OverTone「Prologue」インタビュー|メジャー1stアルバム携え大阪から全国へ (2/2)

生まれたときから目立ちたがり屋でした

──「平行線ロマンス」のミュージックビデオを拝見しましたが、お天気のよさが印象的でした。あれはどこで撮ったんですか?

八上 千葉の九十九里浜でした。4月の初めやったっけ。

GUCCHI むちゃくちゃ暑かったんすよ。

八上 「ゼロ」も「平行線ロマンス」も小嶋貴之監督に撮っていただいたんですけど、MVというより映画みたいなんですよね。どっちかというと映像主体で、曲はそれに合わせて作られたものとして観ていただいたほうが、入り込めるんじゃないかと思うんですよ。

アマノ 僕らは歌ってるだけで……って言い方も変ですけど(笑)、俳優さんたちに色を付けていただいた感じですね。

八上 リップシンクのシーンをけっこう使ってますけど、内容が映画っぽいので、ドラマバージョンも欲しいと思いました。

──リップシンクをしているときは、どんな気分ですか?

八上 まあまあ恥ずいです(笑)。

GUCCHI 「このシーンで観たいのはお前らちゃうねん。今ええとこやのに」って思われたら嫌やし(笑)。

八上 「MVに俺らいらんやん!」って結成当初からずっと言ってるよな。

──皆さんとしては手持ち無沙汰なのかな?とは思ったりしますけれど。

八上 片手にマイクがないとな。

GUCCHI そうそう。手のやり場が難しいんですよ。

アマノ 僕は「ゼロ」のMVで座って歌ってますけど、普段座って歌うことがまずないので、難しかったですね。監督に「どこを見たらいいですか?」と聞いたりして。

──GUCCHIさんは撮られること自体が苦手だと言っていましたよね。

GUCCHI 目線を外しているときのほうが楽です。自分は写真を撮られる習慣がなかったので、どうしても身構えちゃいますね。

──ほかのお三方はそんなことはない?

八上 僕は好きですね。携帯がこっち向いてたら勝手にポーズをとっちゃいます。

GUCCHI 俺もその能力が欲しい。

八上 匠くんは撮られ方がすごく上手なんですよ。カメラがこっちを向いた瞬間に顔を作れますから(笑)。

アマノ いつでもいける状態でおるやろ。

 そんなことないよ。深く考えへんから。普段通りみたいな感じです。

八上 いや、研究してると思うよ。

──オバトンで一番の目立ちたがり屋は?

八上 アマノっすね!

アマノ どう考えても八上でしょ。

GUCCHI 生まれたときから変わってないんちゃう? その能力は。

八上 生まれたときから目立ちたがり屋でした。しゃべれるようになるまでめっちゃ早かったらしいですし。

──匠さんは目立とうとしなくても目立ってしまう系ですか?

 いやいや、僕そんな……どうですかね? グループにしれっとおるタイプやと思います(笑)。学生のときも、グループの中で特定のやつとわちゃわちゃ楽しんでる感じでした。

──中心までは行かないで、隅っこで。

 そうです、そうです。

NOWAR The 匠

NOWAR The 匠

NOWAR The 匠

NOWAR The 匠

──前回のインタビューでアマノさんはご自身のことを「観賞用」とか「変な人」と言っていましたよね。

アマノ 高校でサッカーをやっていたんですけど、部活のときは目立ちたくてしょうがなくて、真っ赤で派手なスパイクを履いたりしてました。でも普段の生活ではそんなこともなくて。表舞台に立つと人格が変わるタイプなんです。

八上 スパイクで目立とうとしてたんや(笑)。

 プレイじゃなくて。

八上 そのうちライブで赤い靴履き出すんちゃう?

アマノ 履いてもええやろ!(笑)

八上 え? 四六時中目立ちたがり屋なんは俺だけ?

GUCCHI そうやで。

──GUCCHIさんはステージに立っていても「俺のことは見ないでくれ」という感じですか?

GUCCHI いやいや、ステージに出たら普通にカッコつけてますよ。でもテンションが上がれば上がるほど「動きが気持ち悪い」と言われるので、クールに熱くって感じで。

──パフォーマーというよりは作家タイプなんですかね?

GUCCHI どうなんですかね。でも基本的に作ってるときが一番しんどくもあり、楽しいです。

まだまだスタートしたばかり

──「モンスター」はGUCCHIさんを中心に、サビのメロディから膨らませていったというお話でしたよね。

GUCCHI 「(鼻歌で)フンフンフン、モンスター」というくだりが浮かんで、「RPGっぽい世界」と決めて作っていきました。実はRPGのことをよく知らないので、知ってる範囲内ですけど。そういうときは4人で作ったほうがバラエティが生まれる気がします。

──最終的に辻褄を合わせる調整みたいなことは?

GUCCHI 基本的にはしないですね。「ここを歌う人はこういう展開で」というのは事前にある程度ざっくり決めてからやりますけど。

──この曲は匠さんのときどき裏返るボーカルが色っぽいですね。

 ありがとうございます。メンバーにはめちゃめちゃバカにされるんですけどね。

GUCCHI (笑)。リスペクトゆえの、やで。

GUCCHI

GUCCHI

GUCCHI

GUCCHI

──みんな褒められると律儀に照れるのがかわいいですね。

八上 褒められ慣れてないんです。

 僕はバカにされすぎて「ホンマに思ってるんかな」と疑っちゃうぐらい。

──本当に思ってるので素直に受け取ってください(笑)。1番が「フルゲージだったライフは すでに無くなりそう」で終わって、2番は「無くなりかけてたライフは ゲージ振り切りそう」と同じメロディで逆のことを歌うテクニックも面白い。

GUCCHI 恥ずいですね。オチを「無くなりそう」にするのは決めてて……ま、そうですね。テクニックを使わせていただきました(笑)。

──これは全曲に関して言えることなんですが、オバトンはあまり大阪を前面に打ち出さないというか、歌詞に関する限りは終始、標準語なんですね。

八上 確かに。そんなに大阪感出すタイプのグループでもないですしね。

GUCCHI 曲の世界観を中心に考えるとあんまり出てこないですね、関西弁は。逆に使うんやったら1曲通して使いたいです。

八上 “大阪の”というよりも、“全国の”OverToneになりたいなっていう気持ちはあります。

──メジャーデビューしてからまだ日も浅いですけど、何か変わりましたか?

アマノ 周りから「テレビで流れてたで」とか言われる回数が増えたんで、自分が想像してたところに近付いてきてるんかなという実感はありますね。

八上 僕はよくも悪くも知り合いがちょっと増えちゃいました。写真を見せられて「あー、なんか見たことあるな」って思う程度の人が「八上とめっちゃ仲いい」って言ってるらしいんですよ。たぶんそういう人はホンマは僕のことあんまり知らんから、適当なこと言いそうやなって思うとちょっと怖いですけど(笑)。ライブのお客さんが1人か2人ぐらいのときからずっと応援してくれていた地元の友達とかは、最近は「お前ならできると思ってたで!」と言ってくれていて。その期待は裏切りたくないから、気合い入れてがんばらな!という気持ちでいます。

GUCCHI 僕は逆に地元の友達と遊んでいて、「帰って曲作らな締め切りに間に合わへんねん」と言うと「アーティストぶるなよ」って言われます(笑)。そこで「一応、最近やっと仕事になるようになってん」と言えるようになったのが変わったことですね。言われることは同じです。

八上 僕の友達は「明日サークルなん?」って聞いてきますけどね(笑)。東京に行って帰ってきたら「合宿行ってきたん?」みたいな。

 僕は劇的な変化はないですね。関わってくれる人が増えた分、責任感みたいなものは大きくなりましたけど、まだまだスタートしたばかりなので、むしろこれから変えていくっていう気持ちですかね。

──カッコいい。さすが最年長。

アマノ 僕もそう思ってましたけどね(笑)。

OverTone

OverTone

ライブ情報

OverTone Live Tour 2022「Prologue」

  • 2022年7月9日(土)愛知県 SPADE BOX
    [1st]OPEN 12:00 / START 12:30
    [2nd FC限定 ~side story~]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2022年7月16日(土)大阪府 OSAKA MUSE
    OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2022年7月17日(日)大阪府 OSAKA MUSE
    [1st]OPEN 13:30 / START 14:00
    [2nd FC限定 ~side story~]OPEN 17:30 / START 18:00
  • 2022年8月6日(土)東京都 shibuya eggman
    [1st]OPEN 13:30 / START 14:00
    [2nd FC限定 ~side story~]OPEN 17:30 / START 18:00

プロフィール

OverTone(オーバートーン)

八上和希、GUCCHI、NOWAR The 匠、アマノが2017年9月に地元・大阪で結成したボーカルグループ。結成からわずか3カ月後に大阪・心斎橋CLUB DROPでのワンマンライブを成功させ、注目を浴びる。2018年6月に初の全国流通盤「OverTunes」をリリース。2019年3月に2ndミニアルバム「愛 and 優」を発表したのち、全国7カ所を回る初のワンマンツアーを完遂した。2022年3月に日本クラウン内のレーベル・TEPPAN MUSICから発表した配信シングル「ゼロ」でメジャーデビューを果たし、4月に2ndデジタルシングル「モンスター」、5月に3rdデジタルシングル「平行線ロマンス」を連続配信リリース。これらのデジタルシングルを収録したメジャー1stアルバム「Prologue」を6月に発表した。