AG・HIDE(NOISEMAKER) × JESSE(The BONEZ、RIZE)|コラボで見えた、互いにしか咲かせられない花

NOISEMAKERが7月25日にニューシングル「Wings」をリリースした。表題曲にはフィーチャリングゲストとしてJESSE(The BONEZ、RIZE)が参加。十代の頃、北海道のライブハウスでJESSEに自身のデモCDを渡していたというNOISEMAKERにとって、夢の1つが叶ったとも言えるコラボレーションだ。

音楽ナタリーでは今作の発売を記念して、NOISEMAKERのAG(Vo)とHIDE(G)、そしてJESSEによる座談会をセッティング。コラボに至ったいきさつや「Wings」制作エピソードなどを聞いた。

取材・文 / 阿刀“DA”大志 撮影 / 後藤壮太郎

フロントマンに必要なのは“自分にしか咲かない花”

──JESSEさん、The BONEZのツアー真っ最中なのによくぞ今日は来てくださいました。

左からJESSE(The BONEZ、RIZE)、AG(Vo / NOISEMAKER)、HIDE(G / NOISEMAKER)。

JESSE 本当ですよ!(笑)

AG ありがとうございます!

JESSE 今は子供が生まれたばっかなんで、ツアー以外ほとんど仕事入れてないんですけど、NOISEMAKERになら貸しを作ってもいいかなって。

HIDE 重い重い!(笑)

JESSE でも、こいつらのことは無条件でサポートするって俺は決めてるから。

AG ああ、うれしいっす。

JESSE だって、おかしくない? 俺、NOISEMAKERの音楽って普通に映画とかドラマの主題歌にすごく合うと思うんだよ。でも、まだそこまで行けてない。それは時代が追い付いてないのもあるし、まだフロントマンが自分にしか咲かない花を見つけられてないからだよね。フロントマンって別にイケメンじゃなきゃいけないとか、破天荒じゃなきゃいけないってことじゃないと思うんだよ。そうじゃなくてもそいつにしか咲かない花っていうのは絶対にある。周りの人たちにバラが咲いているから自分もバラを咲かせたいと思っても、そもそも自分がバラの木じゃなかったら咲かないわけで。俺もつい最近になって、同じ世代の(降谷)建志(Dragon Ash)とかモンパチ(MONGOL800)が自分とは全く違う花を咲かせてるのを見て、「あ、俺には俺の花があるんだな」っていうことに気付き始めたからさ、そのことを今日は伝えたくて。

──今の言葉を受けてどうですか?

AG いやあ、もう、これでインタビュー終了じゃないですか?

JESSE じゃあ、お疲れ!(笑)

一同 あはは!(笑)

──それぐらい核心に触れたコメントでしたね。

AG いやあ、もう、うれしいです。

JESSE(The BONEZ、RIZE)

JESSE AGの花が咲けば、おのずと周りも自分がどういう鉢になればいいのか、どういう水になればいいのかわかってくると思うんだよね。サッカーで例えると、俺、RIZEをやってるときは4トップだけど、The BONEZでは「お前は1トップで行け。お前が行くなら、俺らも付いていくから」って言ってもらってる。そんなことを言われたのはバンドをやってて初めてだったから、「ああ、こういうやり方だとチームは強くなるな」って思ったよ。

──The BONEZというチームに関してはそれがベストなフォーメーションだと。

JESSE そうそう。「俺らがお前という神輿を担ぐから」って。そういう見方ができるようになってから、ほかのバンドを見る目が一気に変わった。例えば、SiMも4トップなんだけど、ディフェンスも超固いからなかなか点が取られない。だけど誰か1人がフォワードかって言うとそうではなかったり。

靴にペンキが付いているところがAGらしさ

AG さっきJESSEさんが話していた、ボーカリストとして自分だけの花を咲かせるっていうのは最近特に意識していて。でも、それってけっこう難しくて、「自分ってなんなんだろう」と考えれば考えるほどわけわかんなくなる。

JESSE そこがダメなんだよ!

一同 あはは!(笑)

JESSE だってさ、花は考えて咲くんじゃなくて、“無”で咲くものだから。咲いた花が例えすごく地味だったとしてもそれはそれでいいんだよ。

AG ああ、そういうことか……。

JESSE あと、お前らは描く絵がめちゃくちゃヤバい(AGとHIDEはDOTS COLLECTIVEというアートユニットとしても活動している)。何がヤバいって、デカいものに描いてありそうな絵なんだよ。小さいノートに人を描くのは簡単だけど、デカいものに描くのってすごく難しい。そういうことを2人はやってるから、そこが花でもあるんじゃないかな。

──JESSEさんは、デザイン面でも早い段階からNOISEMAKERをフックアップしてますよね?

JESSE そうですね。うちのお店(JESSE'S SHOP&FACTORY)でね。

AG NOISEMAKERのTシャツをプリントしてくれたり、コラボしてくれたり。

HIDE 2年前ぐらいからだから、けっこう経ちましたね。

JESSE ね。うちに夜な夜な相談しに来たりね。

AG 鍋つつきながら。

JESSE 「俺ら、どうしたらいいッスかねえ……」「知らねえよ!」って(笑)。

──2人の絵は確かに強力な武器ですよね。今年の「SATANIC CARNIVAL」でライブペインティングを拝見しました。

ペンキで汚れたAG(Vo / NOISEMAKER)のスニーカー。

JESSE 2人の描いてる姿ってきっと地味なんですよ。大きく動くときもあるけど、基本的にはちょこまかちょこまか描いてる。でも、今もそうだけど、AGは靴にペンキが付いてるじゃん? これでキレイに磨かれた靴を履いてたら、それはAGじゃない。こういうのを履いてるからこそAGなんだよね。

AG これからもシューズ汚していきます!

一同 あはは!(笑)

JESSE つまり、そのままの姿でいいんだって俺は思う。俺も、今までRIZEでは「俺はヒーローでいないと」って思ってたけど、The BONEZではがんばって何かに取り組んでる姿が最近認められるようになった。若い頃は完璧な状態を見せることばかり意識しちゃってたけど、ひたむきに泥臭くがんばってる姿を見せてもいいんだなって。

HIDE 最近のThe BONEZは楽しそうですよね。

JESSE でしょう? キャピキャピしまくってるから。

HIDE そういう空気感が伝わってきます。

NOISEMAKER「Wings」
2018年7月25日発売 / Platinum shoes Records
NOISEMAKER「Wings」

[CD+DVD]
1944円 / PS-1002

Amazon.co.jp

CD収録曲
  1. Wings feat. JESSE(RIZE / The BONEZ)
  2. SUNRISE
DVD収録内容
  • Change My Life
  • One Dream One Roof
  • Something New
  • Flag
  • Mouse Trap
  • Butterfly
  • Home
  • SADVENTURES
  • Nothing to Lose
  • Fork in the Road
The BONEZ「WOKE」
2018年5月9日発売 / TENSAIBAKA RECORDS
NOISEMAKER「Wings」

[CD]
2484円 / TBRD-0509

Amazon.co.jp

収録曲
  1. Until you wake up
  2. Bird ~people with wings~
  3. Rude Boy
  4. One more
  5. SUNTOWN
  6. LIFE
  7. Kings work
  8. Code name
  9. Nice to meet you
  10. Anthem
  11. See you again
公演情報
NOISEMAKER「NOISE MANIA 2018【ONE MAN SHOW】」
  • 2018年8月12日(日) 大阪府 LIVE HOUSE OSAKA BRONZE
  • 2018年8月13日(月) 愛知県 APOLLO BASE
  • 2018年8月19日(日) 北海道 BESSIE HALL
  • 2018年8月25日(土) 東京都 新代田FEVER
The BONEZ Tour「Woke」(終了分は割愛)
  • 2018年9月2日(日) 宮城県 Rensa
  • 2018年9月15日(土) 福岡県 DRUM LOGOS
  • 2018年9月22日(土) 愛知県 DIAMOND HALL
  • 2018年9月24日(月・振休) 大阪府 BIGCAT
  • 2018年9月30日(日) 東京都 Zepp Tokyo
NOISEMAKER(ノイズメイカー)
NOISEMAKER
AG(Vo)、HIDE(G)、YU-KI(B)、UTA(Dr)からなる4人組バンド。シャウトやラップを織り交ぜたキャッチーなメロディと、重厚なサウンドで観客を魅了する。2012年11月にはDAISHI DANCEのアルバム「WONDER Tourism」にコラボ曲「NEW GATE feat.NOISEMAKER 」が収録され話題を集めた。2014年6月にはPIZZA OF DEATH RECORDS主催のライブイベント「SATANIC CARNIVAL'14」に出演し、同年12月にはタワーレコード限定発売のスプリットアルバム「REDLINE RIOT!!」に参加。2015年3月にA-Sketchよりメジャー移籍第一弾作品「NEO」を発売した。同年の夏以降、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」「OZZFEST JAPAN」といった大型フェスの常連となり、2016年5月に1stフルアルバム「ROAR」を発表。2017年7月にスマートフォン向けゲーム「SKYOVER」のテーマソング「Sora」を配信リリースした。10月にミニアルバム「RED APHELION」をリリースし、2018年1月までワンマンツアーを実施。7月に、JESSE(The BONEZ、RIZE)をフィーチャリングゲストに迎えたシングル「Wings」を完成させた。
The BONEZ(ボーンズ)
The BONEZ
RIZEのフロントマンであるJESSE(G, Vo)のソロプロジェクト、BONEZから発展した4人組バンド。JESSEが参加したオーディション企画「Stand Up! Project」をきっかけに出会ったZUZU(G)と共に1stアルバム「Stand Up!」を制作し、2012年11月にリリースした。2013年1月には東京・下北沢SHELTERでワンマンライブを開催。このワンマンライブにPay money To my PainのT$UYO$HI(B)とZAX(Dr)がサポートメンバーとして参加した。この公演がきっかけとなり、The BONEZとして4人体制での活動をスタートさせた。2014年1月には2ndアルバム「Astronaut」を発表し国内と台湾にてライブツアーを開催。このツアーは新ギタリストのNAKAと共に回る。同年7月にNAKA加入後初の音源「Place of Fire」を発表し、年末に東名阪でワンマンツアー「Astro Tour "ONE MAN SHOW"」を行った。2016年3月にはニューアルバム「To a person that may save someone」をリリースし、5月より全国ツアーを開催した。2018年5月に約2年ぶりとなるアルバム「WOKE」を発表。同月よりツアーを開催しており、9月にツアーファイナルで初の東京・Zepp Tokyo公演を行う。