水野さんにまた曲を書いてほしい!
──感情の波という意味では、大サビの歌がかなりエモーショナルで。グッと来ました。
水野 あそこはけっこうキーが高いところへ行くんですけど、大丈夫でした?
大原 案外歌いやすかったです。感情がぶつけやすいメロディでしたし。
水野 じゃあよかった。ライブを拝見する中でめっちゃ高いキーまで声が出る方だなと思っていたので、これは思い切り高くしてファルセット使ってもらったりするのもいいかもなって思ったんですよね。
大原 「ちょっと高くしてみっか」って? ドSじゃないですかー(笑)。
水野 あははは(笑)。いやいや、それができる人できない人がいるし、できる人でもそれがハマらない場合もあるんですよ。大原さんはやっぱりできる人で、ちゃんとハマったので試してみてよかったですね。
大原 あ、でも大サビの「もう戻らないと決めたの」のあとの「さよなら」が、いつもめっちゃ緊張するんですよ。大サビでバーンと気持ちをぶつけたあとに、ちょっとか弱く丁寧なイメージで歌わないといけないので。私としては、あそこの「さよなら」こそが、この主人公の一番素直な「さよなら」だと思っているので、すごく大事に歌わなきゃなって毎回思います。
水野 いやー、うれしいですね。そこまで細かくいろいろ考えて歌ってくださっているなんて。大原さんの解釈を聞くと、この曲の答え合わせしてるみたいな感覚にもなりますね。「ああ、確かにそうだなー」ってすごく思いました。大サビのあとの「さよなら」はすごく難しいところだけど、だからこそ大原さんの歌の魅力が一番感じられるところでもあると思います。
──今回は本当に素敵なコラボレーションになりましたね。
水野 すごく楽しかったです。大原さんがホントに素晴らしいシンガーだということを改めて感じたし、歌への向き合い方もすごく真面目な方なんだなってこともわかった。僕のほうが勉強させてもらったような気もします。これからも大原さんにはご自身なりの世界をもっともっと広げていってほしいなって思いますね。
大原 私もいろんなことを学ばせていただきました。自分にとっての大きなターニングポイントになるような本当に素敵な曲を書いていただけたからこそ、もっともっと大きなアーティストになれるようがんばらなきゃなって気持ちも強まりましたね。で、欲を言わせてもらうのであれば……水野さんにまた曲を書いてほしい!
水野 いや僕もね、また機会がいただけるのであればぜひご一緒したいです! 大原さんは貪欲だし、器用でもあるからいろんなタイプの曲が歌えそうですからね。
大原櫻子ウォッチングは続けていくつもりです
──ぜひ第2弾にも期待したいところですが、12月にはステージ上で再びコラボが見られますね。12月7日に東京・マイナビBLITZ赤坂で開催される水野さんの企画イベント「TARIKI HONGAN LIVE 2」に大原さんの出演が決定しました。
水野 僕とつながりのあるさまざまな方々に来ていただいてトークやライブをするという内容で、第2回目の今回は大原さんとバカリズムさんに来ていただき、お力をお借りしようと。
大原 めちゃくちゃ楽しみなんですよ! 当日、水野さんは歌わないんですか?
水野 歌います、歌います。それ用の曲を今作っているところです。で、大原さんに出てもらうわけですから、たぶん「さよなら」もやるんじゃないかなーと。まあやるよね(笑)。
大原 そうですよね(笑)。そこで「さよなら」水野さんバージョンも聴きたいけどなー。あのデモテープを再現してもらう感じで。
水野 いやいや、それは大原さんの邪魔になっちゃうんで(笑)。
──ちなみに水野さんは、ライブにおける大原さんの魅力ってどこにあると思います?
水野 僕がどうこう言うなんてすごく生意気に聞こえそうですけど、大原さんはとにかく技術があって丁寧に上手な歌を歌う人。だけど、それを武器にしないと言うか、「私、うまいぜ!」って感じにはならないんですよね。だからライブを観ている人たちは、曲のよさをまっすぐ感じられて、その曲の世界観に入り込めるんだと思うんです。それが大きな魅力。あとは純粋にステージ上で絵になる人でもありますよね。どの瞬間を切り取っても絵になるから、ファンの方は一瞬も目が離せなくなるんじゃないですかね。そこもすごく素敵なところだと思います。
大原 そんな褒めてくださって……もう何も言えない!(笑) うれしいです、ありがとうございます! これからもがんばります!
水野 僕はこれからも大原櫻子ウォッチングは続けていくつもりですよ。もうガンガンにね、双眼鏡持って見続けますから(笑)。
大原 やめてー(笑)。いや見てはほしいですけどね、もちろん。
水野 ホントにいろんな可能性を持ったシンガーだと思うので、これからも陰ながら、そしてたまには表に出て応援し続けたいと思います。
ライブ情報
- TARIKI HONGAN LIVE 2
- 2017年12月7日(木)東京都 マイナビBLITZ赤坂
- 出演者
水野良樹 / 安達貴史(B) / 新井弘毅(G) / 玉田豊夢(Dr) / 松本ジュン(Key)
ゲスト:バカリズム / 大原櫻子
- 大原櫻子「さよなら」
- 2017年11月22日発売 / Victor Entertainment
-
初回限定盤A [CD+DVD]
1620円 / VIZL-1286 -
初回限定盤B [CD+DVD]
1620円 / VIZL-1287 -
通常盤 [CD]
1296円 / VICL-37344
- CD収録曲
-
- さよなら[作詞・作曲 / 水野良樹]
- everyday[作詞:大原櫻子・小名川高弘 / 作曲:小名川高弘]
- Paper Plane[作詞:leonn / 作曲:MIXAKISSA]
- さよなら(Instrumental)
- everyday(Instrumental)
- Paper Plane(Instrumental)
- 初回限定盤A DVD収録内容
-
- 「さよなら」Music Video
- 初回限定盤B DVD収録内容
-
- Making of「さよなら」
- 大原櫻子(オオハラサクラコ)
- 1996年1月生まれ、東京都出身。映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」に登場した3人組バンドMUSH&Co.のボーカルとして、2013年12月にシングル「明日も」でデビューする。2014年11月にソロ名義の1stシングル「サンキュー。」を発表し、2015年1月発売の2ndシングル「瞳」の表題曲は「第93回全国高校サッカー選手権大会応援歌」に採用された。同年3月に1stアルバム「HAPPY」をリリースしたのち、7月に3rdシングル「真夏の太陽」とライブDVD / Blu-ray「1st TOUR 2015 SPRING~CHERRYYYY BLOSSOOOOM!!!~」、11月にシングル「キミを忘れないよ」とリリースを重ねる。年末には「第66回NHK紅白歌合戦」に初出場した。2016年6月に2ndアルバム「V」を発表し、全18公演におよぶ3度目のツアーを実施。ツアーファイナルでは自身初となる日本武道館公演を開催した。2017年3月に映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」の主題歌「ひらり」を収録したシングルをリリース。女優としての活動も活発で、ドラマや舞台にも出演している。5月より初主演舞台「Little Voice(リトル・ヴォイス)」が、東京、富山、福岡にて上演された。8月に秦基博が作詞作曲、プロデュースを手がけた「マイ フェイバリット ジュエル」を、11月に水野良樹(いきものがかり)が作詞作曲した「さよなら」をシングルとしてリリース。
- 水野良樹(ミズノヨシキ)
- 1982年生まれ、神奈川県出身。1999年2月に小・中・高校と同じ学校に通っていた山下穂尊といきものがかりを結成し、同年11月に吉岡聖恵を迎え3人編成で活動を開始する。2006年にシングル「SAKURA」でメジャーデビュー。ギタリスト兼ソングライターとして、「ありがとう」「YELL」「じょいふる」「風が吹いている」といったヒット曲を多数生み出す。2017年1月のいきものがかりの“放牧”宣言後は、さまざまなアーティストに楽曲提供したり、ラジオやテレビなどさまざまなメディアに出演したり活躍している。