ナタリー PowerPush - NIKIIE
決意の2ndシングル「HIDE&SEEK」
2010年12月のデビュー以来、みずみずしい世界を描き出す才能と透明感のある歌声で大きな注目を集めているNIKIIE。早くも到着する2ndシングル「HIDE&SEEK」には、代々木ゼミナールのCMソングとなっている躍動感に満ちたタイトルチューンの他、タイプの異なる全3曲が収録されている。自身の心の奥底を恐れなくすくい取ることで生まれた楽曲たちには、前作以上にNIKIIEという人の魅力が鮮やかに刻み込まれている。
2度目となる今回のインタビューでは、楽曲のことはもちろん、ライフとラブのバランスについて、アップライトピアノへのこだわりなど、さまざまな話を聞くことができた。
取材・文/もりひでゆき
ライブ前はあいかわらず怖いです
──デビューからほんの少し時間が経ちましたけど、何か変化ってありました?
変わりました! デビュー前とデビュー後ではライブのときのお客さんの聴いてくれ方が全然違うというか。デビューシングルに入ってた3曲を聴き込んで来てくれる方が多いので、口ずさみながら聴いてくれる人がいたり、泣きながら聴いてくれる人がいたりして。そういう面ではすごく変わってきたなって思いますね。
──お客さんの層も幅広くなったり?
そうですね。お客さんはオールジャンル的というか(笑)。若い方もいれば、お母さん層がいたりもするし。男女も五分五分くらいで混ざってますね。
──理想的ですね。かたよらず、すべての人たちに響いている感じがして。
作る上では全然意識してないですけど、そういうふうにいろんな世代の方たちが聴いてくれるっていうのはうれしいですよね。なんか不思議な感じもしますけど。
──ライブは楽しいですか?
楽しいです。でも、ライブ前はあいかわらず怖いです。ステージに立っちゃえば楽しさのほうが勝つんですけど、出る前は緊張とともに不安が表れてくるので。楽屋を真っ暗にして「緊張するー!」って言ってますね、だいたい(笑)。
──アハハハ(笑)。
でも、本番直前になるとその状態からフッと抜ける瞬間があるんですよ。そうするとすっごく楽しくなってくるんです。なので、とことん緊張し切ることにしてます(笑)。
さよならを選んだときに書いた曲
──で、早くも2ndシングルがリリースされるわけですが。タイトル曲の「HIDE&SEEK」はCMで大量にオンエアされていますね。
代々木ゼミナールのCMソングです。ほんとにありがたいことです。
──僕も代ゼミに行ってたんですよ。余談ですが。
えーー! うちのディレクターも代ゼミ出身らしいですよ。あと、今年のお正月にいとこが「サイン書いて!」って持ってきたのが友達に借りたらしい代ゼミの英単語帳で。その時点でCMソングを歌わせていただくことが決まっていたので、すごい偶然だなってビックリしましたね。新年一発目のサインが代ゼミの英単語帳っていう(笑)。余談ですが。
──受験生の境遇にマッチする内容になっていますけど、これはタイアップの話に合わせて作った曲なんですか?
いや、それが違うんです。これは2年ぐらい前に書いた曲なんです。その当時の私には大切に思っていた人がいたんですけど、お互いのやりたいことを叶えるために、さよならを選んだときに書いた曲で。自分にケリをつけるため、相手にケリをつけてもらうために書いたんですよね。
──曲ができたことでケリをつけて、新たなスタートが切れました?
書いた当時は正直、全然スタートできてなかったです。ずっとクヨクヨしてました(笑)。でも、書いてからの2年間で、転職のことや恋愛のことで悩んでる友達に歌ってあげたりとか、声帯を壊してずっと歌えなかった友達が復活するライブで歌わせてもらったりとか、いろんな人のスタートやさよならの場面、転機にこの曲を歌ってきたことで、曲自体がどんどん成長してきたんですよね。同時に、自分とすごく寄り添ってる曲だなとも思うようになって。で、今回、代々木ゼミナールのCMに使っていただけるってことになったときに、ちょっと意外だったと言えば意外だったんですけど、でも曲の内容としては確かにマッチしそうなこともいっぱいこもっているので、なんかすごくうれしかったんですよね。
NIKIIE(にきー)
1987年茨城県生まれの女性シンガーソングライター。4歳からピアノを始め、16歳の夏から作詞作曲を始める。高校時代のバンド活動を経て、17歳よりピアノ弾き語りでソロ活動を開始。高校卒業後に上京し、本格的にライブ活動を始める。精力的にライブ活動を行っていたところ、現在のレーベルの目に留まり、2010年12月にシングル「春夏秋冬」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。