

──秋にはコンセプトライブ「Reframe」が初めてツアーとして5都市で開催されることが発表されました。先日のライブを観ても感じましたが、最近のPerfumeは、実験的な「Reframe」のパフォーマンスで培った技術をポップに変化させて通常のライブに取り込んでいるので、今後のPerfumeのライブがどうなっていくのか知る意味でも重要なツアーになるんだろうなと思います。

のっち　ツアーは今までと全然違う演目というわけではなく、ブラッシュアップ版のようなものになる予定です。「Reframe」は今まで東京でしかやっていなくて、映画館で上映したり動画サイトで配信したりはしたけど、生で観れた人は限られてるんです。でもやっぱり生で観てもらうのが一番伝わると思うし、きっと素敵な体験になるはずなので、生で観られなかった人たちにそれを届けに行こう、というのが今回のツアーです。この話はけっこう前から決まっていたので、ようやく実現できそうです。

──「Reframe」の初演は2018年ですが、全員着席して声を出さずにじっと観ているライブって、今の時代に即しているとも言えますよね。

かしゆか　偶然にもハマった形になって。2019年にLINE CUBE SHIBUYAで「Reframe」を8公演やったときには「これを常駐公演にして、世界中の人たちがいつでも観に来れるようにしたい」という未来を思い描いてたんですけど、こういう時代になって逆に「『Reframe』ならツアーでいろんなところに行けるんじゃないか？」という可能性を感じられたのでよかったです。

あ～ちゃん　だからといって「Reframe」でしかツアーをするつもりがないのかというと、もちろんそんなことは全然なくて。このあいだのライブをするときも「お客さんが声を出せなくても自分たちにできる表現方法ってなんだろう？」「お客さんが我慢しなくていい表現ができる曲ってなんだろう？」ってことをすごく考えて、とにかくいろんな曲を候補に挙げて研究したんです。それまでのライブでは、私たちから投げかけた言葉にお客さんが返答して成り立っていた部分もあったけど、「楽しさを表現できるのって声だけじゃないよね」と考え方を変えて。そしたら当日は、今までみんなで一緒に重ね合わせてきたものを確かめ合うことができたし、私たちはお客さんから届く熱いものを感じられたんです。あそこまでできるなんて想像していなかった。それがわかったから、必ずまたライブやツアーができるように私たちは動くし、もしどうしてもライブができない状況になったとしても、私たちはそれに代わる“みんなと共感し合える何か”を探し続けます。今回の「Reframe」は今までやってきたことを各地のみんなに届けることが目的だけど、「もっと新しいことをたくさん生み出したい」という欲はまだまだ尽きないので、楽しみにしていてほしいです。

──「やりたいことがいっぱいある」という話を聞くのは、ファンとしてはうれしいですね。

あ～ちゃん　みんなに観てほしいものはたくさんありますよ。このあいだのライブだって、2日間しかやらなかったのもったいなくないですか？

のっち　もったいない。

あ～ちゃん　そういう声がめっちゃくちゃ届いてるんですよ。だから、それについても「どうにかならんもんですかい？」ってお願いしていて。そういうみんなからの声が今は一番結果に出るときだから、私たちもいろんなことを考えてるけど、みんなも「こうしてほしい」と思ってることがあったら、ぜひ訴えてきてほしいです。