「ガルクラ」は好きなことを仕事にしたい方にはすごく刺さるはず
──皆さんが声優を務め、主題歌や挿入歌も担当するアニメ「ガールズバンドクライ」は、まさにそうしたバンドの喜びや困難が描かれている作品です。学生世代の人たちにこそ刺さるであろう描写も多いですよね。
理名 そうですね。リアルに社会の厳しさや理不尽さが描かれるので、学生の皆さんは仁菜(理名の演じる主人公・井芹仁菜)と同じ目線で観られるんじゃないかなと思います。というか、私自身がまだ子供なので(笑)、ホントに仁菜と同じ気持ちでいるんです。2人からもよく「仁菜だよね」と言われていますし。
夕莉 どんどん仁菜になってる。トゲを隠さず出すようになってきているというか。
理名 心にトゲを抱えている人は、その気持ちを忘れないでほしいなと思います。もちろん自分を押し殺して社会に合わせることが大事な場面というのもたくさんあると思うんですけど、己を強く持ってほしい。無理なく合わせられる人の場合はともかく、それができない私みたいな人は(笑)、無理をしてまで合わせる必要はないんじゃないかな。
夕莉 私が演じた桃香は、いろんな大人の事情をのみ込んで抱え込んじゃうタイプで。キャラクターごとのスタンスや考え方の違いなど、人間性がリアルに描かれていて、どんな人が観ても誰かには感情移入できると思います。バンドでプロを目指す子たちを描く作品なので、音楽をやっている方はもちろんですけど、好きなことを仕事にしたいと思っている方にはすごく刺さるはずです。ぜひ観てほしいです。
朱李 今回ライブをさせていただく日本工学院は、そんなふうに夢を追っている人たちが通う学校だと思うので、心に響くセリフや場面にきっと出会えると思います。7話のミネさんのセリフとか。
夕莉 「好きなことを仕事にするって、そういうことだよ」っていうね。
朱李 そういうシーンがあるんです。安定を求めるのか、夢に向かって突き進むのか、思い通りにならなかったときも夢を見続けられるのか……将来について考える時期にいる人たちにはすごく刺さるセリフだと思います。
理名 私もイチオシはそのシーンですね。
夕莉 あとはあそこが好き。6話の、初めて5人でスタジオに入って「視界の隅 朽ちる音」を合わせるシーン。仁菜の背後から虹色の風がぶわーっと吹いてくる描写があって、あれはバンドをやっている人ならすごく共感できると思う。音を合わせたときの幸福感が表現されていて。
理名 私たちも初めてバンドで合わせたときは、まさにあんな感じだったよね。ちょうどテレビシリーズの総集編(「劇場版総集編 ガールズバンドクライ 【前編】 青春狂走曲」)が劇場公開中ですし、まだ観たことがない方にはぜひこの機会に観ていただきたいです。
──加えて、完全新作映画の制作も発表されました(参照:トゲナシトゲアリ全国Zeppツアー開催、「ガールズバンドクライ」完全新作映画制作決定)。
夕莉 テレビシリーズが終わって1年くらい経ちますが、皆さんからずっと「続きはないんですか」という声をいただいていて。私たちも同じように待望していたので、やっと新作をお届けできることがすごくうれしいです。「ガルクラ」ファンの方は公開を楽しみに生きてほしいなと思います。
朱李 私たちも生きますから。
“運命二段活用”で元気になっていただけたら
──若者たちが人生につまずいたときに聴いてもらいたい、トゲトゲのオススメ曲はありますか?
理名 「傷つき傷つけ痛くて辛い」ですかね。
夕莉 曲名からして盛大につまずいてるもんね(笑)。
朱李 え、それでいいの? 大丈夫? 励ませる?
夕莉 励ましではないね。
理名 励ますっていうより、トゲを出して背中を押すような曲かな。だって私たち、励ましの曲なんてないじゃん。ある?
朱李 いや、あるでしょ(笑)。「運命の華」とか。
夕莉 でも、落ち込んでるときに「嬉しくて楽しくて」とか歌われるのはちょっと……。
理名 イラッとこない?
朱李 なんだこいつら!(笑)
夕莉 タイプによるのかも(笑)。じゃあ、落ち込んだときに励まされたくない理名とか私タイプの人には「傷つき傷つけ痛くて辛い」や「声なき魚」を聴いてもらって……。
理名 ああ、確かに「声なき魚」もいいね。「うるさいんだよ ほっといてくれよ」って。
夕莉 で、朱李みたいに応援してもらいたいタイプの人にとっては「運命の華」がいいのかな。
理名 あと、「運命に賭けたい論理」とか。
朱李 ああ、それは元気になれる。納得です。
夕莉 「運命」つながりで(笑)。“運命二段活用”で元気になっていただけたらと思います!
“レベルアップしたいつも通り”を見せたい
──では最後に、「ナタリー × 日本工学院かまた祭 School Festival LIVE “トゲナシトゲアリ”」への意気込みを聞かせてください。
理名 今回のライブは学園祭ということで、初めて観てくださる学生の方もたくさんいると思うので、新規ファンを獲得したいです(笑)。いつも通りのトゲトゲをお見せすることで、少しでも同世代の心に刺さってくれたらいいなと。
──「いつも通り」という言葉が出ましたが、先日の武道館公演がまさに「いつも通り」だったなと感じました。どんな舞台であってもいつも通りにやれるんだぞ、という自信に満ちていたなと。
朱李 そうですね。“かなりいつも通り”にできたと思います。
理名 「かまた祭」では“レベルアップしたいつも通り”を見せたいですね。
夕莉 武道館後初のライブだしね。日本工学院の学園祭ということで、お客さんの中には音楽業界を志している方もいると思うんです。そういう方々に「こういうアーティストになりたいな」とか「一緒に仕事したいな」と思ってもらえるような、カッコいいバンドとして認識されるライブができるようにがんばりたいと思っています。
朱李 現役の在学生だけじゃなくて、入学予定の高校生も来られると思うので、「この世界を目指していてよかった」と思ってもらえるような姿を見せたいです。いつも通りにやって、その楽しさを伝えられたらいいなって。それに加えて、いつもトゲトゲを応援してくださっている方も観に来てくれると思うので、皆さんの自慢のバンドであれるように、精一杯がんばりたいと思います。
理名 締めにふさわしいコメントです!
朱李 (ガッツポーズで)よし!
公演情報
ナタリー × 日本工学院かまた祭 School Festival LIVE “トゲナシトゲアリ”
2025年11月3日(月・祝)東京都 日本工学院専門学校 日本工学院アリーナ
OPEN 14:30 / START 15:30 / END 17:00(予定)
トゲナシトゲアリ Zepp Tour 2026 “拍動の未来”
- 2026年2月11日(水・祝)神奈川県 KT Zepp Yokohama
- 2026年2月14日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
- 2026年2月23日(月・祝)愛知県 Zepp Nagoya
- 2026年2月28日(土)北海道 Zepp Sapporo
- 2026年3月8日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2026年3月13日(金)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
- 2026年3月14日(土)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
プロフィール
トゲナシトゲアリ
理名(Vo)、夕莉(G)、美怜(Dr)、凪都(Key)、朱李(B)の“人見知り出身”5ピースによる、“既成概念ぶち壊し系エモり散らかし”ロックバンド。メンバーは2021年6月より主催・agehasprings、協力・ユニバーサルミュージック、東映アニメーションで開催されたオーディション「Girl's Rock Audition」にて選出され、アニメ「ガールズバンドクライ」劇中バンドと連動しメイン声優を務めると同時に、リアルなバンド活動を展開している。楽曲はすべて玉井健二(agehasprings)がプロデュース。2023年7月に1stシングル「名もなき何もかも」をリリースし、その後もコンスタントに楽曲を発表している。2025年9月にはキャリア初となる東京・日本武道館でのワンマンライブ「トゲナシトゲアリ LIVE in 日本武道館 “奏檄の叫”」を成功に収めた。2025年11月には東京・日本工学院専門学校 日本工学院アリーナで初の学園祭ライブ「ナタリー × 日本工学院かまた祭 School Festival LIVE “トゲナシトゲアリ”」を、2026年2月から3月までZeppツアー「トゲナシトゲアリ Zepp Tour 2026 “拍動の未来”」を行う。
トゲナシトゲアリ - UNIVERSAL MUSIC JAPAN
トゲナシトゲアリ - agehasprings Officiel Web Site
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