高山一実

デビューシングルが発売されるまでの半年間で、みんなどんどんスキルアップしていたので、誰が選抜メンバーになってもおかしくないだろうし、自分の中でも誰が選ばれるのかわからない状態で発表に臨んだんです。名前を呼ばれるのを待ってる間の、あの楽屋の雰囲気といったらすごくて。選抜に選ばれた人から楽屋を出ていくんですけど、名前を呼ばれないメンバーをそこに残してスタジオに向かわなきゃいけないんです。選抜に選ばれなかった子たちはみんな「おめでとう！」って言ってくれて……その子たちはシングルの表題曲を歌えないんだと思うとすごく悲しい気持ちになって。目をふせながら楽屋を出てスタジオに向かっていったのを覚えてます。

2ndシングルのときは、1stシングルの選抜メンバーとして自分の実力を発揮できなかったことに対して「乃木坂46に申し訳ないな」って気持ちがあったので、「もしまた選抜に選ばれたらどうしよう？」って逆に不安になってしまって。だから、名前が呼ばれたときは「うれしい、がんばろう！」っていうよりも、「今のままじゃいけない、ちゃんと考えなきゃいけない」っていう気持ちが強かったです。

白石麻衣

「ぐるぐるカーテン」のときは、絶対に電話がかかってこないと思っていたら、いきなり最初にかかってきて。「えっ？」って思って電話に出たら「おめでとう」って言われたんです。うれしかったけど、「私でいいのかな？」っていう申し訳ない気持ちもあって。そのあとにスタジオに呼ばれたとき、言おうと思ってたことも全部飛んじゃって、頭が真っ白になりました。選抜発表のときは毎回、頭が真っ白になって震えが止まらなくなります。

松村沙友理

1回目のときは、2番目に私の携帯が鳴って。まさかそんな早くに鳴るとは思わなかったんですごくびっくりして、本当に自分の携帯が鳴ってるのか信じられなかったです。でも、2回目のときは「もう選抜入りは無理や」と本当に思ってたんですよ。「ぐるぐるカーテン」のときは活動しながらもずっと不安なところがあって、歌もダンスもヘタなのは自分でもわかってたし、私のせいで「乃木坂46はダンスがヘタや」と言われたら嫌やなと思ってました。だから、「おいでシャンプー」の選抜に選ばれたときはすごく驚いたのを覚えてます。そこから、ヘタはヘタでも自分らしく、ヘタなりに松村らしさを持って前に立とうと考えるようになりました。

橋本奈々未

1回目のときは、私の前に松村の携帯が鳴ったんです。松村も私も結成当初は選抜メンバーじゃなかったのに、同い年で同じような境遇だった子が先に選抜に選ばれて、うれしかったのと同時に寂しいなって気持ちになって。でも、その次に私の携帯が鳴って、本当にびっくりしたんです。私、驚いたりうれしかったりしても顔に出るほうじゃないので、テレビを観てる皆さんにはどう映ったのかわからないですけど。あのときはうれしいというより、選抜に選ばれなかった子たちの分までがんばらなきゃいけないなって思いのほうが強かったです。選ばれた喜びは、もっとあとになってから来ましたね。

2回目のときは先に名前を呼ばれた子が次の子の名前を呼んでいくんですけど……私は「もういいや。選抜から落ちたら落ちたでその現実を受け止めればいいし、選ばれたら選ばれたでがんばろう」って気持ちを切り替えて。それで、気負いとかそういったものがなくなって、今度は発表を待つ間に「自分はどれだけがんばれたのかな。どういうところで手を抜いてたのかな」っていうことを考え始めたんです。でも今思うと、きっと名前を呼ばれなかったときのショックを和らげるために、先に反省してたのかもしれないですね。

生駒里奈

「ぐるぐるカーテン」のときは名前が呼ばれて安心するよりも前に、びっくりしたのと不安とが交じり合って、もう意味がわからなくて。がむしゃらになって、何も考えられずに進んでいったら、すぐに2回目の選抜発表があるよって言われて。なぜかわかんないけどうち、発表前に収録スタジオから逃げたんですよ。そうしたらスタッフさんに見つかって、スタジオに連れ戻されて。でもうちは楽屋に入りたくなくて、スタジオのレストランの隅っこでずっとうずくまってた。あのときは多分怖かったのかもしれないけど、時間が経ってから「選抜に選ばれたからには、ちゃんとやらなきゃいけないな」って気持ちが出てきて。1回目の経験があったから、ちゃんと考えてやれるようになったかな。