西田望見×児玉雨子|相性抜群!ソロデビュー作で一緒に紡いだ物語

西田望見が7月24日にソロデビューミニアルバム「女の子はDejlig(ダイリー)」をリリースする。

テレビアニメ「マクロスΔ」から派生した“戦術音楽ユニット”ワルキューレのメンバーでもある西田。デビュー作は新曲6曲と、作詞家・児玉雨子が書き下ろしたリーディングパートで構成されたコンセプチュアルな作品に仕上がっている。音楽ナタリーではリーディングパートのほか6曲のうち「ロンリーロンリーシンギュラリティ」「想像守護神キメキトイア」、そして西田自身も共作として作詞に参加した「まどろみはDejlig」の3曲に携わる児玉との対談の場を設け、楽曲のコンセプトや制作過程、お互いの魅力について存分に語ってもらった。

取材・文 / 髙橋裕美 撮影 / 塚原孝顕
メイク / サカノマリエ スタイリスト / 本田雄己 衣装協力 / ギャレリートーキョー

初めて会ったとは思えないくらい、相性バッチリ!

──今回、西田さんが児玉さんにコラボレーションをお願いしたのは、どんなきっかけからだったんですか?

西田望見 ディレクターさんからの提案がきっかけです。私のマネージャーさんが、児玉さんが作詞提供されているアンジュルムさんの大ファンということもあり、児玉さんをご紹介いただいたときは非常に盛り上がりました。いろいろお話させていただく中で、ぜひお願いしたいですと、まずは「ロンリーロンリーシンギュラリティ」の詞を書いていただきました。

児玉雨子 さすが! 愛のグループ、アンジュルム!(笑) まさかそんなに喜んでいただけたとは、今初めて知りました。

西田望見

──女子人気の高いアンジュルムですが、今回の西田さんのアルバムも“女の子”のいろんな魅力がぎゅーっと詰め込まれたような作品になっているなと思います。

児玉 よかったです。実は以前、SNSで「乙女心が何もわかってない」とおしかりリプライが飛んできたことがありまして……。

西田 私は乙女心、すごく感じました! 女子の繊細な心の描き方が本当に素晴らしいなと……。

児玉 うれしいです……!

──女の子が現実と夢を行き来する、物語要素の強いコンセプチュアルな本作ですが、その構想は児玉さんに依頼する前段階からできあがっていたんですか?

西田 そうですね。最初の打ち合わせのときから、リーディングと楽曲で1つのストーリーを作ってみたいというお話はしていました。ざっくりとしたお話を考えて、それを元に児玉さんに「ロンリーロンリーシンギュラリティ」をお願いしたら、素敵な歌詞をいただけて。ひと目見て「すごい! 胸キュンだ!」と感じるとても素晴らしい仕上がりだったので、最終的にたくさんご一緒できて、本当にうれしかったです。

──児玉さんは最初に今回のお話を受けたとき、どのように感じました?

児玉 私はワルキューレの曲は聴いたことがあったので、そのときから西田さんのことは「歌、うまっ!」と思っていました。

西田 わっ、ありがとうございます……!

児玉 ただ、声優としての西田さんをよく知っているわけではなかったので、「西田さんはこういう人」というイメージをそんなに持っていなくて。だからこそ、逆に先入観なく詞を書けたのかもしれません。お話をいただいてから西田さんのことを調べても付け焼き刃になるだけなので、オーダーに応えることに集中して書いていきました。最初にお話をいただいた「ロンリーロンリーシンギュラリティ」の作曲がTeddyLoidさんだったので、「ホントですか!?」とまずそこで喜んで(笑)。作詞をさせていただくのは、当初はこの1曲だけかなと思っていたこともあり、あまり何も考えず、単純に楽しく書かせていただきましたね。

西田 なるほど! てっきり私のことをいろいろ調べたうえで書いてくださったのかと思っていました。こんなにぴったりな世界観を書いてくださるなんて……初めてお会いしたとは思えないくらい、相性バッチリでとてもうれしいです。

児玉 そのあとに「想像守護神キメキトイア」やリーディングの具体的なお話をいただいた辺りから、ほかの方が手がけられた曲も拝聴して、全体がいい意味でバラバラになるようにというのを意識して歌詞を書いていきました。

左から西田望見、児玉雨子。

アンドロイドの女の子が恋をしたら……

──では、ここからは児玉さんが参加された楽曲について、制作の裏側を伺っていければと思います。西田さんがどのような思いをコンセプトに込め、児玉さんがどう表現していったのか、「ロンリーロンリーシンギュラリティ」からお聞かせいただけますか?

西田 この曲は、“アンドロイドの女の子の恋”をテーマにした曲です。小さな頃からアニメ「攻殻機動隊」(情報ネットワークとサイボーグ技術が発達した近未来を舞台にした作品)が好きだったりしたので、「AIが登場するような世界観の中で、機械の女の子が恋をしたらどうなるんだろう?」と思って、そこから詞を書いていただきました。

児玉雨子

児玉 曲を聴いてまず、サビのフックになるフレーズを横文字にしようということだけは決めて。それからタイトルの“シンギュラリティ”の通り知能が高すぎて、人間からすると何を言っているのかわからないものを目指しました。TeddyLoidさんの曲ってメロディに無駄がなくて、楽譜に書き起こしてもグチャグチャにならないような曲なんです。シュッとキマッてカッコいいので、こちらもどんどん無駄をそぎ落としていきましたね。さすがTeddyLoidさんという感じの曲で、詞を書かせてもらえて光栄でした。

──ワルキューレの「おにゃの子♡girl」の作編曲を手がけているのもTeddyLoidさんです。TeddyLoidさんの楽曲は西田さんの声と相性がいい印象がありますね。

西田 「おにゃの子♡girl」をたくさん歌わせていただいていたので、曲にスッと入りやすい感じがして、すごく歌いやすかったです。TeddyLoidさんが作ってくださるテンポや音の高さが、自分の中に入っていたのかなと。