音楽ナタリー PowerPush - ニコナタ(音楽)

制限なき「アニメ×音楽」のコラボレーション結果

TeddyLoidインタビュー

「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-チャンネル」を終えて

TeddyLoid

──ニコニコ生放送の番組出演を終えての感想を教えてください。

僕自身ニコニコ動画が大好きで、ニコ生もよく観てるし出演してるから安心できました(笑)。出ている自分も楽しめるっていうのがニコニコ生放送だなって思います。実際に出演してみて、僕が登場したときに「8888888」ってコメントで“拍手”してくれたり、「音楽がいい」って言ってくれたり。あと番組中に面白いコメントやエッチな発言が読める(笑)。ネットを通じてダイレクトにコミュニケーションが取れるっていうのは本当に面白いと思っています。また出たいですね。

──曲の場面場面で「ここの音がカッコいい」っていうコメントが随時入ってましたね。

そうなんです。「曲がいい」だけじゃなくて、作品の時間軸で「ここがいい」っていうのが目でちゃんとわかるっていうところは面白いですよね。

──その面白さはDJプレイやライブでフロアからリアルタイムに反応が返ってくる感覚に近い?

ああ、まったく一緒ですね。自分がDJやってて盛り上がったときに「ここでこういう反応くるんだ」っていうのが「ここでこういうコメントくるんだ」って形でリアルタイムにわかる。それを観てるとこっちも興奮します。

──映像作品「ME!ME!ME!」について、TeddyLoidさんの感想を聞かせてください。

音楽とアニメーションがここまでシンクロしている内容の作品に参加できてうれしいです。それに「ME!ME!ME!」には人間という生物の表と裏の面がすべてむきだしで表現されていますよね。そういうアニメってなかなかないというか、少なくとも僕は観たことがない。だから本当に衝撃的で、感動しました。

──吉崎響さんとのタッグは2度目ということですが、ファーストコンタクトはどういった形で?

石澤秀次郎さんという方がやっていた、映像作家と音楽アーティストのコラボレーションイベント「REPUBLIC」というのがあって、2013年に僕もDJをやらせてもらったんです。そのとき石澤さんが響さんを紹介してくれて、僕は響さんのKOTOBUKIっていうVJユニットとコラボレーションしました。KOTOBUKIはDJセットのイントロ部分に合わせたその日だけの映像を作ってきてくれたんです。それが宇宙空間をライドするような映像で、僕の名前がバーッと出てくるっていう内容で。それを観て「あー響さんとご縁があったら何か一緒に作品を作りたい」って思っていたので、お話をいただいたときは即答で「やりたいです」って言いました。

──実際に共作してみていかがでした?

響さんは超マニアックで、いい意味でオタク(笑)。それは僕自身も同じで、FPSの話とかお互いのやりとりを経て新しいものが生まれていくんです。刺激のあるセッションができたと感じましたね。

──今後もこうしたアニメとのコラボレーション作品を手がけていきたいですか?

はい。この映像が6分だったので次は1話分やりたい……いや1クール、2クールやりたいかなって感じで(笑)、もっといっぱいやりたいと思っています。アニメの世界でいろんな方とつながっていきたいです。

──さて今回はdaokoさんをフィーチャーした音楽も話題でした。彼女をセレクトした理由は?

彼女はラッパーというだけでなく、いろんな声質を持ったボーカリストなんです。17歳という若さにもかかわらず、ラップやウイスパーボイスなど歌の表現が変幻自在な方で。言葉や音程を巧みに操れる人だったので、彼女なら表現できるなと思って。

──そして依頼にいたったと。

はい。それでアニメのフル尺ぐらいの曲をdaokoさんに送ったら、彼女は次の日に曲の全編にわたって自分の声を乗せて送り返してきたんです。

──次の日! すごい創作意欲ですね。

そうなんです。だからこちらも作るのがすごく楽しくて。あと今回で一番印象に残っているのは、女の子が泣いてて男の子が倒れてて……っていうシーンでdaokoさんがドープなヒップホップのトラックでラップしてる部分があるんです。僕は普段曲を作る際はポジティブな感情を音楽にすることが多いので、彼女の闇の部分というか、そういった言葉からインスピレーションを受けて、彼女の表現に合ったシークエンスを作っていきましたね。日本のアニメであのドープな表現はなかなかないと思います。

──ヒップホップパートだけでなく、6分の中で何度も展開がガラリと変わるナンバーに仕上がっていますね。

はい。FPSシーンのダブステップパートはdaokoさんの声をカットアップして新しい音色にしました。そして最後は彼女のラップを入れて一気に盛り上がれる展開にして。1つの作品の中でいろいろなシーンを音楽にできました。これはdaokoさんとだからこそできたって感じですね。

左から吉崎響、TeddyLoid、井関修一。
「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」
作品紹介
第7話 until You come to me.

原作 庵野秀明
美術 串田達也
音楽 鷲巣詩郎
監督 平松禎史

第6話 西荻窪駅徒歩20分2LDK敷礼2ヶ月ペット不可

監督 前田真宏
原案・キャラクターデザイン 本田雄

第5話「安彦良和・板野一郎原撮集」

出典 機動戦士ガンダムより
構成・編集 庵野秀明
制作 スタジオカラー
製作・著作 サンライズ

第4話 Carnage

監督・キャラクターデザイン 本間晃

第3話 ME!ME!ME!

企画・原案・監督 吉崎響
音楽 「ME!ME!ME! feat. daoko」 TeddyLoid
キャラクターデザイン・作画監督 井関修一

第2話 HILL CLIMB GIRL

監督 谷 東
アニメーション制作 スタジオカラー デジタル部

第1話 龍の歯医者

原案・脚本・監督 舞城王太郎
アニメーション監督 鶴巻和哉

日本アニメ(ーター)見本市 「ME!ME!ME!」
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  • dwango.jp
TeddyLoid(テディーロイド)

TeddyLoid

1989年8月23日生まれの男性アーティスト / 音楽プロデューサー / DJ。18歳でMIYAVIのメインDJ / サウンドプロデューサーとして13カ国を巡るワールドツアーに同行した。2010年には☆Taku Takahashi(block.fm / m-flo)とともにテレビアニメ「Panty & Stocking with Garterbelt」のサウンドトラックを担当。翌2011年には柴咲コウ、DECO*27とともにgalaxias!を結成し、アルバムを発表した。またSOUL'd OUTのツアーではスクラッチDJとしてのテクニックも披露している。2013年にはももいろクローバーZの楽曲「Neo STARGATE」でアレンジを担当したほか、同年4月の「ももいろクローバーZ 春の一大事 2013 西武ドーム大会」ではDJとしてもライブに参加。さらにMEGやマドモアゼル・ユリア、TEMPURA KIDZ、Yun*chi、the GazettE、SuGなどさまざまなジャンルのアーティストの楽曲プロデュースやアレンジ、リミックスを手がけている。2013年8月からは自身のオフィシャルサイトで、「BLACK MOON RISING」と銘打たれた連作を発表。2014年7月にキングレコードの新レーベル「EVIL LINE RECORDS」とのアーティスト契約を発表し、翌8月にワンコインCD「UNDER THE BLACK MOON」、9月に初のオリジナルアルバム「BLACK MOON RISING」をリリースした。