音楽ナタリー PowerPush - 大原櫻子

初桜ソング「ひらり」と親友・広瀬すずへの思い

大原櫻子がニューシングル「ひらり」をリリースした。

表題曲は大原の親友でもある女優・広瀬すず主演の映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」主題歌となる“桜バラード”。カップリングには、同映画の挿入歌となる「青い季節」のほか、コロプラ「白猫プロジェクト」および「白猫テニス」のテレビCMソング(2016年9~12月度)「Coming Soon!!!」、「at home×sports」のテレビCMソングである「Realize」が収録される。タイアップソング4曲を収めた本作は、大原のシンガーとしての幅を感じさせるバラエティに富んだ内容に仕上がっている。

音楽ナタリーではミュージカル「わたしは真悟」の出演を終えたばかりの大原にインタビューを実施。シングル「ひらり」の制作エピソードに加え、親友・広瀬すずのこと、5月にスタートする舞台「Little Voice(リトル・ヴォイス)」のことについて話を聞いた。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 藤田二朗
ヘアメイク:八戸亜季子 スタイリスト:赤石侑香(辻事務所)

すずちゃんの映画に
ひと花添えられるようにがんばろう

大原櫻子

──新曲「ひらり」は、卒業シーズンにマッチする大原さんにとって初の桜ソングです。同時に、大原さんの親友である広瀬すずさんが主演を務める映画の主題歌となっています。そのお話が来たときの気持ちはいかがでしたか?

ビックリしました! 芸能界の中で仲のいい友達と共演したり、作品を一緒に作ったことがなかったので、「なんという奇跡なんだろう!」って。一方では変な緊張感もありましたけどね。「すずちゃん主演の映画かー」って(笑)。でも、彼女の映画にひと花添えられるようにがんばろうって気合いも入りましたね。

──この曲の作詞、作曲、アレンジは、これまでも大原さんの楽曲のサウンドプロデュースを手がけてきた亀田誠治さんです。主題歌の話が決まってから曲をいただいたんですか?

いえ、この「ひらり」は1年半前にもういただいていたんですよ。「櫻子ちゃんにはぜひ桜の曲を歌ってほしいと思っているんだよね」って。ただ、リリースするタイミングをじっくり考えていたので、ちょっと温めていたんです。それが今回、映画の主題歌に決まったということで。

──資料によると、映画サイドからは「元気な曲で」とオファーされていたそうですね。

そうなんですよ。でも、ストックしてあった曲をいくつか映画のスタッフさんに聴いていただいたところ、そこに入っていた「ひらり」をすごく気に入ってくださって。「ひらり」に決まったときは正直、こんなにしっとりゆったりした曲が映画のストーリー的に合うのかなってちょっと思いました。女子高生がチアダンスをする若々しいキラキラした内容だと聞いていたので。でも、完成した映画を観た瞬間、「ああ、この曲でよかった! すごく合ってる!」って思いました。すずちゃんからも「(映画の中で)『ひらり』が流れたときが一番泣いた」ってLINEをもらえたのがうれしかったですね。「いやいやすずちゃんの演技があってこそでしょ!」って思ったりもしましたけど(笑)。

温かな“愛”に満ちあふれている「ひらり」

大原櫻子

──レコーディングにはどんな気持ちで臨みましたか?

今回は映画の内容にちゃんと寄り添えるように、高校時代や青春時代の気持ちを思い出し、それを体に染みこませてから歌いたかったんです。なので、レコーディング前日に自分の母校に行ってみたんですよね。学校内のいろんな場所を見て回ったり、懐かしい先生方に会うことで当時の気持ちを鮮明に思い出すことができて。

──その試みは確実に歌声にも影響するでしょうね。

はい。自分の入っていた部活にも顔を出したんですけど、そこでは夢に向かって無心に、ひたむきにがんばる気持ちの大切さを思い出したりもして。頭の中でぼんやりとイメージするのではなく、実際に学校を訪れたことで得たものはちゃんと声に乗せられた気がしますね。最初にこの曲をもらったときは「ストレートでいい歌詞だな」と思っただけで完結していたけど、今回レコーディングしたことで、そのストレートな言葉の裏にある思いみたいなものをしっかり表現することができた気がします。充実感にあふれた気持ちで歌えましたね。

──ということはレコーディングにあまり時間もかからず?

はい、スムーズにいきました。もちろんニュアンスにはこだわって、自分が気に入らない場合は何度もやり直したりはしましたけど。

──特にこだわった部分というと?

ゆったりとしつつも盛り上がるサビにしっかりと気持ちを乗せること、ですかね。あと、この曲は静かに始まるAメロがかなりキモだったりもするんですよ。“声が命”みたいなパートだと思うので、1音1音を丁寧に、音が切れるまで気持ちを途切れさせないように気を付けながら歌いました。

──間奏でのフェイクもすごくいい雰囲気ですよね。

「何かフェイクを入れてほしい」って亀田さんに言われたので、「こんな感じですか?」ってやってみたのがアレで。学生時代、ホントに鼻歌を歌いたくなるくらい学校の行き帰りが楽しかったよなあってことを思い出しながらフェイクしましたね。

──バラードを歌うことが好きと以前からおっしゃっていたので、今回もすごく素敵な歌声が全編で響いていると思います。

いやー、でも、バラードは難しいですね。テンポがゆったりしている分、自分の表現の幅を広げて、それをたっぷり詰め込むことができますけど、逆に言えばしっかり表現できないとスカスカな歌になってしまうと思うので。歌うのは大好きですけどやっぱり大変だなって改めて思いました。

──今までラブバラードは歌ってきましたけど、今回はまた違ったタイプのバラードですしね。その難しさがあったのかもしれない。

そうそう。実際、歌っていても今までのラブソングとは全然違いましたね。言葉にして説明するのは難しいけど、そこには“恋と愛の違い”みたいなものがあるというか。「ひらり」は温かな愛に満ちあふれている曲だとも思うので、また新しい挑戦ができた気がします。