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苦悩と迷いが生んだ新曲「エクスペクト」

フレッシュかつスキルフルなラップを堂々たるパフォーマンスで披露し、「閃光ライオット2011」の頂点に立ったPAGE。現在、17歳。昨年7月にシングル「You topia」でメジャーデビューを果たし、端から見れば順風満帆に本格的な音楽人生をスタートしたように思える。しかし、実際に彼が送っていたのは一躍注目されたことで覚えた苦悩や虚無感に苛まれる日々だった。それを乗り越えて完成させたのが、2ndシングル「エクスペクト」だ。デジタルロック調の歌モノという、新たなアプローチを試みたこの曲に彼が込めたものとは。いまだ煩悶しながらも音楽に賭けるその思いに迫った。

取材・文 / 三宅正一 撮影 / 上山陽介

 
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音楽が支えにならなかった時期

PAGE

──「閃光ライオット」でグランプリを獲ってデビューするまでの流れは、前回のインタビューでも語っていたけど、紙資料に掲載されているインタビューを読むと、デビューしてからもいろいろ悩んでるみたいですね。

「閃光ライオット」でグランプリを獲ってメジャーでやろうってなったのが、2011年11月頃で。そのときから最近までめっちゃ悩んでましたね。

──何をそこまで悩んでいたんですか?

いろいろですよね。不安とかもあるんですけど……なんか病んでたんですよね。「閃光ライオット」で優勝しようが、学校の授業では立たされるし……。でも、「俺には音楽があるし」とも思えなくて。むしろ、だんだん音楽にも冷めてきちゃって、好きだった曲を聴いても不快になるし。

──音楽が支えにはならなかったんだ?

ならなかったですね。毎日40分くらいかけてチャリで学校に行って、嫌いな教室に朝から夕方までいて、1人で家に帰って、いやいや曲を作って、少し眠って、また学校に行くみたいな。毎日そんな感じの生活を送っていて。そのサイクルがホントにヤで。学校でもおちょくられるんですよね。先生にも嫌味を言われるし。どいつもこいつも気持ち悪いなと思って。

──それで高校を中退したんだ?

そうですね。感覚的に無理で。僕が通っていた高校って、頭のよくない学校だったんですけど。でも、僕は500人生徒がいる中の留年する6人に入っちゃったんですよ。つまり底辺中の底辺に。だから学校に行っても意味ないわと思って辞めました。周りから「音楽があるからって調子に乗って辞めんじゃねえよ」とか言われたんですけど、ぜんぜんそうじゃねえしっていう。気持ち悪い学校だって思ってたのに、そんなところで留年しちゃう自分の劣等感がすごいからだよっていう。自分が一番ダサいなって。

曲作りは憂鬱のはけ口にすぎない

──そこまでダウナーな状態にありながら音楽を続けようと思えた要因はなんだったの?

正直、カッコよく死ねるなら別に今死んだっていいと思っているんですけど。僕は結婚して子供が欲しいわけでもないし、子供ができてから一生懸命働くやつとかいっぱいいるじゃないですか。

──もちろん。

僕はそういう生き方はできないと思っていて。

──断定するのは早いと思うけどね。考え方なんてどんどん変わるし。

まあ、そうですけど、たぶん俺には無理ですね。誰か大事な人ができても、その人のためにがんばれないと思う。誰かのためにがんばることが幸せだとも思わないし。だから、今の僕が生きる理由って、音楽で勝ち組になる以外ないんですよね。

──音楽以外の選択肢がないと。

ないですね。これがダメなら、死んだほうがいいと思う。

──裏を返せば、音楽が生きる理由になっているんだよね。

まあ、そうですね。別に曲を作りたいと思って作っているわけじゃないし、曲作りは憂鬱のはけ口にすぎないんですけど。やっぱり世の中って、何をやってもなんか言ってくるやつがいるじゃないですか。

──そうだね。特に表舞台に立てば余計に。

Twitterとかブログでも、やれ中二病アピールがツラいだの、マスターベーションだの言われるんで。もう、言いたいことは曲で言うしかないだろうと思って。

ニューシングル「エクスペクト」 / 2013年2月13日発売 TOY'S FACTORY
期間生産限定盤 [CD] 1223円 / KSCL-2187
「エクスペクト」通常盤 [CD] 1223円 / KSCL-2186
期間生産限定盤収録曲
  1. エクスペクト
  2. ラストソング
  3. エクスペクト(TV SIZE)
  4. エクスペクト(Instrumental)
通常盤収録曲
  1. エクスペクト
  2. ラストソング
  3. からっぽな空の下で
PAGE(ぺいじ)

PAGE

1995年生まれ、愛媛県松山市出身のラッパー。小学6年生のときに観たケツメイシのライブDVDに感銘を受け、音楽に目覚める。2008年からリリックを書き始め、2011年1月にマイクとインターフェイスを購入し宅録を開始。直後からニコニコ動画に「ニコラップ」と呼ばれるジャンルのラップを投稿し始める。同時期に10代限定のロックフェスティバル「閃光ライオット2011」に応募し、予選を勝ち上がる。同年9月に東京・日比谷野外大音楽堂で開催された決勝戦で見事グランプリを獲得(当時の名義はPAIGE)。「閃光ライオット」での一連のステージを現在のディレクターに見初められ、2012年7月にKi/oon Musicよりメジャーデビューシングル「You topia」をリリースした。2013年2月、2ndシングル「エクスペクト」を発表する。