ナタリー PowerPush - オレスカバンド

世界はこんなにも素晴らしい!バンドの新たな一歩を刻む名盤誕生

オレスカバンドが半年ぶりとなる新作「What a Wonderful World! vol.2」(通称「黒盤」)を、4月15日にリリースする。このアルバムは全米46都市を回るパンクロックフェスツアー「WARPED TOUR 2008」の帰国直後に発表された「What a Wonderful World! vol.1」(通称「白盤」)の続編となるもの。「vol.1」がツアー前のオレスカバンドだとすれば、「vol.2」はツアー後の彼女たちの成長やサウンドが刻まれた作 品と言えるだろう。

今回ナタリーでは、リーダー(Tb)、とみ(B,Vo)、もりこ(Ts)の3人にインタビューを実施。「WARPED TOUR 2008」がバンドにもたらした影響や新作の制作秘話、さらにバンドの現状について 語ってもらった。

取材・文 / 中野明子

プロデューサーとぶつかってわかったこと

——今回のアルバムは「WARPED TOUR」後の作品になりますが、ツアーの影響はありましたか?

もりこ 演奏が変わりましたね。「WARPED TOUR」でいろんな人と出会ったんですけど、立ってるだけで全身で音楽が好きなんだなってわかる人が何人もいたんです。その人たちがやるライブがすごくカッコよくて、それはやっぱり自分に正直に音楽をやってるからなんですよね。それでウチももっと正直にサックスを吹いたらいいんちゃうかなと思って、帰ってきてから録った曲で はこれまで以上に素直に吹いてみました。

リーダー ウチはツアーに行ったことで、自分と音楽の距離が近くなりました。毎日ライブをしているうちにありのまま、感じるままに音楽をしようっていう 意識が自分の中に芽生えて、それが作品に反映されましたね。

オレスカバンド

——レコーディング中に大変だったことはありますか?

とみ うーん……、「Teenagers」のレコーディング中にプロデューサーのグレッグと意見がぶつかったことかな。彼が「このアレンジのほうが面白いよ」ってアイデアを持ってきてくれたんですけど、ウチらはそれよりも歌詞の流れやニュアンスを大事にしたくて。

——今まではプロデューサーとぶつかることはなかったんですか?

とみ なかったですね。グレッグはこれまでいつもウチらの意見を尊重してくれていたんですけど、今回初めて意見がぶつかって。最終的に自分たちの意見を通 したんですけど、バンドの芯や聴き手に伝えたいと思うことを自分たちの中でハッキリさせておかないと流されてしまうなと思いましたね。いい経験になりました。

「What a Wonderful World」はオレスカバンドのテーマ

——「vol.1」と「vol.2」を作る上で意識したことはありますか?

とみ 一貫してワンダフルな曲とワンダフルなベースとワンダフルな声を大切に。そのためにスタジオではいつもワンダフルな空間作りを意識してました。

リーダー あと、今回の「vol.2」では、アルバムに「What a Wonderful World!」っていうタイトルを付けた理由をちゃんと伝えなきゃいけないな、とは思い ましたね。

——その理由というのは?

リーダー ルイ・アームストロングの曲に同じタイトルの曲があるんですけど、その曲はいろんな景色を見てきて、いろんな経験をしてきて、時間を経て感じ た「What a Wonderful World」という思いなんです。でも、ウチらはまだまだ知らない世界があって、これからもワンダフルな世界を見ていきたいっていう気持ちのほうが強いんですよね。

——未来に対する思いが込められているんですね。

リーダー はい。ツアーが終わったときにもっとおもろいことをしたいと思ったし、これからも世界に対して「すげぇ!」って感じていきたいと思って。だか ら「What a Wonderful World!」って言葉はオレスカバンドにとって永遠のテーマなんです。

オレスカバンド

ミニアルバム『What a Wonderful World! vol.2』 / 2009年4月15日発売 / 1890円(税込) / Sony Music Associated Records / AICL-2020

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CD収録曲
  1. カメレヨン
  2. Teenagers
  3. PAPAYA
  4. Bouquet
  5. believe
  6. What a Wonderful World
ミニアルバム『What a Wonderful World! vol.1』 / 2008年10月22日発売 / 1890円(税込) / Sony Music Associated Records / AICL-2019
ライブ&ドキュメンタリーDVD『46 ORESKABAND ~WARPED TOUR 2008~』 / 2008年10月22日発売 / 3990円(税込) / Sony Music Associated Records / AIBL-9169
オレスカバンド

2003年に、大阪・堺市内の中学校に通う同級生6人により結成されたスカロックバンド。翌2004年の高校受験終了後から、本格的なライブ活動を開始する。2005年から自主制作盤を発表し ていき、知名度が急上昇。2006年にミニアルバム「俺」でメジャーデビューを果たす。2007年春には「SXSW -JAPAN NITE-」出演を含む初の海外ライブを敢行。また、初の全国ツアーも開催し成功を収める。2008年には全米パンクロックフェスツアー“WARPED TOUR”に日本人で初めて全米46都市公演にフル出演。各地で大反響を呼び起こす。同年10月、ミニアルバム「What a Wonderful World! vol.1」と“WARPED TOUR”に密着したライブ&ドキュメンタリーDVD「46 ORESKABAND ~WARPED TOUR 2008~」を発表。明るく楽しいサウンドとキレのあるライブパフォーマンスで、平成世代ガールズバンドの急先鋒として人気を集めている。