ナタリー PowerPush - NIKIIE

決意の2ndシングル「HIDE&SEEK」

絶対アップライトピアノでやりたい

──2曲目には「LUV SICK」という曲が収録されています。「恋だの愛だのうつつ抜かして」「ボーっとしてる暇はない」というオープニングのフレーズが突き刺さりますね。

歌詞が痛いなあっていろんな人に言われます(笑)。実際は私も恋愛の話をするし、ガールズトークみたいなことは大好きなんですけど、この曲を書いた去年の3月くらいってちょうどデビューのお話をいただいた時期だったんですよ。で、同じ時期に友達も転職しようとしていて、お互いに恋したいとか言ってる場合じゃないよね、みたいな感じになって。で、書いた曲なんです。

──「HIDE&SEEK」もそうですけど、NIKIIEさんって自分の目標や夢のためならば、恋愛をバッサリ切り捨てちゃう印象がありますね。

んー。どうなんだろう。人生とか自分の夢って大事だけど、案外ラブとライフを天秤にかけると平衡な感じがしますけどね。

──そうですか?

あー! でも、そうかも。ライフに傾いていることのほうが多いかもしれないですね。ラブがグンと重くなることがあんまりなかったかも。うわー、幸せになれない(笑)。

──いやいや、それが幸せじゃないかっていうと、そうとは言い切れないですけど、NIKIIEさんくらいの年齢の女性には珍しいタイプなのかなって、ちょっと思ったり。

そうなんですかねえ。わからないですね(笑)。でもラブだけだともったいないですもんね。

──この曲ではアレンジャーの中島ノブユキさんが、エレピを弾いてくださってますね。

弾いていただきました。最後に「入れてみよっか」ってことになったんですけど、それがすごくいい味を出してくれましたね。

──NIKIIEさんはエレピは弾かないんですか?

レコーディングでは弾いていないですね。いずれは弾きたいなって思うんですけど、今はピアノの音の出し方とか、音の重ね方とか、そういうもののほうが興味が大きくて。基礎的なところをもうちょっと納得いくまで鍛えられたらエレピにもチャレンジしたいなとは思ってます。やっぱり弾き方が若干、違うので、例えばウーリッツァーならではの弾き方とか、そういうのは身につけていきたいですね。

──そういえばNIKIIEさんってビデオクリップではアップライトピアノを使ってますよね。ちょっとクラシカルなカワイイやつ。

はい。グランドピアノじゃなくて、アップライトピアノでやりたいっていうのがあるんですよ。自分が作曲し始めたピアノでもあるし、常に寄り添っていたのがアップライトだったので。アップライトピアノって、弾いてるときに自分の姿が映るんですよ。そういう、ちょっとパーソナルな感じもなんとなく自分に合っていて、自分らしいかなって。

自分の天秤がラブにグンと傾いたときの歌

──で、もう1曲は「TOXIN」。さっきの天秤の話で言うと、この曲はラブに傾き切ってる内容かなあと。

そうです、そうです。全部がラブにグンと傾いたときの歌です。けっこういっちゃってる感じですねえ(笑)。この曲は本当に「HIDE&SEEK」とは真逆で、理性なんてもういらないっていうか。本能のままに生きれたらいいのにっていうことをもがきながら、溺れながら歌っている感じです。「HIDE&SEEK」はある意味、自分の中で答えが書けた曲だと思うんですけど、この曲のようにもがいている時期があったからこそ、そこへ辿りつくことができたんだよっていうことをわかってほしいなと思って3曲目に入れました。

──本作のリリース後、4月には東名阪のワンマンツアーがありますね。

チケットを買っていただいてのワンマンツアーは初めてなので、来てくださった皆さんと充実した時間を共有できるように、精一杯いろんな私を詰め込んでやりたいなって思ってます。自分の幅が広がることをいろいろしてみたいですね。

──ライブ前は緊張しますかね。

たぶん。部屋真っ暗にして緊張してると思います(笑)。でもライブはほんとに楽しいですね。毎回、絶対同じ雰囲気のライブにはならないし、ステージに立っているのは私1人だけど、1人じゃないんだなって実感できる空間なんですよね。会場によって空気が違うのも楽しいので、東京、大阪、名古屋でその感じを味わえたらなって思います。

2ndシングル「HIDE&SEEK」 / 2011年3月9日発売 [CD] 1260円(税込) / 日本コロムビア / COCA-16448

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CD収録曲
  1. HIDE&SEEK
  2. LUV SICK
  3. TOXIN
NIKIIE(にきー)

1987年茨城県生まれの女性シンガーソングライター。4歳からピアノを始め、16歳の夏から作詞作曲を始める。高校時代のバンド活動を経て、17歳よりピアノ弾き語りでソロ活動を開始。高校卒業後に上京し、本格的にライブ活動を始める。精力的にライブ活動を行っていたところ、現在のレーベルの目に留まり、2010年12月にシングル「春夏秋冬」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。