西岡秀記|経営者とソングライターを両立させる理由

メジャーデビューはスタートライン

──西岡さんは今年4月にリリースした3rdシングル「追憶 / 陽があたる場所 / tsu...tsu...tsu...情熱!」でメジャーデビューされました。これはどういった経緯だったんですか?

西岡秀記

YouTubeで公開している「DEAR」という曲のミュージックビデオを見たレコード会社の方から会社のメールに、CDリリースのご案内のメールが届いたんです。1stシングルのことがあったんで最初は怪しんでいたんですが(笑)、話を聞いたらキングレコードさんだったんで即デビューすることに決めました。20歳で音楽をやり始めた当初はメジャーデビューを目指してたこともありましたけど、いろいろ経験した今は「よっしゃ!」なんて思うこともなく、むしろ「ようやくソングライターとしてスタートラインに立てたのかな?」って思っています。「人の心を動かす経営ソングライター」の立ち位置を確立し、自分自身の思いを広めるためにはメジャーデビューはいいきっかけになるのかなって。

──収録曲についても伺っていきたいんですが、1曲目の「追憶」では大切な人との別れを歌っています。この曲はどうやって生まれたんですか?

ある雨の日に自分の人生を振り返ってみて、そこで「俺は本当に失敗ばかりしてきたなあ」と思ったんです。でもどんな生き方をしても失敗しない人生なんてないし、むしろ「これまでいろいろあったけど、今日という日を普通に過ごせていることに感謝しよう」って思えてきて。それと、自分と同じような失敗や似たような経験をした人と話していると、だんだんお互いの心のドアが開いていくんです。失敗がまた新しい一期一会を生んでくれます。こうしていろんな人の失敗談や経験、自分自身の失敗や経験、そこから生まれたさまざまな感情をもとに生まれたのが今回の「追憶」という曲です。女性からよく話を聞いてたのもあって、自分の作品にしては珍しく女性目線の歌詞になってますが、これまでの自分の人生が詰まった曲になりました。

──2曲目の「陽があたる場所」は男性からの目線で、失恋した人を励ますような歌詞です。

そうですね。この曲も人の失敗がもとになっているという点では「追憶」と似ています。ある知り合いが離婚したとき、僕は「どんな失敗も無駄にはならへんから元気出して」ってアドバイスを送っていたんです。まあ男女の問題ってのはみんなそれぞれいろいろあるわけでして、僕自身も離婚経験者ですからなんだかすごく感情移入しちゃって(笑)。複雑な感情のもとで失敗をした人たちに対して「今は影の中にいるかもしれないけれど、“陽があたる場所”に向かって歩いていこうよ」という歌を作ろうと決心しました。実際、僕は人生においてそれなりに失敗をしてきましたが、今ではいっぱい失敗してよかったなって思えてますからね。失敗は終わりじゃなくて新しい始まりなんですよ。

──3曲目の「tsu...tsu...tsu...情熱!」では自由に生きることの大切さが歌われています。

この曲は、例えば若い世代の人がSNSで他人と自分を比較して劣等感から心を病んでしまうとか、そういった事例を見ていて「隣の芝生を青く見てても時間がもったいないだけやから、自分が一番大切にしている目標に向かって生きていこうや」っていう思いを込めて書いた曲です。ほかにもテレビでの偏向報道だったり、僕が考える今の世の中の腹立たしいことに対する気持ちも表現しています。

“経営ソングライター”全国へ

──今後の活動についてもお聞かせください。すでにアルバム2枚分のレコーディングを終えているそうですね。

西岡秀記

そうなんです。すでにレコーディングは終わっていて、まだ決まってはいませんが年内をメドに2枚同時に出そうかなと思っているところです。ただ、このシングルに収録されている3曲はアルバムに入れないということは決めています。

──その理由は?

シングルの3曲は僕が歩んできた35年の人生の集大成のような作品になりました。それに対してアルバムの収録曲は制作当時の体験や感情から生まれたものなので、一緒にするのは違うと思っていて。ちなみに2枚のアルバムのうち1枚は僕が20代のときに書いた曲ばかりが入っていて、もう1枚は30代になって書き始めた曲だけが入ってます。

──なるほど。そして4月から全国のショッピングモールを回るツアーも始まっていますね。

はい。新星堂さんと組んで、11月まで関西から関東地域の各所を回ります。スケジュールは随時オフィシャルサイトにアップしていきます。

──最後に今後の活動の展望を教えてください。

精力的にライブ活動をして、僕を応援してくれる熱きファンを少しでも増やしたいと思います。「どれだけチャレンジして失敗しても歌い続ける経営ソングライター西岡秀記」のことをいろいろな人に知ってもらって、「じゃあ自分も何かに挑戦してみよう」って思ってくれる人が1人でも増えていけばいいなって。「関西出身のソングライターといえば“経営ソングライター”の西岡秀記」と言われるようになることが目標ですね。

西岡秀記
西岡秀記「追憶 / 陽があたる場所 / tsu...tsu...tsu...情熱!」
2017年4月26日発売 / KING RECORDS
西岡秀記「追憶 / 陽があたる場所 / tsu...tsu...tsu...情熱!」

[CD]
1300円 / KICB-2708

Amazon.co.jp

収録曲
  1. 追憶
  2. 陽があたる場所
  3. tsu...tsu...tsu...情熱!
  4. 追憶(オリジナルカラオケ)
  5. 陽があたる場所(オリジナルカラオケ)
西岡秀記(ニシオカヒデキ)
西岡秀記
1982年生まれ。2002年に音楽活動を始め、2005年には個人事務所WINGROUPを設立。会社の経営とソングライター業をこなす“経営ソングライター”を名乗る。2005年12月、1stシングル「Last Christmas~With You~」でCDデビュー。2012年12月に1stアルバム「いつまでも、いつの日か、いつの日も」をHIDEKI名義で配信リリースした。2016年10月に2ndシングル「不滅の絆」を発表。表題曲は航空母艦“瑞鶴”の追悼イメージソングとして制作され、同月、奈良県橿原神宮で行われた瑞鶴の慰霊祭で披露された。2017年4月には3rdシングル「追憶 / 陽があたる場所 / tsu...tsu...tsu...情熱!」でキングレコードよりメジャーデビューを果たした。