Novelbright「seeker / ワンルーム」インタビュー|躍進と進化の先に見つめる、バンドシーンの未来 (2/2)

「ふたつの影」の2人がどうなったのか

──2曲目の「ワンルーム」はどのように作り始めた曲ですか?

 メンバー間で「冬くらいにバラードを出したいよね」という話をしていて、「よし、じゃあバラード作るか」というところから始まりました。バラードといっても、過去の曲と同じようなものを作るのではなく、新しいアプローチをすることでバンドの幅を見せていきたいという気持ちもありましたね。

──バラードで歌を聴かせるアレンジに仕上げている曲だからこそ、竹中さんの歌心を感じる瞬間も多かったです。例えば、1番Bメロにある「あの日々には」の「の」をあえてファルセットにしているところとか。

竹中 あー。そこは確か、地声とファルセットを両方試した気がします。

ねぎ 1番は静かで、曲が進むにつれて盛り上がっていくから、抑揚をつける意味でもここはファルセットのほうがいいんじゃないかという感じだったよね。

竹中 そうそう。まあ「ここはこうだからこう」と考えながら歌ったというよりは、自分で実際に聴いてみて、ファルセットのほうがエモいと思ったのでそっちを選んだという感じです。

竹中雄大(Vo)

竹中雄大(Vo)

──歌詞は「ふたつの影」(2019年9月発売のアルバム「『EN.』」収録曲)の続編といえる内容にしたそうですね。

竹中 はい。「ふたつの影」は「お互いのためを思って別れよう」という話だったので、「ワンルーム」では「その後2人がどうなったのか」という話を書きました。この曲でようやく“僕”は気持ちの整理をつけられたというイメージですね。

──とはいえ、まだ完全に未練を断ち切れていない感じが歌詞に表れているように感じました。

竹中 そうなんですよね。「バイバイ」と言っているものの、「またね」がこぼれちゃっているので。結局まだ好きなんだろうな、とは思います。

山田 でもそれがいいよね。いい意味で生々しいというか。

竹中 うん、この感じがエモいよね。失恋したあとに気持ちをすぐに切り替えられる人って実は少ない気がするんですよ。だからこそエモいバラードが流行っているんだと思うし。

山田 雄大はどうなの?

竹中 うーん……僕はそういうタイプじゃないかな。それに僕、「これからがんばっていこう」というメッセージを込めた歌は自分の心情や過去の経験、人生観を元にして書くことが多いんですけど、こういう恋愛系の曲に関しては、実話なのかフィクションなのかを完全に伏せているんですよ。「これは俺の恋愛について歌った曲です」と言ってしまうことで、感情移入しづらくなってしまったら困るので。

──恋愛ソングに関しては「聴いた人自身のものにしてほしい」という気持ちが強いということですか?

竹中 そういうことですね。自分の恋愛経験を曲にしているという人を否定するつもりはないんですけど、僕自身は「恋愛ソングを聴いているときに、作り手の顔が浮かばないほうがいい」というスタンスです。

ライブバンドとしてのあり方を見せていきたい

──3曲目の「Designs of Happiness」はライブで鳴らされている様子が目に浮かぶようなアッパーチューンですね。

 ありがとうございます。この曲は、僕らがレギュラーとして出演させてもらっていた音楽番組「ON THE STREET」のメインテーマ曲として作り始めて。

竹中 番組スタッフから「みんなで歌える楽しい曲がいい」というふうに言ってもらったよな。

 そうそう。

ねぎ アッパーで元気な、Novelbrightの王道といえる曲調ですね。こういうストレートな曲の場合、普通にやると手癖に落ち着いてしまうので、自分が苦手としているフレーズをあえて入れてみました。難しいから本当に楽できないし、一発一発大事に叩くことをより意識して演奏できましたね。

ねぎ(Dr)

ねぎ(Dr)

圭吾 ベースは、サビのフレーズが実験的ですね。ビートがシンプルなぶん、低音域で動くともたってしまうので、聴く人の耳に入りやすい音域で特徴的な動きをすることで存在感を出しました。

 ギターは男臭い感じを目指しました。

山田 ガムシャラに、だけど丁寧に弾くことで、難しいことをやったり目立つフレーズを弾いたりしていなくても曲がカッコよく聴こえるよう意識しましたね。

──歌詞は山田さんが書いたんですよね。イメージはどのようなところから膨らませていきましたか?

山田 歌詞を書く前からシンガロングがついていたので、気分が上がる内容にしたいなあと思いながら書き始めました。僕は、夢というものを理想として捉えず、野望として捉えることで人生がもっと豊かになるんじゃないかと思っていて。

──絵空事として捉えるのではなく、実現可能な目標として捉えることが大事ということですか?

山田 はい。「○○できたらいいな」ではなく「絶対に○○してやるんだ」くらいの気持ちで進んでいかないと、手に入れたいものを手に入れられないと思うんです。叶えたい野望があるなら、周りに気を遣うことなく、自分のために生きろよ、と。この曲にはそんなメッセージを込めました。

──最後に、今後の展望について教えてください。もうすぐ2021年が終わりますが、来年のNovelbrightはどのような活動をしていく予定ですか?

竹中 来年は今年よりもライブをする予定ですし、いろいろな規制も少しずつ緩和されていくと思うので、ファンの人、そしてこれから新しく出会う人にライブバンドとしてのあり方を見せていけたらいいなと思っています。

──最初のほうに話していただいたように、「ロックバンドのカッコよさを広めていきたい」というのも皆さんのモチベーションの1つにありますか?

竹中 そうですね。去年、今年はフェスもほとんどありませんでしたが、来年はフェスにもいっぱい出て、バンドのカッコよさを世間に提示できるようがんばっていきたいです。

Novelbright

Novelbright

プロフィール

Novelbright(ノーベルブライト)

竹中雄大(Vo)、山田海斗(G)、沖聡次郎(G)、圭吾(B)、ねぎ(Dr)からなる大阪発5人組ロックバンド。2013年にオリジナルメンバーで結成され、2019年1月に現体制となる。2019年7月に行った「崖っぷちどチクショー路上ライブTOUR」がSNSで拡散され、その名を全国へと広める。2020年5月に初の全国流通アルバム「WONDERLAND」をリリース。同年8月に「Sunny drop」でユニバーサル ミュージックよりメジャーデビューを果たし、12月に「第62回 輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞した。2021年4月に1stフルアルバム「開幕宣言」をリリースし、5月よりライブツアー「~新章・開幕宣言~ Major 1st Full Album『開幕宣言』Release Tour」を開催。7月に大阪・大阪城ホールでツアーファイナルとして「大阪城公園で交わした約束『2年以内にあっちで会いましょう』を実現するワンマンat大阪城ホール」を行った。7月に映画「犬部!」の主題歌「ライフスコール」、9月にテレビ朝日系ドラマ「漂着者」の主題歌「優しさの剣」を配信リリース。9月より対バンツアー「KICK THE AGE TOUR」を行っている。11月に日本テレビ系ドラマ「真犯人フラグ」の主題歌を収めたメジャー1stシングル「seeker / ワンルーム」を発表した。