「LSPX-P1」で鑑賞したい作品は?
──せっかくなので、「LSPX-P1」で鑑賞してみたい作品を教えていただきたいのですが。今回は Google Chromecast を使って視聴できるNetflixの中から選んでいただきましょうか。
まずは「寅さん」シリーズですね。でも50作近くあるから、観始めたら止まらなそうだな。あとドキュメント作品も大画面で観ると面白いでしょうね。Netflixだと伝記映像もあって、クインシー・ジョーンズの「クインシーのすべて」とか、ジョニー・キャッシュのドキュメンタリー「リマスター:ジョニー・キャッシュ」とかオススメです。
──ミュージシャンならではのセレクトですね。
ほかにも「RAPTURE ヒップホップの世界」っていうヒップホップ系のドキュメントも面白い。デイブ・イーストとか、2チェインズとかがオムニバスで紹介されてるんです。日本とアメリカの音楽シーンってけっこう乖離しちゃってて、今、何がアメリカで人気あるのかとかちゃんと観なきゃいけないなと思って。
──Netflixのオリジナル作品はクオリティが高いですよね。
すごい高い! 最近では、海外の映画スターがどんどんNetflixの作品に参加するようになって。だからこそ、「LSPX-P1」を使って映画館のような環境で観たくなる。あと風景や自然がキレイな作品も大画面で観るのにオススメですね。
──お好きなシリーズはありますか?
BBC EARTHの「ワイルド・アラスカ」ですね。このシリーズは季節ごとに分かれていて、映像がすごいきれいなんです。壁一面に大自然が投影されるのは迫力がありますね。
──ちなみに今回の企画のように、ベッドサイドでまどろみながら観たい作品はありますか?
Netflixでは配信されてないけど、ジム・ジャームッシュかなあ。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」とか「デッドマン」とかモノクロの作品。「コーヒー&シガレッツ」とかは観ながら気持ちよく寝ちゃいそう(笑)。
──では「LSPX-P1」をどういう人に楽しんでもらいたいですか?
家族がいる方は寝室での生活が変わるでしょうね。あと、20代の若い人。自分が1人で部屋でくすぶってるような時代にあってもよかっただろうな。値段も手頃だし、部屋が小さくても壁さえあれば使うことができるし。今って、ミニマリズムと言うかミニマルな暮らしを大事にする人が増えてるからぴったりでしょうね。好きなモノクロ映画とかを、部屋全体を飲み込むように投影したりして、自分の好きな空間を作ってみたり。それこそ東京で暮らしていると、部屋は狭いし、隣も近いし、そんな中でも自分だけの空間が欲しいというときもある。そういう人にも合うと思います。
責任を持って大人げないことをやる大人に
──金子さんの活動についてもお伺いしたいのですが、2018年を振り返ってみていかがですか?
この10年ぐらい、映画にも出演すれば、ドラマにも出て、ナレーションもしたり、ほかのアーティストのサポートもやったり、ある種バラエティに富んだ活動をしてきたんですけど、ぜいたくなことにこれが普通になってきちゃって。ちょっと食い足りない1年でした。
──ここまで精力的に活動されているのに。
今のところ、渇きを覚えながら2018年が終わろうとしている。ただ何をしたらいいのかという答えはまだ見つかってないんです。「これだ!」ってなったら一気に突っ走るんですけど。ホントにいろんなことやって、どれもベストを尽くして、いい出会いといい現場には恵まれてきましたし、それを繰り返してここまでやってきたのでいい時期ではあるんです。ただ一方で、自分の中で何かが生まれようとしている状態と言うか。そのきっかけを探している状態かな。
──2019年は新しいことに挑戦する年になるかも?
そうかもしれないですね。それは自分1人では見つからなかったりすることが多いので、誰かと出会ってとか、誰かに持ちかけられてとか……。父親としてちゃんと働かなきゃいけないという感覚を持ちつつ、相反するように採算度外視して無謀なことをやらなきゃいけないとも思うんです。責任を持って大人げないことをやるって言うか。自分の先輩たちがやってきたことを自分がやる立場になって、先輩たちに対する敬意もありつつ、いよいよおじさんになってきちゃったなっていう気分ではあります(笑)。このまま現状維持すると腐っていくみたいな。
──危機感を抱いていると。
若いときは怒りが原動力になってたんですけど、今は渇きで。いわゆる何かへのリベンジみたいな感情はないんです。だから自分との戦いなんですよね。
2018年11月30日更新