ファンにNOISEMAKERの自慢話をされるJESSE
──NOISEMAKERの現状はいかがですか?
AG 去年10月に「RED APHELION」というアルバムを出してから、バンドの空気感がめちゃくちゃよくなった感じがしますね。バンドが強くなったと言うか。あと、JESSEさんが言ってたように、ありのままでいいんだということをこのアルバムのツアーで感じるようになりました。例えば売れたいとかもっと上に行きたいっていうのは、決して金持ちになりたいからではなくて、ちゃんとしたスタジオでレコーディングできるとか、ちゃんとしたPAさんとか照明さんをライブに連れて行けるとか、「自分の街に来てください」って言ってくれるファンがいるところへライブしに行けるようになるため。「だから、CD1枚買ってくれ!」ってMCで赤裸々に話すようにしたら、そういう姿がファンにすごく響いたみたいで、自分たちのことを新しく好きになってくれる人も増えてきました。
──そのままの自分たちを見せられるようになった。
JESSE 今やってるThe BONEZのツアーに、NOISEMAKERのロンT着てる子が来るよ。で、NOISEMAKERの自慢話される(笑)。
AG そうなんですか!? 何の自慢?(笑)
JESSE 「今、NOISEMAKERいいっすよ!」って。前からいいわ! 「今いいっすよ」じゃねえんだよ(笑)。
AG・HIDE あはは!(笑)
JESSE だけど、ファンってサッカーで言うところのサポーターでさ、自分が応援してるチームを誇るのは当たり前なんだよね。でも、どのバンドも対バンイベントをよくやるから、どこまでが自分たちのサポーターで、どこまでがただの観戦好きなのかわからない。
AG 確かに。
JESSE 特にこの7、8年、自分らだけじゃ会場をパンパンにできないから、音が近いバンド同士でイベントをやることが増えた。けど、あるときから「俺らだけでやったら、このハコ、どれぐらい埋まるんだろう」って思うようになるんだよ。もしかしたら、キャパ300のハコで80しか埋まらないかもしれないけど、その現実を叩きつけられることが大事で、そこからまたがんばって、対バンとかいろんな試合をしたうえでまたそのハコに戻ってきたら今度は120人集まった。そういうことを続けていって、遂にそのハコがソールドアウトしたとき、実はほかのハコもソールドするようになってるんだよね。大事なのは、最初にそこにいた80人が誰なのか、それがわかってるかわかってないか。それでバンドの広がりが変わる。
HIDE 俺らも対バンイベントは昔からずっとやってきてたんですけど、去年はワンマンツアーをやったんですよ。ワンマンって動員面とかで怖い部分があるじゃないですか。でも、「NOISEMANIA」っていうタイトルを付けて、NOISEMAKERのライブにいつも来てくれるファンのために特別なことをやるっていうテーマでやってみたら、意外とそれを待ってた人が多くて。そのツアーはソールドアウトしたところもしなかったところもあったんですけど、昔からのファンが俺らに求めているのは意外とそういうライブだったのかなと感じることができましたね。
──NOISEMAKERは去年メジャーレーベルを離れましたが、それが結果的に自分で自分のケツを拭くための活力を取り戻していくことになったと。
AG 昔から自分たちでやってるという意識はあったんですけど、それがより強くなってきましたね。
十代の頃からデモCDをJESSEに渡していた
──さてニューシングル「Wings」ですが、JESSEさんの力を借りて素晴らしい曲に仕上がりました。
AG 俺、実は19歳ぐらいの頃からずっとJESSEさんに自分たちのCDを渡してるんですよ。
──ああ、そうだったんですね。
JESSE 当時、俺らがライブで札幌に行くと、いろんなバンドが「聴いてください!」って自分たちのバンドのCDを持ってきていて、そのうちの1つがNOISEMAKER。
AG 19歳の頃に初めて自分たちのデモCD-Rを作って、ラッパーに囲まれてるJESSEさんのところに行って、「NOISEMAKERっていうバンドやってます!」って渡したら、「ふーん、じゃあ、比べられるようにまた今度新しいやつ持ってきてよ」って言われたから、「よし、じゃあまた来よう」と思って、「お疲れさまでした!」って帰ろうとしたら、「疲れてねえよ!」って。
一同 あはは!(笑)
JESSE・HIDE 言いそう!
AG 「わ、かっけえ!」みたいな(笑)。で、それからまた自分たちでCDを作って、自分たちで流通会社を探してリリースしたアルバムを、RIZEがペニーレーン(北海道・札幌PENNY LANE24)に来たときに持っていきました。あれから10年以上経ちましたね。
HIDE 俺も高校生の頃にRIZEのCD買って、カラオケで歌ってましたからね。
JESSE 恥ずかしい(笑)。
HIDE 俺らはそういうふうに憧れの目でJESSEさんを見てたから、今回夢が1つ叶ったと思ってます。
NOISEMAKERにノックアウトされてコラボを希望
──「Wings」はそもそもJESSEさんありきで作った曲なんですか?
HIDE 2016年に福岡の「F-X」っていうフェスでJESSEさんが「コラボしようぜ」って言ってくれたことがあって。
JESSE そのときのNOISEのライブがすげえよくて。本番は俺らの出番とちょうどカブって見られなかったんだけど、NOISEが転換中にリハを兼ねて1曲やったら、客がガッツシ上がっちゃって、そのときに俺は初めてNOISEに負けたと思った。
AG ええー、マジですか?
HIDE 初耳!
JESSE ライブ前の音出しの時点で本気だったことにノックアウトされた。だから俺はお前らのために何ができるかって考えてるだけじゃないんだよ。NOISEとやることは俺にとってもプラスになると思ったから「コラボしたい」って言ったわけで。
AG ああ、それはうれしいですね。
JESSE だから、その日がいつになるかはわからないけど、「これだっていう曲ができたら教えてよ」って言ったら、「やべえの作っちゃいますよ?」とか言うから、「早く作れ!」って(笑)。
AG あれからけっこう時間かかっちゃいましたね。
HIDE あの頃はまだメジャーレーベルに所属してたんで、やりたいことがすんなりできない状況だったんですよ。でも去年メジャーを抜けて、次はシングルを出そうと決まった3月下旬ぐらいに、「俺は何がやりたいんだろう。NOISEMAKERとして何をすべきなんだろう」って考えて。そのとき「F-X」でのJESSEさんの言葉を思い出したんですよ。でも、レコーディングは4月半ばからで、JESSEさんにお願いしたのが4月頭(笑)。
JESSE だから俺も「急だねえ!」って。でも、レコーディングはすごくいい雰囲気だったよね。「俺がでしゃばりすぎたら言ってな」っていうのは最初から何度も言ってて。と言うのも、俺は別にプロデュースしたいわけでも、ディレクションしたいわけでもないんだけど、何かアイデアが浮かんだらまずやってみることを大事にしてて。金がかかることなら別だけど、終わってから「実は俺、こういうことをやってみたかったんだよね……」「完パケする前に言えよ!」っていうことを、俺はこれまでいろんなバンドやグループで何十枚も作品を作ってきた中で経験してるから、何かアイデアが浮かんだらそれを俺はちゃんと伝えたかった。だから、「もしお前の中で曲げられないところがあったらちゃんと俺と戦ってくれ」と。そんなことをAGと話して。
──いい話ですね。
JESSE それで今回、ダサくねえラップを書くこと以外で、自分に何できるか考えたときに、メッセンジャーとしては歌詞の文法とか発音にもこだわりたいなと思って。実際、“Picasso”のところとかいろいろ変えたじゃん?
AG ああ、そうっすね。
──あそこのフレーズはヒップホップ的でいいですよね。
JESSE AGが「ピカソを使いたい」って言うから、それがカッコよく聞こえるように文法を変えてみて。
AG 今回みたいに誰かに歌詞を見てもらうのもまた、自分が成長できる手段の1つだと思いました。
JESSE ちょっと前だったら「全部自分でやりたい!」って思うところだったけどね。
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自分に言ってくれているような気がしたJESSEのバース
- NOISEMAKER「Wings」
- 2018年7月25日発売 / Platinum shoes Records
-
[CD+DVD]
1944円 / PS-1002
- CD収録曲
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- Wings feat. JESSE(RIZE / The BONEZ)
- SUNRISE
- DVD収録内容
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- Change My Life
- One Dream One Roof
- Something New
- Flag
- Mouse Trap
- Butterfly
- Home
- SADVENTURES
- Nothing to Lose
- Fork in the Road
- The BONEZ「WOKE」
- 2018年5月9日発売 / TENSAIBAKA RECORDS
-
[CD]
2484円 / TBRD-0509
- 収録曲
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- Until you wake up
- Bird ~people with wings~
- Rude Boy
- One more
- SUNTOWN
- LIFE
- Kings work
- Code name
- Nice to meet you
- Anthem
- See you again
- 公演情報
NOISEMAKER「NOISE MANIA 2018【ONE MAN SHOW】」 -
- 2018年8月12日(日) 大阪府 LIVE HOUSE OSAKA BRONZE
- 2018年8月13日(月) 愛知県 APOLLO BASE
- 2018年8月19日(日) 北海道 BESSIE HALL
- 2018年8月25日(土) 東京都 新代田FEVER
- The BONEZ Tour「Woke」(終了分は割愛)
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- 2018年9月2日(日) 宮城県 Rensa
- 2018年9月15日(土) 福岡県 DRUM LOGOS
- 2018年9月22日(土) 愛知県 DIAMOND HALL
- 2018年9月24日(月・振休) 大阪府 BIGCAT
- 2018年9月30日(日) 東京都 Zepp Tokyo
- NOISEMAKER(ノイズメイカー)
- AG(Vo)、HIDE(G)、YU-KI(B)、UTA(Dr)からなる4人組バンド。シャウトやラップを織り交ぜたキャッチーなメロディと、重厚なサウンドで観客を魅了する。2012年11月にはDAISHI DANCEのアルバム「WONDER Tourism」にコラボ曲「NEW GATE feat.NOISEMAKER 」が収録され話題を集めた。2014年6月にはPIZZA OF DEATH RECORDS主催のライブイベント「SATANIC CARNIVAL'14」に出演し、同年12月にはタワーレコード限定発売のスプリットアルバム「REDLINE RIOT!!」に参加。2015年3月にA-Sketchよりメジャー移籍第一弾作品「NEO」を発売した。同年の夏以降、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」「OZZFEST JAPAN」といった大型フェスの常連となり、2016年5月に1stフルアルバム「ROAR」を発表。2017年7月にスマートフォン向けゲーム「SKYOVER」のテーマソング「Sora」を配信リリースした。10月にミニアルバム「RED APHELION」をリリースし、2018年1月までワンマンツアーを実施。7月に、JESSE(The BONEZ、RIZE)をフィーチャリングゲストに迎えたシングル「Wings」を完成させた。
- The BONEZ(ボーンズ)
- RIZEのフロントマンであるJESSE(G, Vo)のソロプロジェクト、BONEZから発展した4人組バンド。JESSEが参加したオーディション企画「Stand Up! Project」をきっかけに出会ったZUZU(G)と共に1stアルバム「Stand Up!」を制作し、2012年11月にリリースした。2013年1月には東京・下北沢SHELTERでワンマンライブを開催。このワンマンライブにPay money To my PainのT$UYO$HI(B)とZAX(Dr)がサポートメンバーとして参加した。この公演がきっかけとなり、The BONEZとして4人体制での活動をスタートさせた。2014年1月には2ndアルバム「Astronaut」を発表し国内と台湾にてライブツアーを開催。このツアーは新ギタリストのNAKAと共に回る。同年7月にNAKA加入後初の音源「Place of Fire」を発表し、年末に東名阪でワンマンツアー「Astro Tour "ONE MAN SHOW"」を行った。2016年3月にはニューアルバム「To a person that may save someone」をリリースし、5月より全国ツアーを開催した。2018年5月に約2年ぶりとなるアルバム「WOKE」を発表。同月よりツアーを開催しており、9月にツアーファイナルで初の東京・Zepp Tokyo公演を行う。