おかもとえみ「gappy」 PR

おかもとえみ|等身大の自分表現したアルバムにポップも闇も詰め込んで

ソロ作品としては前作「ストライク!」から4年ぶりとなる、おかもとえみのニューアルバム「gappy」(ギャッピー)が完成した。ほぼセルフプロデュースで制作した前作から一転して、今作はトラックごとに異なるプロデューサーを招いている。その豪華かつフレッシュな顔ぶれはトラックリストを参照してほしいが、現行のビートミュージックに意識的なメンツも多いのが印象的だ。フレンズの活動もますます活発化していく中で、おかもとえみがソロ表現で求める音楽像とは? 「gappy」を軸に紐解いた。

取材・文 / 三宅正一 撮影 / 伊藤元気

気付いたら前作から4年経っていた

おかもとえみ

──ソロとしては前作から4年ぶりということで。フレンズの活動もどんどん忙しくなってるから体感としてはあっという間だったんじゃないですか?

そうですね。確かに4年も空いてるようには感じていなかったです。

──フレンズの活動と並行してソロをやるタイミングも見計らっていた?

「いつやろうかな?」とは思っていたんですけど、気付いたら4年経っていたという感じで。ソロはいつでもやろうと思えばできたし、いろいろな人の曲にフィーチャリングゲストとして参加していたので止まっている感じもなくて。2年前にDJ HASEBEさんにフィーチャリングで呼んでいただいた「ROOM VACATION」で唾奇くんに会ったり、今回のアルバムにトラックプロデュースで参加してもらっているillmoreもパーゴル(PARKGOLF)もTSUBAMEさんも、みんなフィーチャリングに呼んでいただいて出会ったので。

──めちゃくちゃ幸福な出会い方をしてますよね。

本当に。そこで「自分の曲で一緒にやるときはこういう感じでやりたいなあ」なんてイメージもしていたので。

──今作のプロデューサー陣はフィールドとしてはクラブミュージックに寄った人が多いけど、えみそんにクラブ遊びしているイメージってあまりなくて。そこで意外に思う人も少なくないと思うんですよね。

そうですね。私はクラブに遊びに行っても眠くなっちゃうので(笑)。本当はクラブにもいっぱい遊びに行ってみたいんですけど、今、週末はフレンズのライブも多いので翌朝7時起きとかもあるし、朝イチのライブで声が出ないと困っちゃうから。私がオフでも平日だと朝まで遊べる人って少ないし、そうすると家に帰ってNetflixを観るという結果になりますね(笑)。だからこそ今回参加してもらったプロデューサーの皆さんの曲にフィーチャリングで呼んでもらえて、それがいい出会いになって今回一緒に制作できたのは本当によかったなと思ってます。こんな豪華なメンツに参加してもらえて、ありがたいです。

フレンズは“南国”、ソロは“北国”

おかもとえみ

──フレンズの活動も活発化していく中で、ソロではよりディープな自分の歌の表現をやりたいという思いも増していった?

それはありましたね。フレンズで歌うときは仲間といるときの自分という感じで、「楽しくて、イエーイ! パーティ!」みたいな陽の部分を出していたんです。でも個人としてのおかもとえみになったときはもっと暗い部分、闇みたいな部分ももちろんあって、そういう表現はソロだからこそできると思っていて。もともと好きな音楽がBONNIE PINKさんとか、最近好きなのはムラマサとかちょっとダークでエレクトロな感じ。そういう音楽をやる場所はフレンズでも科楽特奏隊でもないし、そもそも大人数でやるものではないなと思っていて。前にやっていたボタン工場というバンドはそれが表現できる場ではあったんですけど。

──でも、今ソロをやるならバンドサウンドではなくDTMのトラックで歌いたいという。

そうですね。このアルバムも今の自分がやりたい曲を作っていったら統一性が出た感じです。

──個人的に、えみそんの言う“闇の部分”にきっと色気も含まれていると思うんですよね。

おかもとえみ

ああ、確かにそうなのかも。今年29歳になるんですけど、等身大の女性としての悩みだったり生き様を一番出せるのがソロなんだと思います。ソロの場合は個の感じを強く出せるというか。

──歌詞の内容としてはラブソングが多いですよね。

そうですね。「待つ人」は友達の話を聞いて歌詞を書いたんですけど、その子は当時元カレを引きずってる感じがあって。振り切れてるように見せてるんだけど、会話のいたるところにその人の名前が出てくるから「あ、まだ心に残ってるんだな」と思ったんです。そうやって人の話を聞いて歌詞のストーリーに昇華することはよくあります。そこに自分の中にもある弱い部分を入れ込んだり……フレンズでも失恋ソングはあるんですけど、なんか“南国”な感じがあります。それに対してソロは北国の感じというか。