子供ならではの五感の鋭さ
──番組スタートから2年半が経ちますが、最初にこの番組の企画を聞いたときの印象を教えてください。
応援してくださっている皆さんのおかげでこんなに長く続く作品になって、感謝の気持ちでいっぱいです。最初にお話を伺ったときは、音を題材にした子供向け番組ってすごくいいなって思いました。小さい子ってすごく五感が鋭くて、大人だったら気にならない音とかに素直に反応することがあるじゃないですか。パーン!って音が鳴ったら子供は一瞬でそっちを向いて駆け寄ったり。私は小さい子の役を演じる際に、そういう子供の反応の鋭さを普段から意識していたので、音を題材にしたらきっと子供たちにすごく興味を持ってもらえるだろうし、素敵な作品になるだろなってワクワクしました。シーナの「世界一のDJを目指している」という設定も、小さい子たちに憧れを持ってもらえるのではないかと思いました。
──演じ始めてからシーナについて印象は変わりましたか?
DJと聞くとカッコいいのかと思いきや、シーナが思ったよりドジっ子で(笑)。毎回オトッペたちに振り回されるんですよ(笑)。それでも諦めずに、大好きな音を楽しみながら集めているシーナは、応援したくなるようなキャラクターだと思います。
──久野さん自身はDJをやったり、クラブに行ったりするようなことはあったんですか?
ないですね(笑)。ですが、シーナがDJとしてスクラッチしたり、パフォーマンスをするときはノリノリ感が伝わるようにテンションやテンポ感を意識して演技しています。
──物語に登場するオトッペの中ではどのキャラクターが好きですか?
メタルクですね。私、千葉進歩さんのメタルクのお芝居が大好きなんです。何年も演じ続けている役だと、「このキャラクターはこうだ」みたいな型にはまってしまうことがありますが、千葉さんのメタルクはお話が進むごとにどんどん表情が豊かになっているんです。ご一緒すると、役へのアプローチの仕方がすごく勉強になります。
──演技に関してディレクションはあるんですか?
第1回の収録や初めの頃は、とても丁寧にディレクションしていただきました。スタッフの皆さんのおかげで、シーナというキャラクターができあがっていきました。録り方は会話重視で尺が決まっていなくて、キャストのお芝居のテンポ感に絵を合わせてくださるんです。きっとスタッフさんたちはものすごく大変だと思いますし、本当にありがたいことだと感謝しています。自由にお芝居できるのは楽しいですが、それと同時に責任重大だとも思うので、いつも全力でがんばろうと収録に臨んでいます。
日常に現れたウィンディ
──これから番組を知る人もいると思うので、シーナを演じる久野さんから見た番組の魅力を改めて教えてください。
すっごくにぎやかな番組なんですよ。キャラクターもどんどん増えていますし、画面の色もカラフルで。あと私もオンエアを観ていて気付いたのですが、画面の視点の位置がちょっと低くて、自分もオトッペたちのサイズになって会話しているような構図になっているんですよね。まるでオトッペタウンの世界に入り込んだかのような感覚を味わえるのではないでしょうか。それから、物語も起承転結がハッキリしたお話だけではなくて、展開が読めなかったり大人でも思わず笑ってしまったりするようなユニークなお話がたくさんあるんです。でも小さい子にもきっとわかるでしょうし、いろいろな感性が刺激されて豊かになれる番組だと思います。「オトッペ」を観ることによって、普段の生活では気にならなかったことに気付いたり、見たり聞いたりできるようになっていただけたらうれしいですね。
──番組を始めたことで久野さん自身も身の回りの音が気になるようになりましたか?
なりましたね! 風の音とか今まで気にしたことがなかったのですが、風が強い日に「ビュー!」って大きな音が聞こえて、「今ウィンディがいた!」って思ったんです! ほかにも日常の音がキャラクターになって浮かんでくることがあって。番組を観てくださっている方たちもそんなふうになってくれたらいいなあと思います。
──アニメは1話完結の形式ですが、物語は徐々に進展して、シーナは世界一のDJに近付いているんでしょうか?
えっと……(笑)。シーナはオトッペたちとどんどん仲良くなっていますし、音をたくさん集めているので、いつかきっと世界一のDJになる日が来ると信じています!
──なるほど(笑)。音は無限なのでこれからもどんどんいろんなキャラクターが増えていきそうですね。
これからご覧になっていただく方には、キャラクターやお話はもちろんですが、たくさんの楽曲にも注目していただきたいです。とても独特で魅力的な楽曲ばかりですし、振り付けもあるので、ぜひお友達やご家族みんなで一緒に歌って踊って楽しんでいただきたいです。「オトッペ」をお子さんと一緒に観てくださっている声優さんやスタッフさんたちからも、「耳に残るね」とか「頭から離れないよ(笑)」と言っていただける機会がどんどん増えていて。お子さんだけでなく、大人の方たちにもぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。