ONE N' ONLY「We'll rise again」インタビュー|僕らは何度でも立ち上がる 映画主題歌に重ねた自分たちの姿 (3/3)

飛び超えられなかったら壊しちゃおう

──皆さんがおっしゃるように、歌詞には気持ちを上げてくれるようなまっすぐな言葉が並んでいますが、自分はここが特に響いた!と思うようなフレーズはありましたか?

KENSHIN 僕はサビ前の「傷付いてもいい ただ信じている叫び出す想いを あるがままでいい 鍵は俺の手の中にあるから」がいいなと思っていて。映画を通して僕らが伝えたい思いが凝縮されていると思うし、特に「鍵は俺の手の中にあるから」という部分。自分が変われば自分を取り巻く環境も変わっていくと思うんです。僕が演じた鞍馬の気持ちとリンクするなとも感じて、自分にとってもONE N' ONLYにとってもすごく大事な歌詞なんじゃないかなと思っています。

TETTA 僕はサビパート全部ですね。つまづいたときこそちゃんと立ち上がって進んでいくんだという思いは本当に自分たちに当てはまるし、歌っている自分もすごく力をもらえるんです。

NAOYA 2番のラップパートの中の「ジャンプで超えられない壁ならいっそ壊す」というリリックは、すごく僕ららしいなと思えて好きですね。積み重ねてきたものを信じてみんなで進んでいるけど、それでも飛び超えられなかったら壊しちゃおうっていう。めっちゃいいなと思います。

REI 僕は「どんなに険しくても後悔はない 色鮮やかな景色が僕らを待っているから」というブリッジパートの歌詞が好きです。壁にぶち当たって思うようにできなかったことって、きっと誰にでもあると思うんです。自分にもそういう経験はたくさんあって。それでも、希望に向かって走っていけるなら後悔はないというか。前に向かっているけど現実的な部分もちゃんと書いてある、このフレーズの二面性がいいなと思っています。

EIKU 僕もTETTAと同じでサビ全部ですね。今自分が身を置いている世界って、何が正解で何が不正解かわからない場所だなと思うし、なかなか正解を見つけられない大変な世界ですけど、それでも走り続けることが大事で。僕らは正解を探してやり続けたからこそTikTokをきっかけに世界が広がったという経験をしているし、共感できる部分があります。映画の役柄としても共感できるフレーズだし、これからもずっと自分の励みになってくれると思っていて。

──どこに成果が現れるかわからないんだということは、きっと皆さんがすごく実感していることですよね。

EIKU そうなんです。とにかくやってみるのが大事なんだという思いがありますね。

HAYATO 僕もサビなんですけど、特に後半部分が好きで。「このまま終わりじゃない」とストレートに歌うところに力をもらえます。弱い部分を隠すんじゃなくて、しっかり受け入れたうえでまた立ち上がるぞという思いが映画のストーリーにも沿っているし……ONE N' ONLYとしても、悔しさを感じるようなことがあったときにこのフレーズを思い出したら、また踏ん張れると思うんです。

EIKU

EIKU

HAYATO

HAYATO

映画とリンクしている感覚

──では、この曲のパフォーマンスについても聞かせていただけますか?

HAYATO 今回も、いつもお世話になっているMiQaelさんが振付してくれました。サビの「立ち上がるさ」のところでみんなが上を目指して足踏みする、そこのグルーヴ感がめちゃくちゃ好きで。皆さんの印象にも残るのかなと思います。フォーメーションがめまぐるしく変わる、楽曲のスピード感を生かした構成になっていますね。

NAOYA 「立ち上がるさ」のところ、ずっときれいに踊ってきたあとに力強さ、パッション重視の動きに変わるんだよね。僕もめちゃくちゃ好き。

──制作段階で「こういうイメージがいい」というリクエストはしたんですか?

HAYATO 映画での役どころがダンスパフォーマンスにも表れるように、ということはお願いしました。なので、それぞれが目立つポイントや細かい立ち位置は、映画の役と照らし合わせたものになっていると思います。

EIKU 曲の出だしで、僕がパンチっぽい動きをしてみんなが広がっていくところなんかは、特に映画とリンクしている感覚がありますね。

HAYATO うんうん。

もっといろいろ挑戦してもいいなと思えた

──シングルにカップリング収録されている「GIFT」は、昨年のクリスマスライブで初披露された曲ですね。

HAYATO 「GIFT」は「My Love」に続く温かなラブソングという感じで。初披露したとき、SWAGみんなの笑顔を見て「好きになってくれたかな」と思えました。

NAOYA 「『GIFT』、好き」と言ってくれるSWAGが多くてうれしかったよね。

──ラップ組の歌声も新鮮でした。

NAOYA 「My Love」はボーカルの3人が歌っているんですけど、「GIFT」ではラップ組3人もパートがあって、それは素直にうれしかったですね。

KENSHIN 自分自身もすごく新鮮な感覚です。キーもいつもより高めだったんですけど、JUNEさんとも相談して「こういう歌い方がいいよ」とアドバイスをもらいつつレコーディングを進めました。本当に温かいバラードでラブソングの王道という感じなので、いつもの僕らとは違う姿を見せられていると思います。振付もすごくかわいくて、特にサビは僕のパートのところでハートを作ったりもするんですよ。愛らしい表現ができる曲だなと思います。

NAOYA

NAOYA

KENSHIN

KENSHIN

──実際、ファンの皆さんの前で歌ってみた感覚はいかがでしたか?

NAOYA 普段のラップではキメることを意識しているので、少し違和感はありましたけど楽しかったです。EIKUと肩を組んだりするのも、我ながらかわいいなと思います(笑)。

HAYATO 自分が歌うのは2番の出だしなので、ライブのときはラップの何倍も緊張します(笑)。できうる限り感情を込めて歌っている感覚ですね。

TETTA HAYATOの2番の歌い出し、めっちゃいいよ。ここから世界観が一気に変わる感じがするんですよ。ラップ組が歌ってる中で踊る感覚も気持ちいいから、今後もこういう曲が増えていったらいいなと思いました。ラッパーだからラップだけ、ボーカルだからボーカルだけじゃなく、もっといろいろ挑戦してもいいなと思えたんですよね。

REI ラップ組の3人が持っている色はボーカル組3人とは違うものだし、曲にメリハリが生まれる感覚があるよね。「My Love」との違いをしっかり見せられたのも、よかったなと個人的には思いますね。

“感じるnight”をイメージして……

──そして、もう1つのカップリング曲である「QUEEN」は、昨秋のツアー(「ONE N' LIVE 2022 ~UNITE~」)でのパフォーマンスがすごく印象に残っています(参照:やっぱライブ楽しいっす! ONE N' ONLYが笑顔と涙でツアー完走、強い“つながり”を胸に次のステップへ)

EIKU スタンドマイクを使ったパフォーマンスですね。

HAYATO 「UNITE」の見どころの1つでしたからね。今後のパフォーマンスをどうするかはまだ決まっていないんですけど、新しい見せ方ができてよかったなあという思いがあります。ちなみに、ハットを被ることを提案したのはREIくんなんですよ。

REI アダルトな雰囲気のある曲なので、「ボルサリーノ風のハットを被ってパフォーマンスするのはどうかな?」と提案したら、みんなが「いいね」と言ってくれて。ハットでセクシーさを表現することになったんです。

NAOYA (歌詞カードを見ながら)「QUEEN」の歌詞、過去イチ攻めてるよね。こうして歌詞だけ読むと、余計そう思う。

HAYATO 曲の主人公がちょっと弄ばれてるっていうか、“QUEEN”を追いかけている感じなんだよね。これまでの僕らの曲は「付いて来いよ!」という態度の曲が多かったけど。男女の駆け引きのシチュエーションとか心情を、細かく際どく歌っているなと思います。とにかくエッジが効いてて、だいぶ攻めてます!

NAOYA 僕、特に好きなパートがあって。REIが歌っている「Push & pull 投げ捨て 耳を澄ませて」というフレーズが、この曲のめちゃくちゃいいアクセントになってるんです。その前までわりと落ち着いてるんですけど、ここからガラッと雰囲気が変わる。

HAYATO スピード感が出るよね。

NAOYA そうそう。

──緩急がしっかり付いていて、聴き心地がいいですね。

HAYATO あと、この曲はパート割りがめちゃくちゃ細かいんですよ。

EIKU 細かいねー。

HAYATO 次々違う声が聞こえてくる。

NAOYA そんな中でそれぞれこだわりをもって歌っていて、例えば僕が歌っている「Hear me hear me」は「姫」と聞こえるように発音していたり。

──皆さんがおっしゃるようにかなり攻めた歌詞ですけど、レコーディングやライブではどんな気持ちを込めて歌いましたか?

HAYATO まあ……そういう気持ちです!

一同 あはははは!

REI ボーカリストとしてね。

TETTA “感じるnight”をイメージして……。

TETTA

TETTA

REI

REI

REI それ、もうちょっと詳しく説明してくれる?(笑)

TETTA 「感じるnight」のパートは僕が歌ってるんですけど、スタンドマイクがあるときはそのスタンドを女性に見立てて、優しくこう、扱うっていう……。で、「感じるnight」でマイクを! スタンドから外すんですよ!(大きなジェスチャーで再現しながら)

HAYATO そこがこだわりなのね(笑)。

TETTA ていうかさ、HAYATOのラップパートも相当“QUEEN感”ありますけど、HAYATOさんはここをどういう気持ちで歌っているんですか?

HAYATO そういう気持ちです! まあ、あまり深く考えず、本能のままに。

TETTA HAYATOのここ、大好きっすね。

REI 歌割り的に、HAYATOが一番似合うよね。

HAYATO おい、どういうことやねん!(笑) 歌詞だけ読み上げるとかなり際どいけど、ここはもう雰囲気ですから。

KENSHIN 僕、このHAYATOパートの「Like a squid game 綱引きのような君とのdistance」も好きなんですよ。自分が「イカゲーム」好きっていうのもあるんですけど、トレンドを取り入れつつ“QUEEN”との駆け引きを歌っている感じがおしゃれだなって。

TETTA とにかく「QUEEN」はすごい。僕らの曲では「Black Hole」とか「What's Your Favorite?」なんかも攻めてるなと思いますけど、「QUEEN」は断トツで攻めてます。

REI そんな「QUEEN」をぜひ聴いてほしいですね!

ONE N' ONLY

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ツアー情報

ONE N' ONLY「ONE N' LIVE 2023 ~Departure~」

  • 2023年5月1日(月)愛知県 日本特殊陶業市民会館
  • 2023年5月7日(日)東京都 東京国際フォーラム ホールC
  • 2023年5月21日(日)大阪府 堂島リバーフォーラム

プロフィール

ONE N' ONLY(ワンエンオンリー)

スターダストプロモーション所属の男性ダンス&ボーカルグループ。メンバーはTETTA、REI、EIKU、HAYATO、KENSHIN、NAOYAの6人。2018年4月に初ライブを行ったのち、10月にはデビュー前にもかかわらず東名阪Zeppツアー「ONE N' ONLY ~EBiSSH×SBC~ Zepp Tour 2018」を開催し、成功を収めた。11月にシングル「I'M SWAG」でCDデビュー。2019年5月に発売した2ndシングル「Dark Knight」ではオリコン週間シングルランキングおよびビルボードのチャート「Billboard JAPAN HOT 100」で首位を獲得した。2020年4月に1stアルバム「ON'O」をリリース。グループのTikTokアカウントは日本のみならず世界各国から反響を集め、フォロワー数は日本人音楽アーティストとしては最多の550万人超えを記録。2022年2月には1st EP「YOUNG BLOOD」をリリースし、7月にはブラジル・サンパウロで初の海外公演を成功させた。2023年に結成5周年を迎え、1月に連続リリース企画の第1弾として「YOU???」を配信リリース。3月にONE N' ONLY主演映画「バトルキング!!-We'll rise again-」の主題歌を表題曲とするシングル「We'll rise again」をリリースした。4月にはラテンアメリカツアー「LATIN TOUR 2023」の開催も決定。5月にはグループ初のホールツアー「ONE N' LIVE 2023~Departure~」を実施する。