ナタリー PowerPush - 大原櫻子(from MUSH&Co.)
「カノ嘘」ヒロインが放つ新曲 頑張ったっていいんじゃない
映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」に登場する劇中バンド・MUSH&Co.のボーカルとして昨年12月にCDデビューを果たした大原櫻子が、映画からのスピンオフシングルとなる「頑張ったっていいんじゃない」を明日6月25日にリリースする。
今回のインタビューでは、CDデビューからの半年の活動を振り返ってもらいつつ、シンガーとしての成長や本作の仕上がりについて話を聞いた。さらに、音楽番組での共演をきっかけに交流が始まったという玉井詩織(ももいろクローバーZ)からのコメントも掲載。相思相愛だという2人の関係性に迫った。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 細居幸次郎
あっという間だけど濃密で楽しいデビューからの半年
──MUSH&Co.としてCDデビューしてから半年ほどが経ちました。その期間を振り返るといかがですか?
あっという間でしたけど、すごく濃密で楽しい時間を過ごすことができていますね。今年に入ってからは全国各地でライブをやらせていただく機会がたくさんあって。その土地ごとでお客さんの反応が違うっていう発見がありました。
──1~3月に各地で行われたフリーライブでは、トータルで1万5000人ものお客さんが集まったそうですね。
フリーライブをすることが決まったときは、自分の歌を聴きに来てくれる人がいるのかなって思っていたんですけど、実際はものすごくたくさんの方々が来てくださって。しかも、皆さんすごく楽しんで観てくださっているなっていうのが伝わってきて、とてもうれしかったです。私はちっちゃい頃から歌で人を笑顔にできたらいいなとずっと思っていたので、その夢に一歩近付けた気がします。
──ステージに立つときに緊張はしませんか?
本番直前に猛烈な緊張感に襲われるタイプなので、いつも袖では「ヤバいヤバい!」って言っています(笑)。でも、いざステージに上がってしまえば大丈夫……というか、大丈夫と思わざるを得ないんで、「やってやんなきゃ!」って思うようにはしていますね。待ってくださっているお客さんの顔を見ると、その緊張が吹き飛ぶっていうのもありますし。
──大原さんが出演された映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の中では、音楽業界の黒い裏側が描かれたりもしていましたが、実際はどうでした?
いやいや全然! 高樹(劇中に登場する音楽プロデューサー)みたいな悪い人がもしかしたらいるのかもしれないなとは思っていたんですけど、実際私にとってのプロデューサーである亀田(誠治)さんは音楽を愛している、めちゃくちゃいい方ですからね。「なんだよ、ウソじゃん!」って思いました。なので非常に健やかに活動できています(笑)。
Mステで学んだ気持ちを乗せて歌うことの重要性
──ここまでの活動の中で特に印象に残っていることはありますか?
すべての思い出が印象深いものなので一番を決められない感じなんですけど、5月に出演させていただいた「ミュージックステーション」はものすごく楽しかったです。生放送の音楽番組への出演は去年の12月の「FNS歌謡祭」に続いて2回目だったし、共演者がビッグな方々ばかりだったのでものすごく緊張はしましたね。でも、デビューから約半年経った今の自分にできることを全力で表現できたと思います。
──「Mステ」ではデビュー曲である「明日も」を歌われていました。リリースされたばかりの頃に比べると楽曲に対する思いがより強まった部分もあるのでは?
曲への愛情は最初からまったく変わらないんですけど、落ち着いて歌えるようになったところはあると思います。自分の歌を客観的に見れるようになったというか。それはいいことだなって思いますね。
──音楽番組などを通してほかのアーティストと交流を持つと刺激を受けることもありそうですよね。
それはありますね。「Mステ」で共演させていただいたSuperflyさんと大塚愛さんからは、同じ女性としての表現の仕方を学ばせていただけた気がします。型にはまったキレイな歌を歌うのではなく、そこに気持ちをしっかり乗せることが大事なんだなって。お二方とも本当に歌がお好きで、メッセージがしっかり伝わってくるアーティストだったので。めちゃくちゃ勉強になりましたね。
──あとは思いを寄せている人に会えるという喜びもあったのではないですか。今や相思相愛の関係になっているももいろクローバーZの玉井詩織さんのように。
ですよね! しおりんと会うことができたのは本当にうれしかったです。いやあ、ほんとに大好きなんですよ(笑)。あ、でもそもそも亀田さんだって、私にとっては昔からずっと憧れていた存在だったわけですからね。今やプロデュースをしていただけているっていうのは奇跡のような気がします。
──思い込めて会いたいと願っていれば叶うのかもしれないですね。
そうだといいなあ。まだまだお会いしてみたい方はたくさんいらっしゃいますね。音楽で言うと久石譲さん、女優さんだと石原さとみさんが大好きなので、いつかお会いできるように、その思いをできるだけ口に出していくようにします(笑)。
──ちなみに女優としての活動に関しては現状、どう考えています?
私の中では、音楽と女優は50/50ですね。同等のものというか。ただ、自分はけっこう極端な性格なので、ライブをたくさんやらせていただいていると歌が100%になっちゃったりはするんですよね(笑)。とはいえ、女優として新人賞(日本映画批評家大賞新人賞)をいただけたし、7月からはドラマ「水球ヤンキース」が始まるので今度はそっちに全力を注がなきゃなとは思ってます。今後も両方をバランスよくやっていけたらいいですね。
- ニューシングル「頑張ったっていいんじゃない」/ 2014年6月25日発売 / Victor Entertainment / HEARST RECORDS
- 初回限定盤[CD+DVD]1620円 / VIZL-687
- 通常盤[CD]1080円 / VICL-36927
CD収録曲
- 頑張ったっていいんじゃない
- タイミング
- 明日も(Acoustic Live ver.)
- 頑張ったっていいんじゃない(Instrumental)
- タイミング(Instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
- 頑張ったっていいんじゃない(Music Video)
大原櫻子(from MUSH&Co.)
(オオハラサクラコフロムマッシュアンドコー)
映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」に登場した3人組バンドMUSH&Co.のボーカルとして、2013年12月に劇中から飛び出し現実世界でデビューシングル「明日も」をリリース。2014年春からはニッポン放送「大原櫻子のオールナイトニッポン0」でレギュラーパーソナリティを務めたり、5月にテレビ朝日系「ミュージックステーション」に出演したりするなど話題を呼んでいる。6月25日に大原櫻子(from MUSH&Co.)として映画のスピンオフシングル「頑張ったっていいんじゃない」をリリース。