それはスコーンボヨボヨですね

──本作の制作中、プロデューサーの亀田さんとは楽曲について細かく話し合ったんですか？

スケジュール的に前もってお話をすることはできなかったんですけど、レコーディングの当日にはいっぱいお話しました。とは言え、歌には関係のない話をすることが多いんですけど。私が自分の高校時代のことをブワーッと話して、全部聞き終ったあとに「よくしゃべるねえ」って言われたり（笑）。曲に関するお互いの意見の交換は、話すよりも歌ってみたほうが早かったりするんですよね。その日の私の体調も、歌を通してのほうがわかってもらえるだろうし。これまでに亀田さんと関係を築き上げてきたので、もはやそんな感じなんですよね。

──表現の方向性などを事前に詰めたりっていうこともしないんですね。

しないです。実際に歌ってみたら「もうちょっと明るくやってみよっか」とか「雰囲気、めっちゃいい感じだよ」とか言ってくださるので。私は基本、感覚的に生きているので、しゃべるのがあんまり得意ではないんですよね。なので擬音をめっちゃ使って説明することもありますし。

──擬音で説明？

「最初はストレートに声を伸ばして、後半はビブラートをかけて」って亀田さんに言われたとするじゃないですか。そうすると、「あ、なるほど。それはスコーンボヨボヨですね」って表現してみたり（笑）。そうすると、その後のレコーディングでは亀田さんも「そこはスコーンで」とか「ボヨボヨ感、大きめでお願いします」とか言ってくれるようになるんですよ。

──あははは（笑）。共通言語になっていくんだ。

そうなんです。そういうほうがわかりやすいので。あ、でも歌の方向性について私から質問することももちろんあります。例えば「READY GO!」ではどこまでふざけていいのかとか、「ワンダフル・ワールド」のAメロはどこまでマジメに歌っていいのかとか。私が思う歌い方と亀田さんが思う歌い方のすり合わせはしますね。

──そこで確認したときに、大原さんと亀田さんのイメージが大きくかけ離れていることもあるんですか？

ほとんどないですね。ただ、例え意見が分かれることがあったとしても、最初から決まった正解があるわけではないので、とりあえず両方の案を試してみることにしています。私バージョンと亀田さんバージョンをやってみて、結果、私の意見が通ることもありますね。そういうときは「採用！」って言われます（笑）。「ここのハモりって必要ですかね？」って私が言って、最終的にカットになったこともありました。

──亀田さんに言われるがまま歌うのではなく、大原さんの意見がしっかり反映されているのが素敵ですよね。

それもここまで一緒にやらせていただいたからできるようになったことで。最初は、尊敬する亀田さんに対しての遠慮がすごくあったから、自分の意見をまったく言えなくて。でも、自分が思っていることを伝えないのは逆に失礼なんだっていうことに気付いたんです。いいものを作りたいと思っているんだったら、妥協や遠慮を取っ払わないと、亀田さんにも聴いてくださる方々にも失礼だなって。そこから自分の意見はちゃんと提示するようになりました。だからこそ今回、最高のアルバムができたっていう自信につながってますね。

櫻子ワールド全開の1stツアー「CHERRYYYY BLOSSÖÖÖÖM!!!」

──4月20日からは本作を引っさげた初のツアー「大原櫻子 1st TOUR 2015『SPRING～CHERRYYYY BLOSSÖÖÖÖM!!!～』」が始まりますね。

ワンマンで全4公演。当日はきっと緊張してかなりドキドキしてるんじゃないかなあ。人生に1回しかない1stツアー……まあ2ndツアーも1回しかないわけですけど（笑）、最初のワンマンツアーということで気合いは当然入りますね。これまでの恩返しと、これからもよろしくという思いが伝えられる場だと思うので、お客さんと一緒に楽しい空間を作りたいと思います！

──ツアータイトルが印象的ですが、これは？

私がMCを務めている音楽番組にグッドモーニングアメリカが来てくれたときに、メンバーのたなしんさんがライブでお客さんと一緒に楽しく叫べるフレーズを考えてくださって。それをそのままツアータイトルにしたんです。「最初だぜ！」「いくぜ！」っていうハジけ感もすごくあるし、“チェリーブロッサム＝桜”ということで櫻子らしさも出てると思うんですよね。

──自己紹介的な意味合いのライブツアーにもなるでしょうしね。

そうですね。櫻子ワールドとも言える、色とりどりの内容になると思うので。来てくださった皆さんが“HAPPY”になれるようにがんばります！